悲しみは悲しみのままに ~亡き人からのギフトを受けとる~ | タロットのささやき、こころの景色

タロットのささやき、こころの景色

大田区・東急沿線にあるプライベートスペースで、
マルセイユタロットリーディングをおこなうHARUです。
おやつとお茶を楽しみながら、じっくりゆっくりタロットを介してじぶんと向き合う時間。
月に数回、定期的にカフェ鑑定も行ってます。

 

雪の予報だったある日。

 
きりきりした冷え込みの中、
元上司の一周忌法要へ。
 
 
ご自宅へお弔いのお花をお送りしたら、
奥様より法要へのお招きをいただいたのです。
(このエピソードはこちらへ→★)
 
 
 
 
極々少人数でのささやかな法要は、
都内にある小さなお寺にて。
 
 
 
そこで10年振りに再会した会社の大先輩たち。
そして、
はじめてお会いする上司のご家族。
 
 
お料理上手と上司が褒めていたお洒落な奥様。
目に入れても痛くないほど溺愛していた
当時小学生のお嬢様は
立派な大人の女性になられて。
 
 
 
遺影には私も知っている上司のあの写真。
優しい笑顔と
あのセーターとあの腕時計を身に付けた
仕事中の姿。
 
 
 
読経の流れる中、
さらさらと絶え間なく
閉じた瞼の合間から涙が流れつづけ、
 
 
 
焼香になり
ぼんやりと遺影に目をやっていると、
 
 
 
ある瞬間に
ひと際高く煙が立ち上り
幾重もの煙の山ができて
その中から上司の顔がのぞいてたように見え、
 
 
 
お堂の天井に沿うように
私たち参列者の頭上ちかくまでその煙が広がり、
すーーっと消えていきました。
 
 
 
 
 
 
それは、
「見た」というより
「感じとったイメージ」にすぎないのですが・・・・。
 
 
でも
こうして亡き人は、
私たちを見守るようにそばにいて、
 
 
感じようとさえすれば、
いつでも確かにいてくれるのだと
信じることができるイメージなのでした。
 
 
 
それは
私の妄想であるかもしれないけど
 
 
感じとってしまったからには、
私にとっての真実。
 
 
 
 
 
上司のお墓は無宗教の樹木葬でした。
 
お寺の一角で丸い小さな墓石に向かい
参列者とともに手を合わせていると、
その間だけ絹糸のような冷たい霧雨が降ってきました。
 
 
 
 
奥様が設けてくださった別会場での会食で、
おいしいものを食べながら
(生まれてはじめての素晴らしい北京ダック!!)
 
上司とのたくさんの思い出話でにぎやか。
 
 
 
笑いながら、
食べながら、
おいしいって喜びの声を上げながら。
 
そして時々、
上司の遺影に目を向けて
紹興酒のグラスを掲げながら。
 
 
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当時は仕事でも人間関係でも
イヤなことや苦しいと感じることがたくさんあったはずだけれど、
 
改めて振り返れば、
素晴らしい時代に
素晴らしい人たちと
素晴らしい仕事を
素晴らしい上司とともにさせていただいた
幸福感と感謝しか浮かんでこなかった。
 
 
時間はこうしてやさしく流れてくれていた。
 
 
 

 
 
悲しみは悲しみのままに
しかし
新たな繋がりの芽はそっと静かに大切にすること。
 
むやみに否定していた過去はやさしく肯定し、
目の前の幸せをそのままに受けとること。
 
 
 
それが、
後悔を超えて
亡き人への最大の恩返しになるのかな
と思うのです。
 
 
 
亡き人が生前に私と出会い、
与えてくれたたくさんの思い出への感謝。
そしてそんな大切な人と出会えた私自身へ
私からの感謝。
 
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残された私たちにそれを感じさせてくれることが、
亡き人のお役目のひとつ、
 
なのかもしれません。
 
 
 
たくさん泣きすぎて
空っぽ。
 
でも
以前ほどの寂しさは
感じなくなっている不思議。