二宮春将小説:帰り来る青春第28回 | 二宮春将の世界

二宮春将の世界

小説、エッセイの世界です。

 春久は六十を過ぎて知り合い愛し合った女性を相撲料理に案内したのだった。
女性達はやきもちを焼くわけでもなく和気藹々としている。
ここの店主は小さいお相撲さんだったが活きのいい相撲でファンを沸かせた人である。
 晴久がちゃんこ鍋を一口つまんで、
「ああおいしい」
 こう言うと、
皆口々に、
「ホント、ホント」
 と相槌を打った。
 春久が、
「ちゃんこ鍋はダイエットにいいし、シコ踏むと物凄いいい体型になるんだ」
 こう言うと、
店主がシコの模範をしてくれたのだった。
店の客全員が、
「オー」
 と歓声をあげた。