King Crimson / Thrak | ロックを良い音で聴きたい中年

King Crimson / Thrak

King Crimsonは1980年代に3枚のアルバムをリリースして活動休止した後、1994年にはさらにメンバー2人を加えて再び活動を開始しました。

ミニアルバム「VROOOM」リリース後、翌年にこの編成でフルアルバム「Thrak」をリリースしました。このアルバムの中からDinosaurです。




最後に聴こえるDinosaur(恐竜)の鳴き声のような音は、Adrian Belewお得意のギターによるもので、一時期ダイキンのCMに彼が出演して話題になりました。

同アルバムからWalking on The Air です。




この時の編成が、ギター、ベース、ドラムスがそれぞれ2人いる6人のダブルトリオという変則的なものでした。ベースはTony Levin と新加入のTrey Gunn で、両人ともスティックの名手でもあります。またドラムスは、古くからのメーンバーであるBill Brufordと新加入の元Mr. MisterのPat Mastelottoです。
このように、ギターはともかく、ベースとドラムスがバンドに2人いる必然性は無いと思うのですが、全く以ってRobert Fripp という人の考えていることは不可解です。

このアルバムから People です。




1980年代のアルバムでの Adrian Belew のヴォーカルは、それまでのCrimsonのヴォーカルGreg Lake , John Wettonとは全く異なる無機質なもので、はっきり言って嫌いでした。しかしこのアルバムでの彼のヴォーカルは異なって、メロディアスな部分が増えて、時折John Lennon っぽい響きも見え隠れします。

最後にOne Timeです。




結局この編成は長続きせず、幾つかのプロジェクト単位での活動にシフトしていきました。
その後は、各プロジェクトとしてのアルバムや、過去の音源と新曲を編集したアルバムは多数リリースされていますが、純然たる新曲だけのKing Crimsonとしてのフルアルバムはこのアルバムを最後にリリースされていません。