さて、また興味深い記事を見つけました。
このブログでもよく紹介しているアメリカタイムの健康記事です。
Childhood Trauma Leaves Legacy of Brain Changes
http://healthland.time.com/2013/01/16/childhood-trauma-leaves-legacy-of-brain-changes/
<簡単な要約(適当な翻訳)>
人生初期における痛みをともなった経験は人の脳を変える。
幼少期のトラウマが攻撃的な行動をする大人にしてしまう。
この研究はマウスを用いた実験によるものである。
思春期時代に恐れやトラウマがある状況下にあったマウスは
その経験の後に攻撃的な性格になる。
(※記事では狐のにおいを嗅がせたりした)
またストレスホルモン(テストステロン)のレベルも高くなっていた。
そしてもうひとつ眼窩前頭皮質の機能が鈍くなっていた。
このような状況下にある人の場合の治療にはソーシャルプログラムの開発だけでなく、幼少期でのトラウマ治療もまた大事である。
さてこのストレス環境下では脳内の恐怖を感じる部位である
amygdala扁桃体も過活動になっていた。
また意思決定にかかわる部位と扁桃体との接続も変わっていた
一方MAOA阻害剤で治療したら症状が直っていった。
<私の感想>
そういえば去年あたりにも渡り鳥の研究で
暴力的な親に育てられた鳥はヒステリックになりやすいという
記事を見て、同じだなと思いました。しかも世代間で繰り返されるそうです。今回は脳科学的アプローチですが、たとえば心理学的に見ると
アダルトチルドレンは連鎖するのだと言ってる話とも繋がる気がします。認知構造が連鎖していくのでしょう。
こういう記事を読んでおくと、怒りっぽい人がいても
もしかして彼の幼少期は気の毒なことになっていて、その結果
扁桃体が過剰に動いてるからそういう態度なのかもしれないなと
憶測ながら想像がつきますね。
ちなみに記事ではMAOA阻害剤の話が出てきます。
これによってドーパミンを増やしたりして治療するということでしょう。ただ脱感作的な行動療法も平行してやってるはずですが。。
ちなみに話が脱線しますが、これも海外記事ですが
セロトニンの元になる5HTPというサプリメントでもヘントウ体への
良いアプローチが得られたそうです。
あとこの手の記事でいつも気になるのは人格や性格形成は
生まれた後の外部環境に依存してるのか、もともとあった脳の
器質的なものが大きいのかどちらかのかということです。
たとえばすごくストレスのある環境にいるのに意外と大丈夫という
人もいますし、そうでない過敏な方もいます。
器質と外部環境それぞれ 何割と何割くらいなんでしょうね。