チーズ・トラップエシャルニャック

【チーズ！トラップエシャルニャック】

　今回は表皮をくるみのリキュールで洗ったチーズの紹介です。ウォッシュタイプのチーズと呼ばれる一つです。チーズの表面を主に塩水などで洗いながら熟成させるチーズのことで特にフランス北部で多く見られます。フランス語ではCroute Lavee(クルット・ラヴェ）と表現されます。まあ、洗った表皮という意味ですね。

　表面を温湯や塩水で洗うことにより高い塩分にも強くなり、湿り気を好むリンネス菌がチーズの表面を支配してきます。

　リンネス菌は納豆菌と同じ枯草菌の一種で、自然界には普通に存在しています。この菌がチーズの表面の乳脂肪と蛋白質を分解して匂いの強い赤色の粘り気のある膜をつくります。この粘膜が他のカビなどの生育を阻害してチーズを守るとともに、独特の風味を造ります。

しかし、リンネス菌はチーズの深部までは分解することができないので内部は意外に臭くないでね。

　今回のトラップエシャルニャックはポルチーニとかそんな感じのきのこ臭やかすかに樹木の香りもしますね。中身は意外と食べやすいですよ。