家庭裁判所が『面会交流のしおり』を発行していますので、テキストだけ抜き出しました。
元PDFは、こちらです。 http://www.courts.go.jp/about/pamphlet/pdf/siori_menkai.pdf

面会交流のしおり ー実りある親子の交流を続けるためにー 家庭裁判所


 夫婦が離れて暮らすことになってからも、一緒に暮らしていない親と子どもが定期的、継続的に交流を保つことを「面会交流」と言います。面会交流がうまく行われていると、子どもは、どちらの親からも愛されているという安心感を得ることができるといわれています。
 このしおりは、面会交流をスムーズに行うためのコツを分かりやすく説明したものです。



子どもと離れて暮らしている方へ

子どもと会う前に

面会交流の日にちや時間、場所などは、子どもの体調、生活のペース、スケジュールに合わせましょう。
 子どもの年齢、健康状態、学校、課外活動、習い事などのスケジュールを十分に考えて、子どもに無理のないような日にちや時間、場所、内容などを決め、子どもが喜んで会えるようにしましょう。
あらかじめ決めている面会交流の約束事は守りましょう。
 事前に取り決めている面会交流の決めごとは守りましょう。特に、面会交流を終える時間や、子どもを引き渡す場所などを相手に相談なく変えることは 避けましょう。
 また、急な事情により、約束を守れないときには、すぐに連絡しましょう

子どもと会うときに
子どもがのびのびと過ごせるようにしましょう。
 一緒に暮らしている親の悪口を聞かされたり、親の様子をしつこく聞かれると、子どもの気持ちは重くなってしまいます。子どもが関心を持っていることや学校の行事、最近のうれしいニュースなど、子どもが生き生きと話せる話題を作り、あなたは聞き役に回りましょう。
高価な贈り物や行き過ぎたサービスはやめましょう。
 高価なプレゼントなどで子どもの関心を引きつけることは、子どもの健全な成長の面からも好ましくありません。モノやお金が本当に必要なときは、親同士で話し合いましょう。
一緒に住んでいる親に相談することなく、子どもと約束をすることはしないようにしましょう。
 一緒に暮らしている親に相談することなく、「泊まりがけで旅行に行こう。」などと子どもと約束をすると、子どもに後ろめたい思いをさせたり、子どもを不安にさせたりします。また、親同士の新たな紛争の原因になることもあります。大切なことは、親同士の話合いで決め、子どもに負担を感じさせないようにしましょう。

子どもと一緒に暮らしている方へ

ふだんの生活で

子どもの様子を相手に伝えるようにしましょう。
子どもの健康状態や学校の行事予定、努力していることやその成果などは、離れて暮らしている親にとっても関心が高いことですから、できるだけ伝えるようにしましょう。伝えることで、離れて暮らして いる親が子どもにうまく対応でき、円滑な面会交流につながります。
過去の夫婦の争いや相手の悪口を子どもに言わないようにしましょう。
 子どもが離れて暮らしている親について良いイメージを持つことができるように配慮しましょう。
子どもが「会いたくない。」と言うときは、その理由をよく聞いてみましょう。
 もし、子どもが面会交流に気が乗らなかったり、負担に感じたりしているようであれば、それまでのお互いの面会交流に対する態度を振り返ってみましょう。
 また、子どもが話した理由を口実にして、面会交流を一方的にやめてしまうことは、新たな争いを生むだけですので、親同士で冷静に話し合いましょう。

子どもが出かける前に

子どもが面会交流に出かけるときは、笑顔で送り出しましょう。
 子どもは、親の気持ちや表情に敏感です。あなたのちょっとした言葉や表情、しぐさから、離れて暮らしている親と会うことを後ろめたく思ったり、悪いことのように思ったりしてしまいます。
 子どもには、面会交流をすることは良いことだと思っていることを伝えておくとよいでしょう。

子どもが帰ってきたら

子どもが帰ってきたら、笑顔で温かく迎えてあげましょう。
 子どもは、あなたに気をつかって、重たい気持ちで帰ってくるかもしれません。笑顔で温かく迎えましょう。
 また、面会中のことはあまり細かく聞かないようにしましょう。子どもが離れて暮らしている親との時間を楽しく過ごしたことを認めてあげることで、子どもは両方の親から愛情を注がれていると感じることができます。

 面会交流は、子どもの成長のために行うものです。
 夫と妻という関係から子どもの父と母という立場に気持ちを切り替え、子どものためにお互いが補い合い、協力し合いましょう。子どもにとっては、どちらも大事な親なのです。
 初めのうちは面会交流が順調にいかないこともあるかもしれません。そのようなときにも、子どもの幸せを考えながら、目の前の出来事に一喜一憂せず、柔軟な態度でのぞんでいくことが大切です