漫画家の引き揚げ展 | 歴史ニュース総合案内

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 太平洋戦争の敗北後に大陸から日本へ引き揚げた経験を持つ漫画家の作品を集めた企画展「漫画でたどる引揚げ展」が、6月27日から9月24日まで東京新宿の平和祈念展示資料館で開かれている(8月18日から一部展示替え)。8月5日には作品を提供したちばてつや森田拳次(『丸出だめ夫』)両氏が講演する。

 引き揚げを体験した漫画家といえば、満州からの赤塚不二夫(1935~2008)が筆頭。母の手を引いて大陸の平原を歩く絵が企画展の看板となっている。他に企画展では講演予定者の他に山口太一、古谷三敏、横山孝雄、高井研一郎、山内ジョージ、バロン吉元、北見けんいち(『釣りバカ日誌』)、林静一の8人が描いた引き揚げや戦争に関する漫画を展示している。日本への引き揚げは必ずしもアジアからとは限らないが、作品提供者は全員幼い時に満州や中国から引き揚げた。

 

 赤塚不二夫、横山孝雄、高井研一郎(『総務部総務課山口六平太』作画)、山内ジョージら作品提供者にはトキワ壮に集った面々が多い。満州帰りには著名な文化人になった者が少なくないが、戦後漫画の場合はトキワ荘もまた満州補正の基地となった。