OOOなセラピスト、
(Occupational therapy(作業療法)
×Oriental medicine(東洋医学)
×Oita(大分))
Oriental Physio Academy大分県支部長の
安部源生(あべもとき)です。
自己紹介
目次ページ
今回はのびのびになっていた
アナトミートレイン下肢編の最後です。
後のライン(SBL)
前のライン(SFL)
と続いた横のラインです。
復讐編で説明した通り、
経絡でいうと、
内側の肝経
外側の胆経
ですね。
アナトミートレインでいうと
外側はラテラルライン(LL)です。
内側は大まかにDFLが一致しています。
横のラインが伸びる刺激としては、
体幹回旋・側屈、股関節内外転など
があげられますね。
【ラテラルライン】
ラテラルラインの構造特性を見てみましょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/3a/1b/j/o0428072013050529209.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/c0/28/p/o0516048013050529548.png?caw=800)
まず、
ラテラルラインの機能をアナトミートレイン著者のトーマス・マイヤーはこうまとめています。
①姿勢の前後のバランスを取り、
両側のLLで左右のバランスを取る
②アナトミートレインの表層ラインの間で力を仲介する
③体幹と下肢を協調的に固定し、
腕の動きによって、身体構造が崩れるのを防ぐ
④体幹の側屈、回旋運動をブレーキとして調節する
とくに重要なのは、
身体の側方のバランスを調節している
という点です。
バランスで思い出して欲しいのが
フロントラインの時に話した、
ストラテジー
という概念です。
アンクルストラテジーで荷重がかかるのは
母指ー小指ー踵の3ヶ所
です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/24/a0/j/o0458072013050530125.jpg?caw=800)
アンクルストラテジーにおいて、
長母指屈筋は
背屈母指方向への荷重、
長腓骨筋は
背屈足部内反方向への荷重
を制御しています。
ラテラルラインをもう一度見てみると、
第一中足骨底と第一楔状の間から始まり、
第五中足骨底、腓骨へと上行していきます。
ちょうど長腓骨筋の停止ですね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/62/ab/j/o0447072013050530669.jpg?caw=800)
長・短腓骨筋は
中足骨を腓骨の外側に吊り上げ、
外側縦アーチを支えています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/a1/c1/j/o0480055513050531174.jpg?caw=800)
この吊り上げが上手くできないと
アンクルストラテジーができなくなり、
ヒップストラテジー優位
となってしまいます。
上方の外転筋を使ったり、
胸郭は下がり(肋間筋)
肩がガチガチで頭部が前方重心(胸鎖乳突筋、板状筋)
となったりします。
ヤンダの提唱した
交差症候群
に近い状態ともいえます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/71/12/j/o0720047813050531836.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/3e/04/j/o0480061713050532375.jpg?caw=800)
【肝経・胆経】
次に肝経・胆経を見ていきましょう。
肝経の原穴は
太衝
胆経の原穴は
丘墟
といいます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/43/1e/j/o0567043213050532937.jpg?caw=800)
太衝は
第1・2中足骨の間で、
長指伸筋の外側のくぼみです。
丘墟は
外果尖の前下方で、
商丘(脾経:内果尖の前下方)の反対側ですね。
(経絡の中で似たような場所も出てくるので、押していくとだんだん覚えてきます。)
【東洋医学×西洋医学】
では、
太衝と丘墟
を解剖学とリンクしてみましょう。
太衝は
長指伸筋の外側のくぼみです。
腎経・脾経で説明した通り、
長指伸筋の筋力は
底屈筋と背屈筋のバランスを保つためにも重要
とされます。
直接筋や腱を押すのではなく、
そのそばを押すことで
その周囲の「膜」に対するアプローチになる
と僕は考えています。
つぎに
丘墟です。
丘墟の近くにある靭帯として、
前距腓靭帯があります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/8e/17/j/o0350072013050533932.jpg?caw=800)
この靭帯は
距骨の前方移動を制動しています。
そのため、
この靭帯が機能不全になると、
距骨は前方に移動してしまいます。
足関節背屈時には
距骨は後方に滑りこむため、
距骨の前方移動は可動域制限になり得ます。
また、
丘墟の周囲には
足根洞があります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20140830/00/abemotokiooo/d1/53/j/o0689048013050535002.jpg?caw=800)
ここには滑膜や神経終末が豊富に存在しています。
内部に存在する骨間距踵靭帯は
距骨下関節回外で緊張します。
足関節前外側部の疼痛を生じる
足根洞症候群は、
この靭帯の過剰な伸張ストレスが原因
と言われています。
内反捻挫時は距骨下関節回外位であることも多いため、
足根洞周囲の「膜」へのアプローチも重要となります。
いかがでしたでしょうか?
ラテラルラインはバランスに関与するため、
非常に重要なラインといえます。
また、
東洋医学では
肝・胆経は目を司るとされます。
ラテラルラインには肩から頚にかけての筋もあります。
パソコンに向き合った人が、目の間をぐーっと押さえてるのも
そんな理由からでしょうか?
だいたいパソコン打つときは皆さん
頚部前屈姿勢ですしね
そのへんについてもまとめていきますが、
いつになるかは解りません。
気になる方はfacebookなんかにもご質問をどうぞ。
友達申請の方もお陰様で続々と来てますので、
遠慮なくどうぞ!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
これからも、よろしくお願いいたします