個展や作家活動をしていく中で、
様々な方にお会いすることがあります。
わりあい親密な関係の方でしたら、少し甘えさせていただいて、
メールや電話で、感謝やお礼の気持ちをお伝えさせていただくのですが、
高齢の方や、ある方の紹介で来られた方などには、
電話をかけるということは、逆に失礼にあたるわけで・・・。
というのも・・・
いつも足を運んでくださる80歳過ぎの方 とお話をさせていただいたところ、
挨拶やら、お礼やら自宅に電話がかかってくるらしいのですが、
時に長電話になってしまったり、たて続けにかかってきたり、
執筆の仕事や食事の時間が途切れてしまうので、
大変だとおっしゃっていました。
時間のある時にゆっくり読める手紙が、やはりよいそうです。
≪手紙は、切手選びも楽しい・・・≫
そういう訳で、私も最近は少しずつ、手紙も書くように努めているのですが、
字があまりうまくないので、どうしたものかと母に相談したのですが、
その時に言われたことがとても印象的でした。
きちんとした紙に、万年筆などを使用して、
きちっとした形式で書けば、それだけでも心は伝わりますよ・・・
あなたくらいの年なら、それくらいのことはそろそろ必要なんじゃない?と。
それは、形でごまかすということではなく、
要は、手紙に向かう誠実な姿勢を伝えるという意味で、
その中に、素直に感じた気持ちや思いを、
したためればいいんじゃないかということです。
京都の高校では茶道が授業に取り入れられると聞きました。
勉強も大切ですが、手紙の書き方、挨拶のしかた、礼儀や作法というものを、
もっと身近に学べるところがあればいいのになぁ・・・。
それこそ普段、メールでやりとりしている20年来の友人Uちゃんから、
毎回、個展が終わって1週間程のタイミングで手紙が届くのですが、
それは本当に嬉しいもので、疲れた体を癒し、何度も読み返してしまいます・・・。
手紙を書く時に私が使用するのは、このガラスペンと、
↓ ↓ ↓ ↓
これは、初めて奈良の今西家書院で個展を終えた時に、
記念として、何か形として残せたら・・・と思い、京都で購入したもの。
これを作られているのは、管清風さんという高齢のおじいさまで、
予約待ちだったのですが、特別に譲っていただきました。
毎朝5時に起きて、一日3本できるかどうかとおっしゃっていて、
確か、当時で80歳半ばくらいだったと思うので、
今はもう90歳を過ぎていらっしゃるのではないでしょうか?。
本当に素敵な方です!!
スラスラかけるので、これであかりのデザインを考えたりデッサンなんかもします。
そして万年筆・・・。
私は、左ききなので、万年筆はひっかかりが強くなってしまい、
いきなり壊してしまうこともあるので、オーソドックスなものにしました。
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カシオの電子辞書。
誤字脱字など、どういうわけか、言葉を間違って解釈していることもあるので、
念のためにチェック!!
手紙の形式や季節の挨拶の言葉など、とても参考になります
季語とかいろいろ知りたいので、今度書店へ行った時にでも、
「歳時記」についての本を購入してみようかなと思います。
手紙の形式といっても実は、深いところで見てみれば、
言葉や季語、いろんなことに興味を持つきっかけになったりするので面白い。
ひとつのことが、思いもかけずいろんな事に発展する
個展→人との出会い→手紙を書く→自分にあったペンや紙を選ぶ→
→季節の言葉を考える→歳時記の本を購入する
考えてみると、このように連鎖的につなげていくということが、
大人になってからの私の勉強のシステムになっているような気がします。
そして母から紹介された便箋。使ってみましたが、
ほどよいひっかかりがあってとても書きやすい。
お礼や挨拶など、私らしさというのは、もちろん必要ですが、
やはりスタンダードな部分も必要です。
私たちの年代では、デジタル化が当たり前のような世界に、
なってしまっていますが、
しかしある部分においては、そうではない世界も確かにあるのです・・・
限りある我が人生において、世界中の情報や、
行きもしないお店の情報を知る必要があるのだろうか?などと、
自分に問うてみる・・・。
「・・・。」
もしかしたら、沈みゆく夕日をゆっくりと眺めていたり、
うつりゆく季節を自身の気持ちと重ねて、ぼんやりしてみる時間の方が、
はるかに有意義なのではないかと思うことがある・・・。
現代の私達には、「ど忘れアナログ辞典」が必要なのかもしれません