「建築設計契約は請負」!? | ヒトリゴト

「建築設計契約は請負」!?

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「建築設計契約は請負」とした高裁判決の波紋
会員になってる人でないと見れないかも。


請負契約と準委任契約の違いなんて、今までよく知らなかったけど、今まで勤めてきた事務所でも今のわたしの事務所でもお客さんとの契約は「設計監理業務委託契約」なわけで、

それが何で請負ってことになるのだろう?

びくびくびくびく・・・


事の発端はというと。

とある設計事務所が住宅の設計を依頼された。設計契約時に予定工事額を提示して設計を続けたが、実施設計後に工務店から出てきた見積り額は予定工事額の1.7倍。設計監理料のうち75%程をすでに支払い済みであったため、施主はこれに対して損害賠償を請求。逆に設計事務所側は施主に対し残金25%の支払いを請求。

地裁の判決は施主側の勝訴。設計事務所側は控訴したが高裁で棄却。「建築設計契約は請負」という判断だった。



うえぇ・・・これってどういうこと?(泣)


・・・わたし。

前いた事務所で似たような経験あるんですよね。住宅ではないけど予定工事額の1.5倍という金額になって施主が事業を中止したの。
えっと、ブログのどっかにグチってると思います。

施主と先生との話し合いの結果、すでに入金済みであった設計料50%は、「授業料だと思うことにします」と施主があきらめることになった。
こちらも残金を請求するなんてことはせず、そこで話がまとまりました。

予算管理、というか事業計画を作ったのは先生で、わたしは図面描いただけだけど、一応担当者だったのでね。なんとも言えない後味の悪さが残りました。
短大を卒業できるくらいの額が、授業料・・・なのか!?



今回の記事に寄せられたコメントには、設計者のコスト管理意識の低さを非難する声も多かった。確かに1.7倍もオーバーするなんてひどすぎるし、自分が施主ならトーゼン賠償請求すると思う。

今回の判決は妥当なものだと思うけど、「建築設計契約は請負」というのはどうなの・・・?

建築士の業務を「請負」にしていいの?


明らかなミスに対しては責任を負わないといけないと思うけど、設計業務ってそんな単純なものじゃなく、いろいろと不足の事態が起こるのを知識と経験と誠意でもって解決していくってことじゃない?

それを今後はちょっとのトラブルでいちいち債務不履行だとか言われて契約を解除されちゃうの?と不安な気持ち。



たぶん、たぶんね。

今回の事例が極端なんだと思うのよ?

だけどその尻拭いを(また)業界全体でやっていかないといけなくなるのだとしたら、それはあまりに酷なことじゃないだろうか。

やたらめったら建築士ばっかりを責め上げる世間の風潮が、弱い者いじめのようで辛くなっちゃう今日なのでした。