来日中のダライ・ラマが、昨日、震災犠牲者の49日法要を行ったとのこと。
これで仏教的には、一区切り付いたことになる。
仏教の宗派にもよるが、チベット仏教は日本の密教と同じものであるから、49日にも同じ意味がある。
西洋では『死者の書』として知られる、バルドソドル経典によれば、死者はおおよそ死後49日間は、この世とあの世の間の世界であるバルド(中有)にいるとされる。
そこで、十分な功徳を積んだものは仏になり、そうでないものは、天上界、阿修羅界、人間界、畜生界、餓鬼界、地獄界の所謂、六道のいずれかに転生するとされている。
死ねば仏と言う言葉があるが、あれは誤りである。仏になれるチャンスがあると言う意味で、大部分は六道のいずれかに舞い戻ることになる。
バルドソドル経典によれば、人間が天上界に転生することは、必ずしも良いことではないらしい。天上界は安楽過ぎて、修行にならないと言うのがその理由だが、耳が痛いところもある。
震災の犠牲者の中から、一人でも神界に、あるいは、より良い世界に転生出来たことを願って、一区切りとしましょう。