日本にいる母には心配をかけたくなく、旦那とこの事や体調の事はあまり話していなかったが、

 

ある日とうとう、旦那と別れるであろうという話をした。

 

「なんか、色々しんどいから、出ていくって。」

 

「離婚はともかく、とりあえず早く別居したいねんて。」

 

 

 

 

 

 

すると母は

 

「まぁでもなぁ・・・つり合ってへんって、最初から思ってたわ!」

 

と答えた。

 

 

 

 

・・・いやいやいや!


お母さん!

 

あんた、さんざん「いい人見つけたなぁ」って言ってたやん!!笑い泣き

 

 

 

泣いてたのに思わず 苦笑いしてしまった。

 

 

 
母は、自分の父親をそれはそれは尊敬していたが、私が旦那の事を話すと「私のお父さんそっくりやなぁ」とよく言っていた。
 
 
 
 
母「や、そりゃええ人やとは思ってたし、今も思うけど」
 
「でもな、ほら、文化的ではないやん、全然。」
 
 

 
あぁ・・・
 
 
 
 
母「それにほら、〇〇(私)、旦那君と付き合いだしてからピアノとかパイプオルガンとかもほとんどしてへんやん」
 
私「いや、でもそれはまぁ、子供産んで忙しいのもあって・・・」
 
なんて反論しはじめるが・・・
 
 
 
まぁ・・・そうかもしれない。
 
 
 
元彼はクラシックはともかく音楽が好きで、私がたまに
 
「この曲のな、ここの変調した後のな、シのフラットのこのクライマックス感がちょっと凄いねん!」
 
なんて話を興奮しながら聴かせたりしたら、ふりなのかどうかは分からないが聞いてくれていた。

 

 

旦那は・・・

 

最初は、やはり、頑張ってくれたのだろう。

 

 

クラシック音楽や、美術館巡りなど、私が好きだった芸術分野に関しては

 

「興味がないのとちゃうねん、僕はそれに触れる環境で育ってへんだけやねん」

 

と言っていた。

 

 

 

だからアホな私は

 

(そっか!じゃぁこれからその環境を作ってあげよう!!)

 

(こんな素晴らしい事、知れば絶対興味持つはず!!!)

 

と思い込んでしまっていた。

 

 

 

 

 

それが少しずつ、彼は本当に興味ないのだと、うすうす気づき始める。

 

そのうち私がピアノをしだしたら、すぐに部屋を出て、ドアを閉め、イヤホンをしてスマホで動画を見たりするようになっていた。

 

 

まぁ、別に聞いてほしい訳ではないしなぁ・・・

なんて思ったりもしたが


 

それ以上に、あぁ、邪魔なんやろうな、と私も思い始め、確かにピアノに触れる回数が減っていったのは事実だ。

 



田舎の教会でパイプオルガンを遊びで弾きに行ったときも、早々と旦那は教会から出て近くのパブでビールを飲みに行った。


それ以来、もちろん教会に旦那は誘っていないし、あまりうまく行かなくなってからは家族を優先しようとパイプオルガンもあまり弾きに行かなくなった。




もちろん、旦那のせいではない。


合わなかっただけだ。

 

 

 

美術館も、本当に興味がないんだなぁと思うことは何度もあった。

 

パリに住み始めて10年ほどしてると思うが、一度もルーブル美術館に足を運んだことがないらしい。

 

私にはちょっと理解ができない。
 
 

 

 

ただ、私は芸術における知識があるわけではないし、表面的な楽しみ方しかしてないから(クラシックでさえ)、アートが好きだと言うのもおこがましいと思っていたし、人並程度に好きな程度だと思っていた。

 

 

旦那のように、興味がない人がまわりにはあまりにもいなかったのだ。     


(むしろ、私の姉のように専門にしている人ならいる。)

 

 

 

だから、環境的に触れてこなかっただけで、触れたら、ぜったいなんらかの角度からは興味を持つだろうと信じ込んでいたのだ。

 

 

 

 

そして、そんな私がしんどかったんだろうなぁと今なら分かる。

 

 

それこそ、パリジャン達のステレオタイプとして
 
「地方に住んでる人って文化に触れる機会なくてかわいそうだよねぇ~」
 
なんて田舎を馬鹿にしているって言うのがある。
 
 
 
 
 
もちろん私(や私の周りの人達)はこんな事は言わないし思ってもいないが
 
・・・いや、そう言いたいが。

無意識に思ってたのかもしれない。
 
実際、旦那が文化的な環境で育ってないって言うのは、家庭もそうだろうが、地方育ちと言うのも少なかれ影響している気がする・・・
 
そしてそんな事を感じてしまっている私に気付き、嫌な気持ちになっていたのかもしれない。

芸術に興味がないと思わされるたびに目を丸くしてしまっていた私は、彼の目にはさぞかし感じ悪い人にうつっていたのだろう。
 
これを書くだけでも、旦那にそう感じさせてしまっていたならば、私は相当ひどい人やなぁと思う。
 
 
 
 

 
母親の一言に、色々考えさせられた。
 
 
ほんまに、この辺にかんしては、うちら合わへんかったなぁ。
 
それでも、薄々感じ始めて、残念やけどそんなもんかって受け入れ始めててんけどなぁ、私は。。。
 
 
 



この後母はさらにこう言った。

「まぁそれにいい人かもしれへんけど、○○ちゃん(私)と別れるなんて、見る目はないなぁ」




 ・・・手のひらの返しっぷりに涙も乾く笑い泣き








本心か慰めか分からないが、私も母のようにありたいと思った。

何があっても、子供の味方でいられるような親になりたい。