「闇のあとの光」はメキシコのカルロス・レイガダス監督の日本初公開作品である。カンヌ国際映画祭監督賞に輝いた作品だ。

ストーリー:不明。

はっきり言おう。意味不明だ。これはオナニーに等しい。ある家族の話を描いているようだが、不明だ。
この映画に物語なんてない。適当にそれっぽいシーンをつなぎ合わせて、アートっぽい作品にしただけの映画にしか思えなかった。
まあ、でも一応説明をするとしようか。

ストーリー:メキシコのとある村に暮らすフアン。彼は妻ナタリアと2人の子どもと一緒に暮らしていた。その後、よくわからない映像が入り交じって来て、やっぱり不明。

うん。やっぱり意味不明だ。オフィシャルサイトとか予告編とか見直したけど、それっぽい感じしか受け取れない。映像は結構綺麗なので、ギリギリ☆2つだが、脚本のひどさは群を抜いている。
普通に批評するのもバカバカしいんだが、一応分析してみると、まず冒頭から観る気をなくす。
冒頭は紫色になった夕方に牛を犬が追いかけ回し、その中を一人の女の子が歩いているシーン。これは綺麗で、わくわくする。が、長い。何分このシーンやるんだよ。ってくらい長い。高画質のホームビデオを観ている気分になる。そしてその後、真っ赤な悪魔のようなものが道具箱を持って家に入って来るシーンとなる。が、この真っ赤な悪魔はこことラストの方にしか出てこない。全編通してちょいちょい出て来るならまだしも、これだけ?って思う。
そしてその後、アルコール依存症のサークルでのシーン、全く意味不明な少年たちのラグビーのシーン、パーティーのシーン、サウナでの乱交シーン、海辺のシーン、などが挿入されていく。時間軸も場所も飛び過ぎで全く理解が出来ない。ていうかラグビーのシーンは何なんだよ。他のシーンは家族との関わりがありそうなんだけど、ラグビーだけは全くもって意味不明だった。
ということで、関連が普通に観ていたら全くわからない映像(細かく分析したって多分僕にはわからないと思う)が次から次につなぎ合わされている映画だ。
これを読んで面白い!って思ったらいったらいいと思うけど、文句は受け付けないので。あくまでも自己責任で行ってください。
ちなみに、映画館から出て行く人たちは一切の会話がなく、目も虚ろか、苦笑い、もしくは無でした。前の回の終了時に観客がめっちゃ静かに出て来たのを見て「何だろう」って思ったけど、自分がその立場になったは静かになるってことがわかったよ。

それにしてもやっぱり何度見直しても予告編は面白いし、面白そうな映画に感じられるよなあ。

何と言うか、一般人には理解不能な映画だ。初めて映画館に来たという人がこんなの観たらもう二度と映画なんて観るまい。(こんなマニアックなのを初映画に選ぶ人がいるとは思えないが)

この映画を観ていいのは、あまりに観るものがなくなったけど、映画館に行かなきゃ死んでしまうという僕のようなちょっと病気な人か、「他人と違うものに価値を見いだす俺ってカッコイイ!」って思っているにわか芸術ファンくらい。特に後者のような人には他人をぶっちぎりで置いていって「俺だけが分かっている世界」の話を延々出来る映画だと思うのでおすすめだ。
それをやったら確実に一緒に行った人とは二度と映画に行けないだろうし、友達も減るだろうけど。

「食べられるかどうかすら知らない食材をいっぱい集めてきて、どう調理したらいいかわかんないけど、とりあえず全部ぶち込んで何か料理を作ったよ!味見もしてないし、毒とかまだまだ入ってるかもだけど、食べて食べて!これが作りたかったの!何だかわからないけど!」って出された得体のしれないものを「ああ、これだよね。この何ともわからない感じ。最高だよ。死んでもいい」って言って食べられる人は観に行ってもいいと思うけど、それ以外の人は敬遠した方が良さそうだ。

「俺わかってます」みたいなインテリ通ぶりたい奴ホイホイな映画だと思うので、ぜひぜひインテリ通ぶりたい人は行ってください。
まあ、映像は綺麗です。それなりに。