閉塞した人工血管のPTAでの治療の実際
をご紹介します。
7年ほど前にこのテーマで論文を書いたのですが、そのころはまだ珍しい手技でした。
現在は、やっている施設では本当にうまくやれています。
まず人工血管内にたまっている血栓をよくもみほぐします。

もみもみ

われわれの施設では、PTAの一時間前にウロキナーゼ(血栓を溶かす薬です)を人工血管内に注入します。(いろいろと意見はありますが)
つまった人工血管に正確に穿刺するのは難しいです。
このとき、あまり勢い良くいれすぎると血栓が自己動脈に飛散してしまったり、逆に静脈から吹き飛ばしてしまいすぎるので、ほどほどの圧で注入します。これも難しい!
コツとしては
①動脈吻合部近くに静脈吻合部方向にむけて針を刺す
②よくもみほぐす…これによって血栓の間隙にウロキナーゼが入りやすくなります
③可能なら、吻合部の動脈を指で圧迫し、動脈への血栓逆流を防ぐ
さて、つまった人工血管に、もし詰まったことに気が付かなくて透析の穿刺針を差してしまった場合どうなるかわかりますか?
この血栓除去・融解の処置では、人工血管内にウロキナーゼを圧入しますが、このときに刺した針の孔からウロキナーゼが漏れてしまい、PTAが非常にやりにくくなるのです!
シャント・人工血管を穿刺する前には音くらい聴きましょうね~