「私たちは自治権が欲しいだけ」――ダライ・ラマとのひととき     BizPlus

  無線を付けた男性が、スワンキーホテルの6階へと誘導してくれた。そのフロアの廊下は人々でごった返し、セキュリティが常ににらみを利かせている。しかし いったん部屋に入ると、その雰囲気は一変した。彼は暖かな(無邪気と言いかえてもいい)笑みを浮かべながら手を差し出し、握手で私たちを迎え入れてくれ た。その人こそ、ダライ・ラマ14世だ。

 ノーベル平和賞を授賞したことでさらなる名声を獲得したダライ・ラマ14世は、非暴力を訴えるチベット人のフェスティバルに参加するため、この時アーマダーバード(グジャラート州)に滞在していたのだ。

 彼はくつろいだ様子でソファに腰を下ろし、腕時計にちらりと目をやると「さあ、始めましょうか」と笑顔で語りかけてくれた。私は最初の質問を彼にぶつけた。

「グローバル化する今の世界において、僧侶であるというのはどんな気分でしょう?」

 彼は私の目をじっと見て、答える。

「そうですね、私は僧侶です。いつも大勢の警察官を従えている僧侶です。でも、私は僧侶としての人生を良きものだと思っています。ぜいたくをするこ とはほとんどありません。毎日9時間寝ていますしね。ちょっと視点を変えると、私は僧侶として、世界の60億の人々のことを強く想っています。世界は今、 変化の時を迎えており、人々がその変化の目撃者なのです。現在の資本主義は、19世紀までのそれとは性質が変ってきています」

 そして笑いながらこう言った。

「今じゃ共産主義者だって資本主義を始めているんですよ」

 この精神的指導者の人生は、まさに波乱万丈だった。彼はチベットの自由のために、40年間戦ってきたのだ。そしてその意志は、今も変わることがない。

 彼はこれまで、チベットの「自治」を訴えてきた。その選択は正しかったのだろうか。

「チベットはチベット人のものです。チベットの未来は、チベットの人々のものです。私の手中にあるものではありません。紙に書いた協定が幸福を保証してくれるわけではありません」

 では、彼はチベットの独立をあきらめたのだろうか。

「チベットは経済的には遅れています。しかし精神的には非常に発展しています。チベットの人々は近代化することを望んでいます。防衛と外交は別として、私たちはあらゆる面での自治権が欲しいだけなのです。私たちは、誰からも抑圧されたり、支配されたくはありません」

 彼が以前、ダライ・ラマの後継者は女性でもいいと語ったことについては、チベット人の間でも議論を呼んだ。それについても尋ねてみた。

「これまでのダライ・ラマは、すべて男性でした。今、女性のダライ・ラマが出現してもおかしくありません。今の世の中、女性は非常に重要な役割を 担っています。女性のダライ・ラマは、男性のダライ・ラマよりも魅力的でしょう。そうすれば、我々の活動はより大きな実を結ぶかもしれませんよ」

 彼はフェミニストなのだろうか。

「ええ、私はフェミニストですね。フェミニストであり、ヒューマニストです」

 暴力がなくならない世界で、ダライ・ラマの非暴力の考え方や慈悲の心は、ますます重みを増している。彼は、そうした考えを世界中の学校で教えるべきだと常に述べている。残念ながらそれは実現できていないように思えるが、本当に可能なのだろうか。

「私も時にはかんしゃくを起こしますよ。でも心の中に悪い感情を入れることはありません。誰に会うときだって、距離感を感じることはありません。ブッシュ大統領でも、ローマ法王でも、一般の人でもね。私は誰とでも接することができますよ」

 邪悪な心を持たず、分け隔てもしない。これこそが、ダライ・ラマの活動の根底にあるものだろう。この考えを、すべての人々が共有することができれば、私たちが住む世界はもっと住みやすい場所になるに違いない。

 彼のアシスタントが時間を告げに来た。次の来訪者が待っているので終わりにしてくれという。私はとっさに、最後の質問をした。

「あなたの笑顔は遺伝ですか?」

 彼はこらえきれないといった様子で、しばらく声を上げて笑った。

「ええ、きっとそうでしょうね!」

 こうしてダライ・ラマとの面会は終わった。でも、ダライ・ラマの笑い声は、いつまでも私の耳の中で響いていた。

(この取材は08年1月に行われたものです)


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インド経済にはまだ多くの課題・シン首相     BizPlus 

 マンモハン・シン首相は27日、インドのグローバル経済化の進展について、「まだ最良の時期に到達していない」とし、国内には「すべての分野で多くの課題が残されている」とした。

 海外のジャーナリストたちとの交流会でシン首相は「10億人以上の人口を抱え、多様性を持つインドは、まず文明社会としての要件を満たす義務がありました。インドは開かれた社会、そして政治形態を保持していることに誇りを持っています」とした。

 続けて「インドは多くの多様な課題に直面しています。しかし、我々は人権を守り、法の尊重を約束しています」と答えた。

 グローバル経済化の発展についてシン首相は、「最良の時期には達していません。これから50年は、より生産性の高さが求められるでしょう」と語った。


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マルチ・スズキ、インドで100万台体制へ加速     BizPlus

 過去2年間約15%の成長を遂げているマルチ・スズキ・インディアは以前、 今後2年間で製造台数を100万台規模にすると発表していた。しかし同社は、その計画を繰り上げ、今年10月までに100万台体制とすべく設備を整えていくという。

 マルチ・スズキの役員は、「需要の成長を見込んで製造台数増加を決定した。ハリヤーナー州のマーネーサル工場は、2008年10月までに30万台 の製造キャパシティーを備えることになる。その時期にはスズキの5代目の世界戦略車「A-Star」の製造も始める」と語った。現在の生産キャパは年間 67万台で、マーネーサル工場の設備拡張が予定通り進めば10月には100万台体制となる。

 親会社のスズキは、2010年までに世界で販売するスズキ車の3分の1をインドで製造したい考えだ。インドでの拡大計画は予想以上に進んでおり、インドで3分の1以上製造することは実現性が高い。

 今年1月のデリー・オートエキスポで披露されたスズキA-Starは、今年10月から製造を開始し、2009年初めにはヨーロッパ市場に向けての 輸出が始まる。A-Starはマーネーサル工場で製造され、初期段階は輸出市場専用に製造されるが、後に国内市場用も製造される予定。

 マルチ・スズキは26日に小型セダンのスイフト・ディザイアを国内で発売開始したばかり。


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日印通貨スワップ協定締結     BizPlus

  インド政府は27日、短期的な国際収支問題軽減のため、日本と通貨スワップ協定を結ぶことを発表した。将来的な国際収支危機への経済保護措置のために結ば れるこの協定に従って両国は30億ドル(約3000億円)の通貨を互いに供給する。協定はインド準備銀行と日本銀行によって結ばれる。

 日本とインドの通貨スワップについては、2007年8月に当時の安倍晋三首相がインドを訪問した際に原則合意している。日本とインドは通貨スワッ プ協定を結ぶことで、どちらかの国、もしくは一方の国の通貨市場混乱の際の緊急流動性資金を提供することができるようになる。

 情報筋によると、協定の草案には、インドの外貨準備高の3000億ドル(約30兆円)は近い将来運用されることはないことが明確に標記されている という。しかし例外として、90年代後半にアジア諸国で起こった金融危機などの事態が起これば備えとして運用されることになる。またこの協定にはインドと 日本は、通貨筋への攻撃が起こった場合に互いに支援することも明記されている。

 日印通貨スワップ協定締結に向けての動きのほかにも、インドはシンガポールとの包括的経済協力協定の中の免税品目16品目を削除するなどの改定に合意した。また、14品目が国内の製品を守るため無税枠の輸入品を規制する例外品目となった。


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インド、世界第2位のモバイル大国へ・ 伸び率は世界一     BizPlus

 インド電信統制局(TRAI)によると、インドのモバイルネットワーク登録数が4月までに3億件(登録数ベース)に達する見込みで、これによって中国に次ぐ世界第2位に躍り出ることになる。

TRAIは「2008年上半期のインドのモバイルネットワークの登録件数は、アメリカを抜いて世界第2位となるだろう」と発表した。

 現在、世界最大のモバイルネットワークを持っているのは中国で、毎月600万から700万件ずつ増え続けている。米国の通信業界団体(CTIA) によると、米国の登録数は2億5600万件で、毎月200万から300万件ずつ増加している。インドは登録件数では中国に負けているものの、毎月800万 から900万件ずつ増加しており、伸び率は世界一となっている。


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ヤマトHD、インドに現地法人・海外で9社目    NIKKEI NET

 ヤマトホールディングスは1日、インド北部ハリヤナ州グルガオン市に企業向け国際物流を手掛ける現地法人「ヤマトロジスティクスインド」を設立したと発表した。主に日系企業を対象に、自動車など工業生産品のインド国内における物流を担う。

 同社グループがインドに本格的な営業拠点を設けるのは初めてで、これまでは駐在員の事務所があるだけだった。海外の現地法人は9社目で、グループで進める国際事業強化の一環。資本金は約4400万円で、全額をヤマトグループが出資した。


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