vol.3 長島奈美さん（前編）　パワー全開中！メディカルアロマセラピスト

東京都内から電車で1時間程度で行ける観光地として人気のスポット、鎌倉。
その鎌倉・御成通りにある「ネイル＆アロマテラピー　チェルシー」。

2009年に長島さん姉妹ではじめたサロンです。こちらのサロンでアロマセラピー担当。またメディカルアロマセラピストとして病院でも活躍中のAROMANOA代表の長島奈美さん。

日本でも一般的になってきたアロマセラピストですが、病気のケアとして、病院での施術を目指すセラピストも多く大変興味深い分野です。そこで……

『みたい、ききたい、しりたい！となりのアロマ』いってきました！

まずは前編です♪

趣味で始めたアロマが、天職に！？

２０代の頃の長島さんは「花の商社OL生活」をエンジョイ。社内恋愛の末退職していく先輩が多い職場で入社3年を迎え、自分の将来像がここにはないと思い転職。

（但：社内恋愛はやってみたかった事の一つ（笑））。

大手雑貨メーカーのシンガポールの事務所で、アジアン雑貨のバイヤーとしてアジア各国を飛び回る、毎日ハードな生活を送っていたそうです。

「ハードな仕事にはたえられると思っていましたが、納期を急ぐ会社。のんびりと一生懸命、モノをつくっているアジア各国の職人。その板挟みで精神的にくたくた。また男性と同じように働くことの大変さ、ストレスを感じ始めました。せめて、家にいるときだけでもリラックスしようと、アロマを手にしました。

仕事以外の時間に趣味の時間もつくろうと思い、アロマの知識を学ぶために、シンガポールにある数少ない学校からたまたま選んだ学校が『IFA(International Federation of Aromatherapists＝国際アロマセラピスト連盟』でした。なにも知らずに、趣味程度に通おうとおもい申し込んでみたところ理論の授業だけかと思いきや、マッサージの実技までカリュキュラムに。『だから授業料がそれなりにしたんだ』と後から気がついて驚きました(笑）。単なる趣味の為のスクールでなく、プロ養成スクールだったとは。英語の入学案内だったので……よく読んでいなかったんですね（笑）。

でも、マッサージを覚え始めたらとても楽しくなりましたね。直接人の体に触れて、相手が気持ち良いと思ってもらえて。これこそ　『face to faceなサービスができる仕事』だと感じました。商社にいたときも、バイヤーとして働いていても、その商品が、いったいどんな人の手にわたり、どんな風に思ってくれているか……。そういうことを実感することができないのが物足りなくて、アロマセラピストとしての仕事が自分にはあっていると強く思いはじめました。この仕事を続けてきた今でも、『直接お客さまにサービスできる最高の仕事』であって、とても楽しい仕事です。たまたま趣味ではじめた事でしたが、こんな展開になるとは思いませんでした(笑)」。

メディカルアロマセラピストとしてのスタート

日本に帰国した後、産婦人科で産後のケアとして施術。その後、内科や耳鼻科において経験を積んできた長島さん。何故、学校卒業後いきなり病院での施術を選んだのか伺ってみました。

「本当にアロマセラピーが効果的なものなのか確認するには、病院で施術するのが一番良いと考えました。とはいうものの、なんのコネクションもないので病院向けに営業のファックスをしました。経験もないのに、いきなり営業できたのは、海外での生活で感覚がずれていたのか？若気の至り…ですかね。今じゃそんなことできないです(笑)。営業をかけたものの、　ほとんどの病院でゴミ箱ポイ！　でしたがたまたまアロマに興味があった産婦人科の院長夫人がファックスを手にしたことで施術をとりいれてもらえる事になりました。なにも知らずにIFAで勉強していたのですが、IFAという肩書きが日本で役に立って、結果的によかったと思いました(笑)。

病院での経験は、本当に自分の自信になりました。アロマセラピーは即効性はありませんが、身体に滞っているものを定期的に流してあげることでその人がもともと持っている能力を引き出し、免疫力をアップする手助けになります。病院でケアをしていくうちに、患者さんの体調に変化があり元気になっていく姿も実感できました。多くの症例にかかわったことにより、今では『アロマは薬に値するもの』と自信をもってすすめられます」。

目に見えないものの価値を伝えていく難しさ

病院での施術のほか、自宅でのサロン、一般の方にアロマを広める為にカルチャースクールの講師を務めるだけでなく、メディカルアロマセラピストを養成する、『メディカルアロマセラピスト養成講座』の講師の仕事もこなす長島さん。２年前に、自宅でネイルサロンをしているお姉さまと一緒に鎌倉駅の近くで、『ネイル＆アロマテラピー　チェルシー』という名前で店舗を構えました。店舗を構えてから感じた事などについて伺ってみました。

「ネイルとアロマセラピーという、face to faceなサービスでありながら両極端なサービスを一緒にはじめて　『目に見えない物の価値を伝えていく難しさ』を痛感しました。リピーター率がなんといってもネイルの方が高いです。人は、目に見えて美しいもの、すぐに効果がでるものに対してはお金をおしまず、はじめはリピート率も高い気がします。

アロマセラピーは即効性というよりも、定期的に体にとり入れる事で、効果が出てくるもの。１回の施術でその価値を分かってもらうのはなかなか大変です。
定期的に精油を使ったマッサージを受ける事で、自分の体が楽になっている事を実感する事ができると思います。そして、その精油が質の良いものであれば、効果はさらに高いです。アロマは、なんといっても身体に直接取り入れることでその効果を発揮します。ホームケアとしてもマッサージなど身体に直接ぬりこんでもらいたいですが、精油は、オイルで希釈するとか、かならずひと手間があるので結構面倒ですよね。自分でも面倒なことなので(笑)。『飲むアロマ』『ぬるアロマ』等もっと手軽なものが普及するといいですが…。

アロマセラピーはいいかえると『西洋の漢方』『香りの治療法』。もはや、リラックスという域をこえた、『自然療法』の一つである事を、なんとか伝えていきたいです」。

後篇では、出産を目前に控えている長島さんならではのお話しも♪　お楽しみに！

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