金曜日の夜から不穏な空気が流れだした本件ですが、破産という形でカタがついてしまいました。
泣いてもわめいても支払った金額の1%とかしか返ってきそうもないので、この悔しさを今後の血肉にしたい所存です。
■ことの発端
野暮用があり、5月末にグアムに行くことに。
日程をずらすことができない、かつ外せない用事なので早めに抑えておこうか、ということになり、2月末ぐらいからツアーを探し始めました。
実はグアム12年前に1度行ったきりで、29800円とかで行けるイメージを持っていたのですが、最近は飛行機が減ったせいでそんな値段では行けないことに気付きました。
(最近東洋経済でも記事が出ていました http://toyokeizai.net/articles/-/162183)
ここで私の旅好き魂に火が付き、「よし、お得に行けるツアーを探そう」という気持ちになって、1週間ぐらいかけて探すと、どう考えてもよいツアーが出てきました。
4つ星ホテル宿泊でほかのツアーより3割ほど安いてるみくらぶのツアーでした。
ただし、ネックが。
私、マイルを貯めたいので現金ではなくカード決済派なのですが、このツアーは現金のみ。
しかし、貯められるマイルと3割引きを天秤にかけたら現金のみツアーのほうがお得…。
意を決しててるみくらぶのツアーを申し込んだのでした。
すごくお得なツアーを見つけたので割と達成感でいっぱいでした。
■ちょっと変だなと思ったこと(ここ重要、特に②)
①安すぎる
同じホテルの別の大手旅行代理店の安いプランと比べても3割安いというのはかなりリーズナブル、というか安すぎる…
ただ、GW後は旅行者が減るので、こういう格安プランが出ることもあります。
なので、そこまで強くは疑いませんでした。
②振り込み期限が早すぎる
Webで申し込んで、さていつが振り込み期限だろうと思っててるみくらぶのマイページを見ると…
明日!
いくらなんでも早すぎるでしょう…
せめて3、4日ぐらい猶予あるでしょう…
という感じでちょっとおかしいな?とは思いました。
ただ、格安なので仕方ないわと思って払うことに。
素人で気付くポイントがあったとしたならここかなと思います。
■現金払いが危ないって言うけれど
学生時代からてるみくらぶを何回か利用したことがあったので、現金の代わりに安いツアーを提供していることが多いのも知っていました。
これまでも安いけれどきちんと渡航できていたし、格安ツアーの中では大手(こういう表現が正しいかどうかわかりませんんが)というイメージでしたのでまさか倒産するとは…という感じでした。
あまり旅行をしない人には聞きなれないとおもうのですが、学生や、リピーターには割と有名な会社で、大手の次に名前が出てくるような感じです。
私も海外旅行にはこれまでに5、60回は行っており、無駄なコストを避けるためにほとんど大手のツアーを使ったことがありません。
(セールに出ているパックツアーを使ったり、エクスペディアのような航空券とホテルを予約するオンラインサービスを使うときも両方あります。ただ、ハワイやグアム、韓国など日本人旅行者が多い地域への渡航は断然パックツアーの方が得、ということが多いです)
むしろてるみくらぶはこういった「旅行は好きだけど手厚いフォローとかはもういいのでなるべくコストを抑えて行きたい」人向けの旅行代理店という印象です。
余談ですが、航空会社やホテルも空席埋めたいニーズなどはあるので、格安ツアーのビジネスモデルは否定しませんし、この件をきっかけに旅行全体が変に値上がりしたら嫌だなと思っています。
■調べてみると
どうやら去年から商工リサーチのスコアは取引すべき企業ではないレベルだったようです。
ただし、一時的に赤字の企業でも後から業績回復することもありますし、昨今の東芝問題なんかを見ると、大手だからと言ってつぶれない、というのは言えないのではないかなと思います。
悔しいことは、こういった情報が一般消費者に入りづらいということ。
本当に泣き寝入りなんだな、と身を以て実感した次第です。
旅行代理業という薄利多売のビジネスをしている旅行代理店全体を疑わなければいけないレベルだと思います。
■このような事態にならないために
①ボンド保証会員の旅行代理店で申し込む
今回てるみくらぶは、自動車保険でいうと、自賠責みたいな強制加入の保険にしか入っていませんでした。
ボンド保障というのはこれにプラスして支払われる保険のようなものです。
こちらの保障制度が受けられる代理店のほうが安全と言えます。
ボンド保障に入っているかどうかはこちらから検索できます。
https://www.jata-net.or.jp/kaiin/search_list.aspx
②全体的に安いツアーしかない、かつ現金のみの会社は疑う
正直、てるみくらぶと同じようなビジネスモデルで経営している中小の代理店はたくさんあります。
ですので、経営が怪しくなってくると、航空券やホテル代の支払いのために現金をかき集め始めます(不渡りが出てしまうとアウトなので)
これは1つの経営悪化フラグと言っていいでしょう。
今回のてるみくらぶも、未来の渡航者から現金をかき集めては過去分の支払いをし、という自転車操業を繰り返していたと思われます。
(最後の支払い4億をかき集めるために必死に走り回っていたという情報も)
■最後に
ネット上で「安いとこつかうからいけないんだよ」という意見や「安さを求めすぎた消費者も悪い」のような意見が散見されます。
私もこの手の事件が起きると上記のような印象を持つことが多かったのですが、いざ被害者になってみるとそんなこと言えないなと思いました。
少なくとも、大手で受けられるような手厚いサポートをカットして、コストを抑えた覚えはありますが、旅行自体行けない、というリスクのためのコストを削った覚えは消費者にはないです。
たとえばLCCの航空券は一度買ったらいかなる理由でも返金しない、というポリシーに同意の上購入しますが、少なくとも今回はそんなリスクがあると説明されてもいない人が被害にあっています。
あと、私は全体からみると被害額が少ないほうなのであきらめもつきますが、
「家族旅行で100万振り込んだ」
などという話を聞くと、本当に怒りをどこへぶつけたらいいのかわからないと思います。
(私の返金額は多く見積もっても1200円なので、そんな金額であればもっと被害が大きい方の弁済に充ててほしいと思うレベルです…)
というわけでまた旅行に詳しくなったと思って泣き寝入りしようと思います。
(ちなみにできることはもう割と手続きしましたので本当にあとは顛末をみまもるだけです)
知りたくない知識を身につけたなぁ。