8月31日

 

① サムスン電子サービスが、協力業者の8000人の職員を直接雇用することにした労使合意を破棄した。労働組合は「サムスンの対国民詐欺」とし強く反発した。

サムスン電子サービス支会は「会社側が9月4日まで計画を撤回しなければ、地域別ストライキなどの闘争に突入する」と明らかにした。

 

雇用状況が火の車である文政権に、また一つ頭痛の種が増えた。

 

② 2009年、双龍自動車労組ストライキが警察によって鎮圧された。この鎮圧は「李明博大統領府」の最終承認の下でなされたと、というのが「警察庁人権侵害事件真相調査委員会」の言いがかりだ。

真相調査委の調査結果によれば、当時警察はヘリコプターから2級発ガン物質が主成分の催涙液を混ぜた水20万リットルを労働者に向けてばら撒いた。低空飛行するヘリコプターの“下降風”を利用して解散を試みる“風作戦”も試みた。また、当時対テロ装備として規定されていたテーザーガン、多目的発射機などを労働者に向けて使った。

27日、民主労総金属労組双龍自動車支部と双龍自動車汎国民対策委員会がソウルで記者会見を行い、李明博元大統領とチョ・ヒョノ元警察庁長官を処罰せよと要求した。

双龍自動車を解雇された労働者も「国家暴力の責任者を処罰せよ」絶叫した。

イ・市民社会団体連帯会議運営委員長は、記者会見で「明白な国家暴力を明らかにするために、きわめて長い歳月を要した。すでに30人が亡くなっているので、今からでも国家が踏みにじられた労働者に対する責任を負わなければならない」と話した。

この民族は妥協を知らない。血相を変えて自己の正義を主張する。この分では、南北が統一しても「大当たり」どころか、たちまち大喧嘩を始めるだろう。

それにしても、おかしなことは、李朝期の民衆が酷い目にあったことはちゃっかりと棚上げにして、日本の支配のみを貶す。加害者は雲隠れして消えてしまった。

③ 文大統領は、北の非核化、統一が目前に迫っているような楽観ムードを煽ったが、シンガポールでの米朝首脳会談後二か月たっても進展は皆無だ。

ポンぺオ国務長官が平壌を訪問することで、米朝関係がいよいよ始動を始めると期待されたが、これも中止となった。

取りやめの理由は、北朝鮮からの親書の内容であったという。トランプ大統領は北朝鮮に非核化の意志を疑問視して、この夏中断した米韓合同軍事演習の再開をほのめかした。韓国に相談もなく米韓合同軍事演習再開に言及するとは、同盟国ながら無視されている証拠だ。

朝鮮半島の現状は4月22日の南北首脳会談、5月12日のシンガポールでの米朝首脳会談以前の時点に逆戻りした。

とんとん拍子に南北の宥和が進展すると当て込んだ文大統領の予想は見事に外れた。南北で推進するはずの意気込んだ共同事業が宙に浮いてしまった。

例えば、南北鉄道共同調査はアメリカからクレームが出て遂行できず、南北連絡事務所の開所も経済制裁に違反するという理由で見通しが立たない。トランプ大統領は北の非核化が不透明であるから、文大統領が勝手に先走りすることを警戒している。


これに対して、韓国統一部は「南北鉄道共同調査は、対北朝鮮制裁の対象ではない。開城の南北連絡事務所も南北相互の和解に役立つと反論した。こうでも言わなければ、文大統領は国民に示しがつかぬだろう。

実現するかどうか甚だ疑わしいが、文大統領は9月の国連総会出席にかけて、平和宣言宣言を目指すという。

日取りは不明だが、9月に文大統領が平壌を訪問する。北朝鮮は「板門店での合意を履行せ」よと文大統領に圧力をかけている。

米朝関係が怪しくなって、韓国の役割が重大になったと大統領府は張り切っているが、「北朝鮮は一年以内に非核化をする用意がある」とアメリカに伝えた手間、訪問の成果がなければ信頼が墜る。

一方北朝鮮はアメリカに対しても「「対話対話と言いながら信頼造成のために爪先ほどの努力もせず、逆に図々しくも我が国に対して『先非核化』という不当で強盗的な要求だけを執拗に持ち出している」と激しく非難している。

これでは文大統領の平壌詣も気が重い。「民族同士」の北朝鮮には土産を用意せねばならず、一方国防の頼みとするアメリカにも気を遣わねばならない。手ぶらで帰ったら世界の笑いものになる。

④ 金正恩委員長が非核化したくともできないのは、独裁者とはいえ軍部の反対を恐れるためだろう。終戦、平和宣言なく核を放棄することは軍部にとって反逆行為だ。、そんなことをいきなりやったら独裁者としての座も危ない。

トランプ大統領も中間選挙を控えて引き下がれず、文大統領の支持率も北との進展如何にかかっている。誰もがう後ろに引けない立場にあるから、解決はややこしい。

⑤ 韓国左派系「ハンギョレ紙は「トランプ米大統領は、シンガポール首脳会談において、で金正恩委員長に「朝鮮戦争終戦宣言にすぐ署名する」と約束した」と報じて、北の肩を持ち、アメリカに責任があると強調した。非核化が先か、終戦宣言が先か、卵と鶏の論争と同様、議論することさえ馬鹿げている。

シンガポールの米朝首脳会談で両者は出まかせの口約束をした。会談当事者は世紀の首脳会談だと自画自賛したものの、後から振り返ると空騒ぎをしたショウでしかなかった。