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2016年07月21日(木) 08時09分56秒

チエミ、いづみ、ひばりの三人娘、「トゥ・ヤング」を歌う

テーマ:ブログ

江利チエミ、1937年(昭和12年)1月11日生まれ、雪村いづみ、同年3月20日生まれ、美空ひばり、同年5月29日生まれ。戦後日本をあの歌声で元気づけてくれた三人娘は、そろって同じ37年前半に2ヶ月置きにこの世に生を享けた。

 

 この3人が、ラッツパックレコード35周年記念アルバム『雪村いづみトゥ・ヤング』で、タイトル曲「トゥ・ヤング」を熱唱している。いづみの歌は最新録音、チエミ、ひばりは往年の録音。3人の歌声が見事にミックスされ、彼女たちが、今、私の目の前で歌っているような錯覚にとらわれる。

 

 戦後という厳しいあの時代を、ほぼ同世代として生きて来た私のような者は、聴いていて格別の思いに捉われる。厳しい時代だった、あの頃、彼女たちも私も文字通りtoo youngだったな、と……。

 

 三人娘が活躍した戦後日本と今の日本とを、つい比べてみたくもなる。

 

 それはさて措き、いづみは、「トゥ・ヤング」のなかでチエミに「〝のに〟、いっしょに歌おう」と声を掛けている。〝のに〟はチエミの愛称である。チエミは神経質で、なにかにつけ「こうすればよかったのに」と反省することが多く、この別称がつけられた。

 

 一方、いづみはひばりに対しては〝おじょう〟と呼び掛ける。いづみ曰く。

 

 「〝おじょう〟はお嬢ではないの。笑い上戸から来ているのよ。チエミちゃんは一見明るそうで気にするたち、ひばりさんは気難しく見えて、始終笑いこけていた。ふたりとも外見と素顔は違ってたわ」

 

 いづみは、ふたりと4本の映画で共演(競演)している。舞台、テレビ、新聞雑誌などでもよくいっしょになった。

 

 「ふたりと出会わなかったら、私の人生はなかったでしょうね」

 ともいづみは語っている。

 

 今回のアルバム『トゥ・ヤング』にはほかに「遥かなる山の呼び声」「スワニー」「霧のロンドンブリッジ」「テネシーワルツ」が収められている。前田憲男とウインドブレイカーズをバックに、いづみのヴォーカルが凛とした響きを漂わせる。

 

 とりわけ私は「スワニー」に聴き惚れた。このジョージ・ガーシュウィンの名曲を、力強く、歯切れよく、しかも情感たっぷりに歌いこなす歌手は、アメリカ中捜したってたやすく見つかるまい。

 

 「テネシーワルツ」は、チエミの持ち歌として広く知られて来ただけに、いづみも亡き盟友に思いを馳せつつ歌っているのではと、つい想像を逞しくしてしまう。次回は是非ともこの曲のヴァーチャル・デュエットを実現して欲しい。

 

 戦後を風化させないためにも、生き残りのいづみには歌い続けてもらわなくては!

 

 (オリジナル コンフィデンス  2016 7/22号 コラムBIRD’S EYEより転載)

 

 

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2016年07月05日(火) 11時11分11秒

ふたりの巨匠の〝知られざる〟傑作ミュージカル

テーマ:ブログ

渋谷駅前に東急シアターオーブが開館したのは2012年7月だから、早くも4年の歳月がたつ。今、この劇場があって、つくづくよかったと思う。アメリカン・キャストによるミュージカル・カンパニーの受け皿になっているからだ。

 

 ことしも3本ある。6月の『ドリームガールズ』はすでに終わっているが、7月、『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』、10月、『キンキーブーツ』が控えている。

 

   巨匠、ロイド=ウェバーの音楽の原石が詰った処女作

 

 『ヨセフ~』は、日本でこそ知名度はさほど高くないが、英米では『キャッツ』『オペラ座の怪人』の作曲家、巨匠アンドリュー・ロイド・ウェバーがはたちのとき書いた作品として、あまねく知れ渡っている。しかも作詞が、『美女と野獣』『ライオンキング』『アラジン』と、今やディズニー・ミュージカル総なめのティム・ライスである。当時は彼も23歳と若く無名だったけれど。

 

 『ヨセフ~』は旧約聖書創世記のなかの説話に基づく。ライスはミュージカルにもって来いのネタと前々から狙いをつけていた。運命に翻弄されながらも逞しく成長する主人公の若者と自らを重ね合わせ、共感するところがあったのかもしれない。

 

 ヨセフは、ヤコブ・イスラエルの12人いた息子のひとりである。

 

 「イスラエルは他のどの子より彼を愛して、彼のために長袖の着物を作った」(創世記37章)。この「長袖の着物」、すなわち「不思議なテクニカラー・ドリームコート」のせいで、ヨセフは兄弟たちの嫉妬、反感を買い、隊商に売り飛ばされ、異国の地エジプトでつぶさに辛酸をなめることになる。

 

 ヨセフには自分の将来を予言するような夢を見る習性があった。また他人の夢を解読する能力も備わっていた。ドリームコートはティム・ライスの造語と思われるが、この作品の本質を言い表わして余りある。

 

ポップ・カンタータから見事な変身を遂げた一大エンターテインメント

 

 夢と言えば本作中いちばんの目玉のナンバーは、ヨセフの歌う「Any Dream Will Do」である。1991年、ロンドンでヨセフを演じたポップ・スター、ジェイソン・ドノヴァンのシングル盤は、英国ヒット・チャート第1位の栄冠に輝いた。なんと暖かみのある旋律だろう。

 

 エジプト王ファラオがエルヴィス・プレスリー張りに歌う「王様の歌」は、どの公演でも大受けに受けるコミック・ナンバーだが、この曲には作詞したライスも気づかぬ偶然の一致が隠されていた。エルヴィスの故郷がテネシー州メンフィスなのは、皆さんご存知の通りだけれど、古代エジプトの首都(今は廃墟だそうだ)も同名のメンフィスなんですよ。

 

 1982年、アメリカでキャスト・アルバムを録音したとき、ファラオ役の俳優に指摘され、作詞家も初めて気づいたという。

 

 初演は1968年、ロンドンの高校の講堂だった。わずか20分。ポップ・カンタータ(ポップス調の声楽組曲)と呼ばれた。その後、曲が追加され、筋が整えられ、一夜のエンターテインメントとしてじゅうぶん楽しめる作品に見事変身を遂げる。

 

 ローマ、じゃなかった、ミュージカルは一日にしてならず。

 

                   ({コモ・レ・バ?}Vol.28 Summer 2016より転載)

 

 

      新演出、新振付だけに、舞台への期待が大いに高まります。

                 

                                (c)Daniel A. Swalec

 

  2016年7月13日(水)~24(日)

  東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)

    http://theatre-orb.com/lineup/16_joseph/

 

 

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2016年06月24日(金) 17時44分01秒

加藤和彦、安井かずみの豪華〝美食本〟を見つけた

テーマ:ブログ

  南青山・根津美術館前の古書店、日月堂はフランス文化関連の品揃えがいいことで一部の通に知られている店だ。せんだってここで加藤和彦、安井かずみ著『ヨーロッパ・レストラン新時代』という本を見つけた。

 

 帯に「レストラン文化を通して見たヨーロッパ再発見の旅!新しい知的食体験の数々をフルコースで如何」とある。へーえトノバンとズズがこんな本を出していたとは。表紙の絵が金子國義とはまたなんと贅沢な。

 

 版元が渡辺音楽出版なのに興味を惹かれた。刊行は1989年。

 

 この美食旅行記で加藤、安井夫妻が訪ね歩いたレストランは、フランス、イタリア、スペイン、北欧諸国にまたがり22軒に及ぶ。店や料理のカラー写真がふんだんに入っているし、ふたりの仲睦まじい光景もいくつか見られる。夫妻のファッション・センスのよさにも目を見張らされる。まさに最先端のカップルだ。

 

 文章はほとんどすべてズズが書いたものと思われる。主語が「私」と一人称単数で、フランスに住んだ体験がしばしば語られるからだ。「加藤とは、実はその時、ちょっとした夫婦げんかをしたのだった」といったくだりもある。

 

 フランスはトゥールーズのロベールガッドという店で、加藤が鴨、安井が鳩をオーダーしたときのこと。シェフのミシェル・トラマが、自分の料理の5つの信条として、見た目、香り、味、音(歯応え)などを挙げた上で、最後、安井に「マダム、第5は何んでしょう、お解りかな」と尋ねる。即座に彼女は「トューシェ」と叫んだという。

 

 トューシェとはフランス語のtoucheで英語のtouchに当たる。訳せば触感、舌に触れたときの味わいである。触感もまた食感の大事な要素ということだろう。

 

 加藤、安井はこの本のほか『ニューヨーク・レストラン狂時代』『カリフォルニア・レストラン夢時代』とシリーズで計3冊出しているようだ。もちろん、すべて渡辺音楽出版からである。

 

 楽曲の管理やプロモーションを主な仕事とする音楽出版社が、過去現在を問わず、楽譜はさて措き単行本を出版した例を、寡聞にして私は知らない。雑誌ではフジパシフィックが「SWITCH」の版元を務めていたことがあるけれど。

 

 加藤、安井の『ヨーロッパ・レストラン新時代』は、単行本にはめずらしくサントリーなど広告頁がいくつか見られる。取材などにかなりかかったであろう経費の埋め合わせか。

 

 音楽業界を含め日本が経済的にも気分的にも余裕があった時代の匂いが、表紙から頁から漂って来る。

 

(オリジナル コンフィデンス  2016 6/27号 コラムBIRDS EYEより転載)

 

この本には加藤、安井夫妻の時代の先端を行くセンスのよさがあふれています。

 

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