原油高騰や地球温暖化などで危機的状況にある日本農業の未来を考えるシンポジウム「本来農業への道・東三河から発信する持続可能で夢のある農業」が28日、田原市の田原文化会館で開かれ、市内の農業関係者など300人が出席した。有限責任中間法人・本来農業ネットワーク(石黒功代表理事)主催。


 基調講演では、古在豊樹千葉大教授が「石油価格高騰と地球温暖化状況下における園芸」をテーマに、閉鎖型苗生産システムや細霧冷房など最新の園芸技術を紹介。続いて山梨県の農業生産法人・サラダボウル社長の田中進氏が「これほどアカデミックでクリエイティブな仕事はない。自分たちの努力の成果が目に見えて分かる」と農業への熱い思いを語った。


 古在教授や田中氏、学識経験者や地元田原市、JA愛知みなみの関係者が参加したパネルディスカッションは「農業の人材育成」がテーマ。田中氏は、「農業ってかっこいい仕事。医者よりすごい」という同法人で働く全国各地から訪れた就農希望の若者たちの言葉を紹介。農業の魅力PRの重要性を指摘した。農業活性化のためには、「ビジネスの視点と消費者ニーズへの意識を持った農業経営が必要だ」という意見が出た。


 最後に、石黒代表理事が「農業教育の場を作るなどして持続可能な農業を実現したい」と出席者へ理解と協力を求めた。



2008.09.30
東日本新聞