紅 -kure nai- 第9話「貴方と私と」
九鳳院に五月雨荘を嗅ぎ付けられた紅真九郎と九鳳院紫は柔沢紅香と犬塚弥生に連れられてラブホテルに避難していた。
敵の大きさを改めて実感していた真九郎は自らの手に負える仕事ではない、と弱音を吐く。
今更になって怖じ気づき始めました。これまではのほほんとして、紫の事も簡単に一人にしていたのは、やはり自覚が足りなかったという事なのだろう。
そして村上銀子から聞いた紫という子供が九鳳院にいないという事について紅香に問いかける。
紅香は九鳳院が九鳳院の人間同士でしか子供を生めない事。その為に九鳳院の女は生まれた時から、成人すれば奥の院に入り社会的に存在しないものとして扱われる事、などを伝える。
外から向かえる妻も形式上の妻でしかないのですね。それでも愛情をもらえればいいのだけど、九鳳院和子の場合はそれすらなく、本当に世間に対する飾りでしかない辛い立場。蒼樹が彼女の非道を敢えて受けていたのも、ただ奥の院の女というだけでなくそんな彼女の気持ちが判っていたからなのでしょうか。
真九郎は紫と共に五月雨荘に戻り、紫に闇絵と武藤環にちゃんと別れをさせたいと紅香に頼む。
最後の晩餐というところでしょうか。
霜降り肉の存在すら知らない真九郎……この前までテレビすら無かったからな。
真九郎たちに赤身を食べさせて、自分たちが霜降りを食べようとする闇絵と環って……
夕食を終えて部屋に戻る環と闇絵だが、闇絵は別れ際に真九郎と紫の異変を敏感に感じ取る。
てっきり挨拶させるのかと思ったら、そういうわけではないのですね。
あくまでも気持ち的な問題なのか。
「大切な人にキスをしてあげなさい」
という母の言葉に従い、真九郎にキスをする紫。
大切という意味を何処まで理解しているのかは判りませんが、少なくとも今の紫にとっては一番大切な相手という事なのだろう。
だが、２人が荷物整理をしている頃、五月雨荘に九鳳院の手の者がやってくる。
その間に五月雨荘になだれこんだ男たちに、環が殴り倒され、闇絵も抵抗を諦める。
彼らの存在に気付いた真九郎は次々と打ちのめしていくが、そこに弥生を倒したリンが現れると、力及ばずに敗れてしまう。
みんな弱っ!! 五月雨荘が安心なのは、そこの住人達が強いというのもあるんじゃないのか？
特に弥生に関してはもっと強いと思われるのだが。
他のブログを読む限り、３人とも原作ではもっと強い人物らしい。
なんでそんな弱いように変更したのだろうか。
紫の兄である九鳳院竜士が姿を現す。
紫の怯え方からして、家にいた頃からかなり暴力的に支配していたという事だろうか。恐怖が心の奥底に植え付けられてしまっている感じがありますね。
結局、今回も真九郎の認識の甘さから紫が連れ去られてしまった形ですか。自分で守るには大きすぎる相手と言いつつ、挨拶をさせたいとか言うからこんな結果になる。
しかしなんで真九郎は『角』を使わなかったのでしょうか。この場面で使わずに、何のための角なのだろうか。
紫に見せたくなかったのか、その力に頼りたくないという事なのか、なんにしても真九郎の甘さが目立つな。何が何でも守るべき場面なんだから、自分の持つあらゆる力を出すべきだろうに。
次回は「慣れの恐怖」という事で紫がいなくなった日常に次第に慣れてしまっていく自分を真九郎の葛藤という事か。
相手がでかいだけに、取り返す気もゼロのようだ。
何かきっかけがあって、最終的には取り戻しに行く事になるのでしょうが。
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