アッシェンバッハの彼岸から -3ページ目

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ボブ・ディランの歌詞は相変わらず難解で、

日本語に訳してあったとしてもわたしの頭には理解できないことがおおい。

のだけれど、この歌詞は昔から気に入っている。だって、


あの頃のあたしより今のあたしのほうが若いわ!


って唄っているから。(なんと単純な理由でしょうか)

で、この唄はわたしにとってはディランよりもバーズのイメージである。

冒頭のギターのフレーズからして、いちど聴いたら忘れられない。


で、この曲がそのまんまタイトルになってる川本三郎氏の本も好きなのですが、

とっくに絶版になってるとおもったら映画になるそうですね。

なぜ今?しかもなんでフィクションになってんの?

Kは出所してんでしょ?今なにしてんの?

つうか今をときめく松ケンさんの役どころは、

いわばインチキ左翼の小物ですわよね?いいんですかね?

若きジャーナリスト川本氏の人生に大いなる蹉跌をもたらした謎の男と言えば聞こえはいいですが。

とかいろいろおもうところもあるのですが、

なにしろ1969年が舞台で監督が山下敦弘だから観てしまうんだろうなあ。

東大安田講堂事件はどんなふうに描かれるんだろうか。

監督はあの本に登場する、40年前の若者たちの息遣いをどのように再現するんだろうか。

ツマブキや松ケン目当てで観る若い子たちは、

いったいどんな感想を持つんでしょうね(ノルウェイもそうだけど)。

ディランのノスタルジアよりも、

CCRの思想のつづきをわたしは観たいのだけれども。

わたし自身が原作のなかで一番印象的におもったのは、

コルトレーンが死んだ日のエピソードである。

川本氏と仲間は当時、いまの新宿副都心にあった淀川浄水場の隅だかに、

"Love suprime"のレコードを埋めて葬式をしたという。

ぜひとも映画で観たいワンシーンである。



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