VEST POCKET KODAK ーヴェストポケットコダックー
1912年発売のコダック社の歴史的カメラのレンズを外してミラーレスに取り付けたもので撮影しました。
いわゆる「ベス単フード外し」です。かの有名な植田正治先生(鳥取砂丘で有名)もこのレンズで作品を撮っていました。
デジタルの今では、撮影後にソフト効果をかけたり簡単に加工ができるようになりましたが、こちらが紛れもなく元祖です。なにせ大正時代から使われていた手法ですから!
今回はそんな王道オールドレンズを使って晩春の砧公園を撮影してきました。
手始めに、「ベス単」は開放で使うものであり、絞って撮ることはないとのことなのですが、絞ったらどうなるのか検証してみました。
■開放(f6.9程度)
■ちょい絞り(f8くらい)
■もうちょい絞り(f16くらい)
■最大絞り(f22くらい)
絞りに指標がないので、大体で撮りました。
開放付近では、しっかり狙い通りのソフトが出ました。
絞れば結構シャープに写ります。最大絞りでは回折現象が起きているのか若干モヤけますね。
当時はモノクロフィルムしかなったはずですが、カラーでも色のりも悪くなく意外とまともに写りました。
撮ってみて感じたのは、ソフト感を出すにはピントの位置も影響するようで、ちょっと前ピンにすることでボケが強く出ます。この辺りはちょっとのピンずらしで画が変化するので、ミラーレスで見ながら調節するのがやりやすいです。
こういった、「背景が暗く、被写体が明るい」ところを狙うと効果がいっそう出ます。
普段ソフトフォーカスは使わないのでなんだか新鮮です。
日常が幻想的な雰囲気になりますね。
ホワッたした感じは、デジタルでのソフト効果とはちょっと違い、ピントの芯はありつつ周辺が滲むので心地よいボケになります。
晴れている日に使いたくなる、マニアックレンズがまた1本増えました。