日本国宝展の備忘録その2、仏教美術のつづきですナム~。


普賢菩薩像(東京国立博物館蔵)
Fugen Bosatsu
See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons

平安後期の代表的仏画のこちらも女性向け。

前記事の扇面法華経冊子でも触れましたが、法華経は女性も救われるとして女性の信仰を集め、こうした女性向けの絵も手掛けられるようになったそうな。

もともと男性中心にできあがった仏教では、女性は穢れであり救われないとしてきたようですが、法華経は「変成男子」という考え方によって、本来は成仏できない女性も、功徳を積んで男性の身体に変化すれば往生できるとした、とあります。しかしそれがむしろ、女性差別を助長した側面もあるとかないとか。(参考:補講の教室:法華経の思想は女性差別ではないのか?

とはいえ、こうした女性観については、仏教に限ったことでなく当時の社会的な風習や思想に傾いたものなのかなんなのか、もう少し具体的にフラットにおべんきょしてみたいところですが、とりあえず今気になるのは、ゾウの頭の上にいる小さな人(三化人)がなんなのかってことです!



あーなんだろねかわいいね( ´∀`)
キリスト教にしろ仏教にしろ、宗教画には度々こういう小さい人がいるところも面白いな( ´∀`)

とりあえず、ざっとググってみたところ「白象の頭頂の三化人は普賢観の三智の無漏頂にあることをあらわすもの」らしいが日本語でおk。(文化遺産オンライン)


無漏は煩悩がないことを、三智は3種類の智慧をあらわし、化人は「仏・菩薩が衆生(しゅじょう=生きとし生けるもの)を救うために仮に人の姿となって現れたもの」と辞書にあるので、3つの智慧をもち煩悩のない境地を擬人化ってことに暫定しておきます。(誰かおしえてプリーズ


三智について(一切智・道種智・一切種智)大辞林より

・一切智(声聞縁覚の智)
  ∟一切のものについて完全に知る智慧

・道種智(菩薩の智)
  ∟?わかり次第追記。

・一切種智(仏の智)
  ∟万物が本来は空であって平等・無差別であることを知るとともに,現象として出現する諸相をすべて知る仏の最高の智慧

ちなみに、仏教では「知」と「智」は区別され、「智」はより高次元の宗教的叡智の意味なんでございますって。宗教的叡智!



さて、煩悩にまみれた私のおつむはそろそろ沸騰しそうですので、次にまいります。


金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(こんこうみょうさいしょうおうきょうきんじほうとうまんだらず長い)


この塔は、すべて金泥で書かれたお経の文字でできていた!!

以前見たレオナルド・ダ・ヴィンチのこまっかい鏡文字も驚いたけど、これまたたまげる細かさでございました!
単眼鏡で覗いてみますと、あまりの混雑にひとさまの後頭部のどアップもよく見えましたが笑人影人影



孔雀明王(東京国立博物館蔵)


チョコボのようなどっしり感がほほえましい孔雀さんですが、毒蛇でもなんでも食べる習性から、災いを払うものとして神聖化された偉大なるお鳥様であーる!おじぎ<ヘヘーッ

1階であわせて行われていた「国宝再現-田中親美と模写の世界-」展では、横山大観による孔雀明王の摸写も見られました。菱田春草の普賢延命像なども。


これらが作られた平安時代は、仏教美術の最盛期。
人が鑑賞するためでなく神に捧げるために、贅を尽くして美を成す。
そうしたことで功徳を積むという考え方があったようです。


ダラダラ書いてしまいました、今日はこれにて。


ではでは~もいもい孔雀