閃光のナイトレイド 第8話「凍土の国で」 | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

閃光のナイトレイド 第8話「凍土の国で」

昭和六年九月十八日
関東軍の謀略によって満鉄線が破壊され、関東軍はこれを中国軍の仕業として軍事行動に出る。
満州事変が始まり、半年で関東軍は満州の主要地域を制圧。
昭和七年五月。
満州国の建国宣言が行われた。
この新造国に国としての建前を作るために、関東軍によって執政に祭り上げられたのは清朝最後の皇帝・愛新覚羅傅儀であった。
満州を独立国として認めるかどうかを議論した国際連盟各国は、多国籍軍によるリットン調査団を送り込んだ。
その傅儀は預言者との対面を望んでいた。
傅儀はかなり波乱に満ちた人生を送った人物。皇帝になったり、追放されたり、日本に保護されたり、満州の皇帝になったものの傀儡とされ、ソ連に捕らえられて……最終的には戦犯とされたり、一市民になったり。
ラストエンペラーは有名な映画ですね。

誘拐されたリットン調査団
ヴィクター・ブルワー=リットンを攫ったは高千穂勲は、彼に自分たちの開発した強力な新型爆弾を見せつける。彼の母国の首相に爆弾の事を伝えて、植民地を開放するようにと要求する。
開放された植民地をまとめ上げて、一つの巨大な国を作り上げようという構想なのか。
前回の会談でまだ手段がないと言っていたけど、既に水面下ではこれだけのものを作り出していたのですね。

身代金を要求してきた誘拐犯。
苑樹雪菜は兄ではなく青幇の仕業かもしれないと考え、井波葛はそう見せかけているだけと判断。しかし三好葵は勲の計画に大金が必要だからではないのか、と考えていた。
なんだかんだでいつも一番鋭いのは知能派の葛よりも葵の方なんだよな。
キャラクター的には一番何も考えないタイプっぽいのに。

金を運んだ葵だが、彼らと同じ情報を手に入れた国民党に犯人と間違えて襲撃を受ける。
その間に、金は久世がテレポートで盗み出してしまっていた。
ただし誘拐した調査団の居場所は律儀に残して。

開放されたリットン卿だが、誘拐されていた間の事は何も覚えていないと主張。
残りのメンバーも同じ。
看護婦の姿で潜入した雪菜はリットン郷に触れて、彼の心を読み、新型爆弾の存在を知る。
雪菜さん、無駄にお風呂でサービスです。
お風呂なんかで話をするから、雪菜だけハブられてるし。

新型爆弾の実在については葛は勲による幻影の可能性も示唆するも、どちらにしても桜井信一郎は勲と本格的な戦闘を行うことを決意。
雪菜が望むなら、記憶を消去した後に、桜井機関から外す事も容認する構えらしい。
死亡した梶川博士と親しかった一ノ瀬という物理学者が満州を訪れて勲と連絡を取っているという情報。

実はあの爆発はリットン郷だけでなく、誘拐した残りの4人にも別々の場所で見せていたらしい。
各国が自国にあの爆弾を欲しがる事を見越して見せつけたのか。それも各々にだけ見せつけることで、各国は自国だけが手に入れようと考えるだろうと読んでいるのね。

預言者の存在を聞かされた葵たち。
日本の政府が溥儀と預言者の対面を認めたという事。
預言者たちの護衛は何故かいつものように葵ではなく、葛に回した桜井。
葵には一ノ瀬の張り込みという任務を割り当てる。
桜井は預言者が葵の昔の恋人であるという事を知っているのか。
葵自身は恋人の死に様を見たわけではなく、帰国した時には既に死んでいた。
つまりは彼女が預言者の座を継ぐことになり、死んだ事になったという所なんだろうな。

雪菜や鍵谷棗と共に汽車で移動する葵。
転がったラムネを開けてしまって水浸しになった雪菜に、葵はそれぐらいの方が可愛くて良いと言うものの、雪菜は女を見下されていると感じる。
それは自分が勲をおびき出すための餌として利用されていただけ、と感じているからのようだが。
窓の外の楊花を目にして、亡くなった恋人の事を思い出す葵。
「閉門春尽楊花落(門を閉じ 春尽き 楊花落つ)」
葵の心を見てしまう雪菜。

到着した駅では、預言者の乗る列車が停車しており、物々しい警備態勢が敷かれていた。
走り去る列車の中、葵は亡くなった筈の恋人静音の姿を目にしてしまう。
そんな筈はないと否定する葵だが、雪菜は自分が心を伝えると呼びかけるように告げる。その葵の心に反応した女性に、葵は列車を追い掛けていく。
遂に出会ってしまった2人。
反応したということは やはり恋人である事は確定か。

次回 第9話「新しき京」

葵と恋人、雪菜と勲、それぞれが出会うことになるようだ。