朝ドラの「虎に翼」を楽しく視聴してます。正直言って伊藤沙莉が好きなんですね。
伊藤沙莉が脇役で出ていた多部未華子主演のNHKの名ドラマ「それは経費で落ちません」とか、朝ドラの有村架純主演の「ひよっこ」の「米子」役なんて最高でした。
さて「虎に翼」では
「女性は子供と同じ無能力者だから権利はない」
という戦前の考え方が登場しますが、これは逆に見れば、
「女性は子供と同じ弱い存在だから、男(や社会)が守らなければならない」
という考え方でもあります。
寅子の母親が、寅子が大学に行くにあたって
「地獄を見る覚悟があるなら」
と賛成してくれたのが印象的でした。男から守られない社会に生きるという地獄です(さらに男社会で生きる地獄でもある)。
この時代は、女性は弱い存在だから家長たる男が、妻や母や娘を守るべき義務がある、という時代。
その代わり、この考え方は
「女性や子供には権利がなく、男性には権利がある」
ということでもあります。
だから既婚者の家での女性に財産権はないし、ましては参政権もない。つまり権利と責任は表裏一体ということ。
でも現代に振り返って考えてみると、まだまだ「この名残り」があります。
それは「女性は弱い存在だから守らなければいけない」という理由で専業主婦を優遇する制度が残っているのです。
女性がフルタイムで男性と同じように働いている一方「女性は弱い存在だ」として専業主婦を守る制度も残存しているのが今の日本。
実は、経済的な面における日本のジェンダーギャップはそれほど遅れているわけではありません。下の図の通り、「働く」ということでは、男女平等は日本は世界的にはすでに平均レベルにあるということ。
日本のジェンダー・ギャップ指数が圧倒的に低いのは、女性の政治参加が圧倒的に少ないから。
権利と責任は表裏一体なので、男女平等の権利を実現するためには、男女平等の責任も同じように実現するということ。
なので「女性は弱い存在である」ことを前提とした制度や法律、意識は変えていくべきでしょう。
その代わり、虎ちゃんのように地獄を見ることもあるかもしれませんが、
「権利を獲得する、ということは責任を負う」
ということでもあるのです。
まだドラマは、始まったばかりなのでこの辺り、ちゃんとドラマで表現してほしいな、と思ってます。