◆「異次元の金融緩和」に出口はあるか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<日刊ゲンダイより抽出>

アメリカでさえ容易に“出口”が見つからないのに、
アメリカを超える「異次元の金融緩和」に手を染めた日本に“出口”が見つかるとは思えない。

なにしろ、黒田日銀が実施している「次元を超えた金融緩和」は、ケタ違いだ。

FRBだって市中に流す資金量は約3兆ドルと国家予算規模にとどめているのに対し、
日銀の供給量は2年間で270兆円と、国家予算の3倍である。

やめた時のハレーションを考えたら、恐ろしくて、やめるにやめられないだろう。

「いま日銀は、毎月7兆円分、政府が発行する国債の7割を購入することで、
市場に資金を流している。国債を買い占めている状態です。もし、買わなくなったり、
購入額を減らしたら、最大の買い手がいなくなるのだから、国債が暴落し、
金利がハネ上がることは間違いありません。東京株式市場も暴落必至です。
しかし、常軌を逸した“異次元の金融緩和”は、いずれやめなくてはいけない。
黒田日銀は、ギリギリの判断を迫られることになりますよ」
(経済評論家・広瀬嘉夫氏)

安倍首相から「金融緩和に不熱心だ」と、どんなに厳しく責められても、
ガンとして「異次元の金融緩和」を実施しなかったのは、“出口”を見つけることの難しさを、
よく分かっていたからだ。

バーナンキ議長は、そんな白川総裁を信頼していたという。

なのに、安倍首相は白川総裁のクビを切り、
黒田新総裁に「異次元の金融緩和」をやらせているのだから、
狂気の沙汰というしかない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

要するに、白川前総裁は銀行家であり経済学者(シカゴ大経済学博士)であり、
経済に精通しているからこそ「異次元の金融緩和」には消極的だったのだろう。

黒田総裁は銀行家ではありますが財務省の天下りであり、
政権党の政策を背景に据えられた人物というイメージでしょうか。

続く。