イランでもアーディで行こう! その1 テヘラン駅 | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

イランのテヘランから、カスピ海岸のサーリーという町まで、日中に1本だけ普通列車が走っています。これがとんでもない車窓風景を走る列車なのです。テヘランで1日時間が空いたら、このアーディعادي(おっと、ペルシア語ではマアムーリーمعموليでした)な列車でお散歩あれ。

テヘラン駅
ایستگا راه آهن تهران
(イーストガー・ラーヘ・アーハン・テヘラーン)

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テヘラン駅は写真の建物。この駅は駅前の警備隊にお願いすれば、このような外観写真は撮影できます(内部は本来は撮影不可)

テヘラン駅は市街地の南側にあり、安宿も多い街の中心エマーム・ホメイニーمدان امام خمينى 広場から南に4~5キロ。この間を歩いたことはありますが、あまり街歩きに楽しい雰囲気の通りではありません。観光客が利用しやすい地下鉄だと1号線シューシュشوش 駅が最寄りですが、ここからでも西へほこりっぽい大通りを1.5キロ行かなければならず、混んでいるバスに乗り換えるか、タクシーを拾うかしかないでしょう。エマーム・ホメイニー広場周辺から駅までのお薦め移動手段は、国立博物館前を通り過ぎたところにあるファイエズ・バハシュトという小さなバスターミナルから駅行きの市内線バスに乗ること。始発なので乗りやすいです。テヘラン市内の公営バスは200リヤル(2円)と、今や中国でも乗れない運賃で乗れます。

ペルシア語で駅はローハン
ちなみにペルシア語で駅はイーストガーایستگا ですが、これはアラビア語のマハッタمحطة と同じように英語のStationと同じ意味なので、「鉄道」を意味するラーヘ・アーハン راه آهن を付けなければ、ガソリンスタンドなのか駅なのか、はたまた放送局あたりか判別不能。実際はイラン全土だいたいラーヘ・アーハン略してローハンという言葉で鉄道駅を指すので覚えて置くと便利です。ラーヘ・アーハンは書き言葉以外あまり使われていない上、日本人は ヘ の発音が上手くないのでほとんど通じません(アラビア語もペルシア語も、日本のハ行で表記される音は3種類あります)
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テヘラン駅の駅名表示。ペルシア語は右から読む。ペルシア語、アラビア語は名詞の後ろから修飾語句をかぶせていく語順なので、単語自体は、下の英語に対応しています。


駅を入ると写真の出発ホールがあって、画面右手にインフォメーションがあるのでわからないことはそこで聞きましょう。英語もOKです。アーディで行こう

切符売り場はインフォメーションから右後ろを振り返ったところにある階段で2階へ上がり、待合室奥のブースがそう。ブースに入ると右手に写真のような窓口が並んでいます。
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画面左手に座っている係員の前にはラッチがあって、窓口前のスペースに入る人数を調整しているので、彼に行き先を告げれば、担当する窓口を教えてくれます。一般的に外国人には親切です。
写真左端にもう一つ画面から切れている窓口があり、そこがマシュハド行きで窓口も最も混み合っています。
画面左の男性3人が並んでいるところがザンジャーンやタブリーズなどの窓口で、上の行灯は「アーザルバーイジャーン窓口」と書いてあります。
その右が「ジャヌーブ(南)」とありますからエスファハーン、アフヴァーズ、ヤズド、バンダレ・アッバース、ケルマーンなどおよそ南方面全ての窓口だと察しがつきます。
さらにその右側、女性の後ろにあるのがカスピ海方面の窓口です。サーリーへはその窓口で買いましょう。
女性の右側にはもうひとつ、キャンセル専用の窓口があります。

激安!イランの鉄道運賃
イランの鉄道運賃は激安です。テヘラン~サーリー間は約350キロ、9時間の旅ですが、2009年春の運賃値上げ後現在でも、なんと14,500リヤル(約140円)! 運賃が安いことで有名なイランのバスでもこの区間40,000リヤルするので激安です。

切符はペルシア語でプリントされる
切符は写真のようにきちんとプリンターで印字されるのですが、文字は全てペルシア語です。用紙自体には英語表記や絵文字もあるので、発車時刻や座席番号がどこに書かれているかは見ればわかりますが、ペルシア数字を知らないと読めません。
黒塗りしたところには名前がペルシア語で書かれますので、窓口では名前を聞かれます。名前さえ伝えられればパスポートは特にいりません。名前が聞き取れないと、ビザに記載されたペルシア語氏名を見せてほしいと言われます。
切符の中央には右から、       この切符の記載事項
 出発駅              テヘラン
 到着駅              フィールズクー
 列車の絵文字の下には列車番号   218
 日付               (イラン暦下二桁の)87、2、28
 発車時刻             8:30
 列車等級             2
 座席の種別            ノーマルシート
 号車               3 
 座席番号             39
といった具合に、重要事項が1列に並んでいます。

運賃は最下段中央です。この切符では9500リヤルになっています。

一番の難関は日付がイラン暦になっていることです。イラン暦は春分の日を1月1日とするイラン独自の暦なので、これを西暦に換算することはカレンダーがないとできません。窓口係員もイラン暦で生活しているので、西暦◯月×日がすぐにわかりません。できるだけ、今日(امروزエムルーズ)、明日(فرداファルダー)、明後日(پس فردا パスファルダー)などという言葉や曜日を使って切符を買いましょう。この窓口係員たちの後ろに座っている責任者のような若い青年だけが、英語を話すことができました。
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9月に出た鉄道ピクトリアルという鉄道雑誌にイランの鉄道が14ページも載っています。
知られざるイランの鉄道写真も満載です。
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イランのガイドブックなら歩き方! 鉄道の乗り方も解説されています。
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