担い手育成を掲げる農政改革が、規模拡大が進んだ北海道の農家経営に打撃を与えている。

品目横断的経営安定対策の交付金(緑ゲタ)単価に小麦の近年の収量増が十分反映されないため、地域によって大幅な所得減が生じる見込みだ。

事態を重く見た道議会は品目横断対策の見直しを求める意見書を採択。

揺らぐ日本の食料基地の生産現場を追った。

■主産地に不安

 世界自然遺産の知床にほど近い網走地方。

道内の小麦生産の3割を担う畑作主産地で、大規模農家が不安といら立ちを募らせている。


掲載日:07-10-23