人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた | ただのオタクと思うなよ

人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた


※表紙の美人ライダーは本編と一切関係ありません

 内にこもって仕事をしてたりしていたのですが、もう4月なんですね。きょうは久々に天気もよく時間も充分あったので、上野公園まで桜を見に歩いて行ってきましたが、やはり桜は散り際に限りますね。何ともすばらしい光景を目にし、心が洗われた気分でした。

 4月ということは、いろいろ新しいことが始まる季節。希望を胸に、新たに社会人としてのスタートを切った方も沢山おられることでしょう。

 でも、今の世の中、暖かく新人たちを受け入れてくれるほどの余裕は残念ながらありません。仕事の席に座ったとたん、様々な難題が襲いかかることでしょう。私もうん十年前にそういう経験をした覚えがありますが、今はある意味、もっと厳しいのかもしれません。

 そんな難題が行く手に待つ新人たちに特に読んでおいて欲しい、うってつけの一冊を本日は紹介しましょう。タイトルは「人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた」です。

 一応ビジネス書コーナーにおいてあったので、ビジネス書には違いありませんが、最近はやりのノベル仕立てのサクセスストーリーとなっています。そう、表紙を見る限り、今売れに売れている「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を想像されることと思いますが、要はその流れに便乗した一冊と言えるでしょう。

 ただしお断りしておきますが、表紙に描かれている美少女は本編とは何ら関係ありません。

 でも、だからといってがっかりして帰らないでくださいね。中身はちゃんとしてますから。ちゃんとして、というより、実に感動的、且つシンプルに、学ぶべき項目が段取りよく書き連ねられています。ちょっと演出がくさい、という印象も正直、ありますが。

 物語の主人公は、体に少しハンディを抱えた、ちょっと気弱な車好きの若者。そんな彼が、トヨタの自動車整備士としてイロハのイから経験を積み、失敗や苦難を乗り越えてトヨタ・ナンバーワン整備士の証である技能オリンピック優勝を勝ち取るまでを、実話を元に描いていきます。

 成功本というと、経営者やお金持ちへの立身出世物語というのが常ですが、この本の主人公はおそらくこの春スタートを切った多くの若者とほぼ等身大の、ごく身近な存在と言えるでしょう。それは自分自身かもしれないし、隣に座っている同僚かもしれない。そして厳しい言葉ばかり投げかける先輩は、この本に出てくる石田先輩そのものかもしれません。

 であるならば、なぜ先輩は厳しい言葉を敢えて投げかけるのか、それをこの本で知っておいてもらいたい。その心をかけらでもわかっていれば、飛んでくる苦言も自分へのエネルギー補給と捉えることも出来るはずです。