9月にASIAが再来日します。

アメブロに移住する前、Pachi-Ringで彼らのライブレポートを2回描いているので、今回の来日の予習がてらこちらに転載しようと思います。


全部で3部になる予定です。
3回目は今回の来日のリアルなライブ評になる予定です。

それにしても今考えれば、Pachi-Ring(パチ専サイト)で全く畑違いなどんなブログ描いてるんじゃ!って話です(笑)。

だけど、結構みんな読んでくれて盛り上がったりもしたのが面白かった。

パチ好きの方々は本当に懐が深い!!

ASIAをご存知の方には、「そんなん知ってるわい!」っていう話が描かれていたり(そこはパチサイト用なのでご容赦ください)変なところも多くて添削しようと思ったんですが、見に行ってその夜に勢いで描いているブログなので、そのライブ感も悪くないような気がしたので。

そのまま転載します。



2007年にプレイバック!!


今回のライブはASIA(エイジア)です。

80年代前半に大活躍したイギリスのバンドで、自分はリアルタイムに聴けた世代ではないんですけど、11歳年上の兄貴がよく聴いていたので、すごく馴染みがありました。

高校時代に聴きなおして、このバンドのことをいろいろと調べたことがあります。

メンバー
ジェフ・ダウンズ - Keyboards(元Buggles)
スティーヴ・ハウ - Guitar(元Yes)
カール・パーマー - Drums(元EL&P)
ジョン・ウェットン - Vocals, Bass(元King Crimson)

とまあ、それぞれ既に天下を取ってるそうそうたる面々のスーパーグループでした。

当時は衝撃的なニュースとして広く報道されて1stアルバムはバカ売れ。

でもおいらが彼らの曲を初めて耳にした時(3rdアルバム「Astra」の頃)にはバンドは存続してはいたものの、結成当時の4人のメンバーは脱退もあり散りじりになっており、勢いは失われていました。

何でも、楽屋に4人でいると必ず物が飛び交うケンカが絶えなかったという・・・。

実質オリジナルの4人での活動期間はおいらが初めて聴く前の2年間。
だけど、その2年が半端なく濃かった。

才能のありすぎるメンバーが一つのユニットを形成するのは本当に大変なこと。
歴史を変えるような作品は残せても、関係を地続きにして続けていくことって難しいんでしょうね。


そのエイジアが20年ぶりにオリジナルの4人で再結成され、来日するのですから、これは凄いことです。


本当に仲良しなのか?

本当に仲良しになってました!!


エイジアが結成される以前からオリジナルのメンバー4人はそれぞれの才能を発揮して既に大成していましたから、もう既に60歳前後になっています。

そんな彼らに熱狂した世代も20年の年を重ねていますから会場全体の雰囲気もとても温かいです。

そんな中で一時代を築いた名曲が次々と演奏されていきます。

しかしまあ、60歳くらいの方の出す音とは思えないほど、テクニカルだし、重みはあるし、しかもキャッチーでもある。

テクニックのある達人がとてもオーソドックスな普通の曲をやるというのは何てかっこいいんだろう!

もちろん20年の経過で当然キレは失われているところもあるし、素人が聴いても音を外しているシーンはあるんですけど・・・。


無条件に許せてしまう。


何なんだろう、この感覚。


言葉ではなんとも表現しがたいんですけど・・・。


例えば、おいらが「今日は天気が良いね」と言ったとします。

「そうねー。」っていう感じで。だからなんだよー、といかにも薄っぺらい。

彼らの一人が「今日、天気、いいな。」と言ったとします。

言われた方も「そうですね・・・」と同じような感慨にふけれるっていうか。


要はオーラが違うんです。

もう音の一つ一つに熟成感というか、何とも言えぬ趣がある。

いろいろな経験を通していろいろな引き出しを手にすると、その場にいるだけで、空気だけで殺されてしまうような雰囲気を身にまとうんですね。

ライブもまだ中盤だったのですが、ふと、このメンバーを実際に目にするのはこれが最後なのかもしれないなとよぎりまして、何とも言えぬ寂しさを早くも感じ取っておりました。


そして、何よりも20年前の恩讐を超えて、ずっとバンドを続けていたかのような雰囲気。


彼らは20年前のゴタゴタをどういう風に振り返るんだろう。

ちょっと気にはなりますが、そんなことはどうでもいいです。

互いに心使うやりとりは節々で見えていましたから。


もちろん全速力で走り続けられる体力はないのですが、それを感じさせないほどの無数の引き出しが、惜しげもなく放出されます。凄いことだよなぁ。これは。

あっという間の2時間。

とっても特別な2時間。

いいものを見てきました。


このライブは日中の仕事を過去に共にしていた親友と見に行きました。

この親友とおいらは厳しい時期を共に学び共に戦ってきたいわば同じバンドに在籍したといってもいいくらいのツーカーはあるような関係の仲なのですが、彼が5年前に移籍して、今は違う環境で働いているのですが。


ライブが終わり放心状態でボーっと流れていく時間を切り裂く彼の言葉がこのライブを表現するのに最適な言葉だと思います。


「またいずれ一緒に働こうね」


きっと彼もおいらと同じように感じていたんでしょうね。


「そうだね」


こういう空気だけでものが語れる年齢のとり方をしたいな、と。

ある意味絶対に達成できない将来の目標というか理想形を目のあたりにしたライブでした。


(これより加筆した分です)

当時のセットリなどもまとめてみます(他サイトのコピペです)。

1.Daylight
2.Only Time Will Tell
3.Wildest Dreams
4.Never Again
5.Roundabout(Yes)
6.Time Again
7.Cutting It Fine
8.Clap
9.Voice of America
10.The Smile Has Left Your Eyes
11.Ride Easy
12.Open Your Eyes
13.Fanfare For The Common Man(EL&P)
14.Without You
15.Ane Extraordinary Life
16.The Court Of the Crimson King(King Crimson)
17.Video Killed the Radio Star(The Buggles)
18.The Heat Goes On
19.Heat Of The Moment
〔アンコール〕
20.Don’t Cry
21.Sole Survivor

一番の売りは、4人のメンバーの出身バンドのカヴァーですね。

17がコンサート全編でも何気に一番盛り上がっていたかなぁ。
「オ~ワッオ~ワッ」っていう女声の掛け合いはハウ爺がギターで再現しちゃったりして(笑)。
コミカルで楽しかった。


というわけで、このブログで1曲ブイを選ぶとしたら何だろうって思ったんですが。

彼らがこのライブで証明してくれたもの。そして、おいらの親友への思い。
時間が経ってもずっと一緒に居たかのような結束。


まさに時こそが教えてくれるもの。
永遠に風化することのない大事なもの。


1st album「Asia」より「Only Time Will Tell」


おまけにライブの映像も。

オフィシャルな映像は検閲のためないようなのでファンのカメラの映像より。

これは2010年のライブ。


1st album「Asia」より「Cutting It Fine」




2008年に見に行ったときが初聴きだったのだが、カッコいいなぁって感心した曲。

2年経って遊び心のあるソロが入って聴こえが違うけれど、それはハウ爺がプログレ畑なので当然といったところですな。


それでいて演奏時間が3分。


これがエイジアの真骨頂なのであります。


確かに彼らは作られたいわゆる「スーパーグループ」なので、旬は短かったのかもしれないけれど(「Only Time Will Tell」のブイを見てもらってもメンバー同士で全然絡んでないし^@^)、セールスを意識したプログレをよりコンパクトにやろうとしたコンセプトは歴史に残すべき芸術品ですね。



第2弾は2010年の来日の話です。
公開は9/21(金)の予定です。