脳神経の話ですが

遅延報酬とは、物凄く簡単に言うと今日はお金はあげないが

1年間毎日Aという酷くつまらない仕事を続ければ1年後には大金を

あげます、それまで日々のタスクをこなせますか?

我慢して待つことができますか?ということです。


健常者の方なら努力してすぐに報酬が与えられなくても

未来の巨額報酬という課題を与えられれば、

頭の中でその未来の報酬を予想し待つことができます。

だからこつこつ毎日の課題を飽きずに可能なのです

(もちろん健常者も飽きますが、その飽きる度合いが別次元です)

脳の部位だと線条体辺りにある報酬系回路が正常だからという

説明が可能でしょう。最近の研究では理化学研究所がADHDは

脳の線条体と視床下部がほとんど動いてないというデータを出しています。今までは怠けているんだろうと言われていたことが

器質的なことだったと分かり始めたわけです。


さてADHDは遠くに設定された巨額報酬は理解できません。

つまり、目先のケーキや寿司には飛びつきますが、今こつこつ努力したら1年後には1000万円もらえますと言われても、これが理解不能です。今すぐじゃなきゃ嫌だ!ということです。

したがってこつこつ努力して難関資格を取るとかそういうのがなかなかできないので、試験数日前に大慌てで開始→手遅れ

というよくあるパターンを繰り返すことになります。


猿を利用した実験でたとえると、ボタンを押したらバナナが出てくるというのを学習させる場合、

ボタンを押したらすぐにバナナが出てこないと学習できませんし猿は飽きてしまいます。ボタンを押して10分待ったら出てくるというのでは

遅すぎるわけです。


したがってADHDはこつこつ型ではないのですが

これを改善する手法はあります。

それは擬餌報酬という手法で、未来に設定した巨額報酬が理解でき

ないなら今日その日、目の前の報酬ならば何とか理解可能です。


たとえば1-100まであるということをする場合、その日に極めて限定的で確実に行える作業を逆算してメモやノートに書いておきます。

重要なポイントは多すぎる課題でも少なすぎてもダメなのです

具体的に確実に行える量の作業内容を記ししておき

それを開始します。そして終わったら○を付けるわけです。


この方法はすでに様々な本でも紹介されていますが

この○が重要なのです。これは実際にお金でもないし美味しい料理でもないですが、この○をつけることによって脳は報酬を受け取ったと学習します、これを強化 といいます。

これにより、その日に他に作っておいた課題タスクももう少しこなして

みようかと思うようになるわけです。そして○が増えると気分が良い

という風に学習可能です。


こんな風にして作業を繰り返すことによって、未来に設定した

難関な目標(遅延報酬)にも対応可能になるのではないでしょうか。

いきなり最終目標を見るともう飽きてしまいますが

それを細かく区切り、擬餌餌(○つけるだけ)を用意するだけで

作業が色々はかどるようになります。

英語ですが面白い記事があったので載せておきます

アメリカタイム誌です


Mind Reading: How Pleasure Works

http://healthland.time.com/2011/08/26/mind-reading-how-pleasure-works/

まあサプリメントとは関係ない話ですが。