朝ドラ「虎に翼」で感じる「弱者の特権」を放棄する「地獄」 | 52歳で実践アーリーリタイア

52歳で実践アーリーリタイア

52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

朝ドラの「虎に翼」を楽しく視聴してます。正直言って伊藤沙莉が好きなんですね。

 

(NHK HPより)

 

伊藤沙莉が脇役で出ていた多部未華子主演のNHKの名ドラマ「それは経費で落ちません」とか、朝ドラの有村架純主演の「ひよっこ」の「米子」役なんて最高でした。

 

 

さて「虎に翼」では

 

女性は子供と同じ無能力者だから権利はない

 

という戦前の考え方が登場しますが、これは逆に見れば、

 

女性は子供と同じ弱い存在だから、男(や社会)が守らなければならない

 

という考え方でもあります。

 

寅子の母親が、寅子が大学に行くにあたって

 

「地獄を見る覚悟があるなら」

 

と賛成してくれたのが印象的でした。男から守られない社会に生きるという地獄です(さらに男社会で生きる地獄でもある)。

 

この時代は、女性は弱い存在だから家長たる男が、妻や母や娘を守るべき義務がある、という時代。

 

その代わり、この考え方は

 

「女性や子供には権利がなく、男性には権利がある」

 

ということでもあります。

 

だから既婚者の家での女性に財産権はないし、ましては参政権もない。つまり権利と責任は表裏一体ということ。

 

でも現代に振り返って考えてみると、まだまだ「この名残り」があります。

 

それは「女性は弱い存在だから守らなければいけない」という理由で専業主婦を優遇する制度が残っているのです。

 

女性がフルタイムで男性と同じように働いている一方「女性は弱い存在だ」として専業主婦を守る制度も残存しているのが今の日本。

 

実は、経済的な面における日本のジェンダーギャップはそれほど遅れているわけではありません。下の図の通り、「働く」ということでは、男女平等は日本は世界的にはすでに平均レベルにあるということ。

 

(内閣府HPより)

 

日本のジェンダー・ギャップ指数が圧倒的に低いのは、女性の政治参加が圧倒的に少ないから。

 

 

権利と責任は表裏一体なので、男女平等の権利を実現するためには、男女平等の責任も同じように実現するということ。

 

なので「女性は弱い存在である」ことを前提とした制度や法律、意識は変えていくべきでしょう。

 

その代わり、虎ちゃんのように地獄を見ることもあるかもしれませんが、

 

「権利を獲得する、ということは責任を負う」

 

ということでもあるのです。

 

まだドラマは、始まったばかりなのでこの辺り、ちゃんとドラマで表現してほしいな、と思ってます。