競泳のロンドン五輪代表選考会を兼ねた日本選手権第6日は7日、
東京辰巳国際水泳場でおこなわれ、
女子200メートル平泳ぎで東京・武蔵野高1年の15歳、
渡部香生子(JSS立石)が鈴木聡美(山梨学院大)に次ぐ2位に入り、
五輪初出場を決めた。鈴木は2分22秒99で優勝し、
100メートルに続く代表。
2分23秒56の渡部も五輪派遣標準記録を突破した。
男子200メートル個人メドレーは栃木・作新学院高3年の萩野公介(御幸ケ原SS)が
1分58秒01の高校新記録で制し、400メートルとの2種目の代表に決まった。
0秒19差で2位の日本記録保持者、高桑健(自衛隊)は2大会連続で代表入りした。
同200メートル背泳ぎは世界選手権銀メダリストの入江陵介
(イトマン東進)が1分54秒03で快勝し、
100メートルに続く代表が決定。
1分56秒83で2位の渡辺一樹(セントラルスポーツ)も代表入りした。
◆新星 全力スパート
15歳が失敗から立ち直り初めての五輪切符を手にした。
女子200メートル平泳ぎの渡部は持ち味の大きな泳ぎで後半に追い上げ、
二つ目の枠に滑り込んだ。2位とはいえ、
2分23秒56は昨年の世界選手権と比べると銅メダル相当の好記録だ。
上位5人が派遣標準記録を上まわるハイ水準な展開。
100メートル平泳ぎで代表入りを決めた隣の鈴木が先行したが
「誰にも負けたく無い」と冷静だった。4位で前半を折り返すとためた力を解放。
「死ぬ気で頑張った」と言うロングスパートでベテラン選手を抜き去った。
100メートルはプレッシャーで泳ぎを崩した。
3日の予選は15位。準決勝進出を逃すところだった。
不安を隠さ無い渡部に麻績(おみ)隆二コーチは言った。
「棄権していい。200メートルで代表を取るのが目標だろ」
小学2年生から教わる恩師の言葉で初心をおもい出した。
「自分のレースさえすればいい」。この種目は6位に終わったが、
気負うことなく準決勝、決勝を経験したことで弱気の虫を追い払った。
3月にはロンドン五輪の会場でおこなわれたプレ大会に出場した。
慣れ無い時差もあって成績は振るわなかったが、本番の舞台を経験したのは強み。
「初めての五輪は緊張するだろうけど、
日本チームの足を引っ張ら無いように頑張りたい」。
伸び盛りの高校生が笑顔で声を弾ませた。 (松山義明)
渡部 香生子(わたなべ・かなこ)東京・武蔵野中3年だった
11年ジャパン・オープンの女子平泳ぎで3冠。世界ジュニア選手権は
200メートル優勝、100メートル2位。東京・武蔵野高1年、JSS立石。
164センチ、55キロ。15歳。東京都出身。


