民主党が5月中旬に党独自の参院選情勢に関する世論調査を実施し、獲得議席が最少のケースでは選挙区と比例代表を合わせて29議席にとどまり惨敗に終わるという分析結果を出していたことが30日分かった。民主党幹部が明らかにした。この場合、民主、国民新の与党両党が参院で過半数を獲得するのは絶望的だ。調査は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題での社民党の連立離脱以前の段階のもので、現時点で再調査すればさらに厳しい結果が出る可能性がある。

 この分析は、世論調査の結果に基づき、民主党選挙対策委員会などが持つ情報を加味して、参院選の獲得議席を予測したものだ。調査結果と分析内容は極秘扱いとされており、「小沢一郎幹事長ら数人しか知らない」(党幹部)という。結果を知る数少ない党幹部は、「最も良くて40議席台後半だが、最悪の場合は29議席だ」と述べた。

 調査結果の内訳をみると、選挙区では、中国、四国、九州などの西日本や関東で特に劣勢が目立つ。

 全国に29カ所ある改選1の選挙区(1人区)で、民主党が確実に獲得できそうなのは岩手、奈良など数議席にとどまった。平成19年の参院選では、当時与党だった自民党が6勝23敗で惨敗したが、今回の民主党調査は、前回参院選とまったく逆の傾向を示している。

 また、民主党は小沢氏の主導で2人区に候補者2人を擁立してきたが、福島などを除き、共倒れが「続出」するという結果が出た。5人区である東京でも1議席しか獲得できない。

 比例代表は、民主党は19年の参院選で20議席だったが、今回は「最悪で10議席」に落ち込む可能性があるとされた。

 民主党の石井一選対委員長は27日の講演で、参院選について「選挙区では30議席、比例代表で17、18議席はとれる」と、計48議席との見通しを語ったが、最も楽観的な観測に沿って分析した発言とみられる。

 民主党は、参院選で大敗しても衆院で圧倒的多数を占めており、衆院での首相指名選挙に勝つことはできる。だが、参院選敗北が政権崩壊につながった例は珍しくない。19年7月の参院選では、37議席だった自民党の安倍晋三首相(当時)が同年9月に辞任に追い込まれた。10年参院選でも、44議席だった同党の橋本龍太郎首相(当時)が退陣している。

 一方、民主党幹部は30日、都内で記者団に、党内から鳩山由紀夫首相の退陣論が出ていることに関し、「参院(民主党)の人たちが鳩山さんではダメだと言っている状況で、『あくまで鳩山さんで行きます』と言うのはとても難しい」と語った。

 今回の調査結果は、民主党内の鳩山首相退陣論に拍車をかける可能性がある。また、仮に参院選まで鳩山首相が続投できたとしても、民主党の参院選での獲得議席が、調査結果の最少のケースに近い結果となった場合、首相退陣は不可避とみられる。

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