お兄ちゃんが病気になってから | チームDCM ~拡張型心筋症に挑む~

チームDCM ~拡張型心筋症に挑む~

ある日突然、拡張型心筋症になってしまった妻と息子と娘…。全国のブロ友と共に手を取り合い、知恵を出し合い、拡張型心筋症と闘う!

夏休みの宿題で、娘が書いた作文です。全文は長いので、一部を抜粋してご紹介します。


お兄ちゃんが病気になってから

           四年 ○○ ○○

 わたしのお兄ちゃんは中学一年生ですが、小学五年生のときからずっと入院しています。○○県の病院では治せないので、ヘリコプターで東京の病院へやって来ました。お父さんもお母さんも来たので、わたしは最初、おじいちゃんとおばあちゃんとくらしていました。毎日とてもさびしかったですが、「お兄ちゃんのために、家族で力を合わせるんだ!」と思って、がんばってすごしました。

 ところが、昨年の三月十一日に大きな地しんがあり、家が少しこわれ、わたしも東京へ来ることになりました。そして今は、お父さんとお母さんと、キリスト教の教会で生活しています。部屋は一つだけなので、少しきゅうくつですが、お父さんやお母さんと一しょにいられるし、お兄ちゃんに時々会えるので、もう前のようにさびしくありません。ただ、部屋には机がないので、勉強はみんなが使うリビングでやります。また、台所はほかの家族と一しょに使います。自分の家のように自由にできないので、今までのように友達をよんで遊ぶことはできません。

 いろいろとがまんしなければなりませんが、いいこともたくさんあります。たとえば、わたしは今までに、教会でたくさんの友達ができました。その中には、今、手紙のやり取りをしている人もいます。お兄ちゃんが退院できたら、ディズニーランドへ行く約束をしている人もいます。

 それから、わたしがリビングで勉強していると、大人の人たちが勉強を教えてくれます。それは、教会の人だったり、わたしたちのようにここで生活している人たちだったりします。だからお父さんやお母さんがいないとき、分からない問題があっても大じょうぶです。また、お兄ちゃんの具合が急に悪くなり、お父さんもお母さんも病院にいなければならないとき、わたしと一しょにいてくれる人もいます。だからさびしくありません。
 また、教会にはピアノがあります。わたしは三才からピアノを習っていますが、東京へ来てからは、教室へ通うことができなくなりました。でも、いろいろな人たちがやさしく教えてくれます。それにオカリナと合そうしたり、二人で連だんしたりして、今までよりもずっとピアノが楽しく、大好きになりました。

 お兄ちゃんが病気になってから、わたしの生活はずい分変わってしまいました。でも、わたしは東京へ来てから、たくさんの人にやさしくしてもらい、大切にしてもらっていると思います。だから、わたしも大きくなったら、みんなを思いやり、みんなにやさしくし、みんなのために行動できる人になりたいです。



普段、落ち着きがなく、少々反抗的な娘も、その小さな胸の中では、いろいろと考えているのだなぁと改めて思いました。…どうしても、寝たきりの息子の世話に、時間と労力をかけがちな私たちです。2学期はもっと娘にも関わり、面倒を見てやれるよう頑張ります。


また、先日はさくちゃん応援団長さん がお越しくださいました。もうこれまでに、何度お越しいただいているか分かりません。まさに、「現人神」とでもお呼びしたい方です。息子や娘も、そんな優しく温かい神様が大好きです。改めて、心から厚く、厚く感謝申し上げます。