Best of チェコアニメ映画祭!~ポエム編~ | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

チェコアニメのキャラクターたちを中心にチェコの絵本などを紹介しているチェコ・チェコランドのイベント・商品情報ブログです。

来週の8月22日(土)~9月4日(金)まで
神戸アートビレッジセンターの
「Best of チェコアニメ映画祭」
http://kavccinema.jp/lineup/4983

その名に恥じない
チェコアニメ史上のみならず、
世界的にも大きな評価を得た傑作ばかり
選びました。

”チェコアニメ最後の巨匠”と呼ばれる
イジ―・バルタは言います。
「チェコアニメには4つの要素があります。
”詩”であること。
”ファンタジー”であること。
”ユーモア”があること。
そして、”いろんなジャンル”があること。」

以上の4つの要素が色濃い作品を集めた
「ポエム編」
「ファンタジー編」
「ユーモア編」
「カラフル編」

4つのプログラムを作りました。

これらのプログラムをご紹介していこうと思います。

まずポエム編をご紹介します。
このプログラムは、”詩的”な要素が強いということとともに、
作品の内容、世界的な評価、作家の知名度…etc
そういったものを考えに考え、
チェコアニメ史上名作中の名作と言われる作品の
プログラムになりました!
チェコアニメには”巨匠”と呼ばれる人たちがいます。
その巨匠たちのバックボーンが色濃く出ている作品ばかりです。

そのバックバーンも踏まえて作品を紹介させていただきます。
作品に対する興味を膨らませていただければ幸いです。

<ポエム編>(計90分)

 
 
1.動物たちと山賊(1945年/8分)
イジ―・トルンカ監督



1945年、首都プラハに国営のアニメスタジオ、
トリックブラザーズスタジオが作られました。
そこの責任者に絵本の挿絵画家と人形作りの職人として
名を馳せていましたイジ―・トルンカが就任しました。
しかし、トルンカにはアニメ制作の経験はありませんでした。
でも、戦時中、創作活動が出来なかったトルンカの情熱はみなぎっていました。
未経験ながら、アニメという表現機会に才能と情熱をぶつけました。
そして、スタジオ創設から1年後の
1946年、戦後初のカンヌ国際映画祭でこの「動物たちと山賊」は
当時すでに隆盛を誇っていたディズニーの作品を破って
最優秀賞を獲得したのです。

 

 

2.飲みすぎた一杯(1954年/18分)
ブジェチスラフ・ポヤル監督

飲み過ぎた一杯
自らを「”丁稚”からキャリアをスタートさせた。」という
ブジェチスラフ・ポヤル。
11歳年上のトルンカについてアニメ制作に携わりました。
トルンカの詩情あふれる作風と、その才能、そして、
時代を切り開こうとする姿勢を尊敬し、
ポヤルは、みるみるうちに頭角を現し、トルンカの右腕に
なっていきました。
トルンカはポヤルに”監督”としての
才能を見出し、自分は美術担当として、
ポヤルをサポートして、
”監督”ポヤルを支えました。
そして、監督2作目のこの「飲みすぎた一杯」は
1954年のカンヌ国際映画祭を始め、
多数の国際映画祭で受賞しました。
この作品は革命的な作品として
世界に衝撃を与えました。
現代を舞台にし、それまでの人形アニメには
”不可能”とされていた”スピード感”や”緊迫感”を
見事に表現しました。
この作品は今尚多くのクリエータ―に
影響を与え続け、アニメの歴史の大きな一部になっています。

 

 

3.もぐらくんとズボン(1957年/13分)
ズデニェック・ミレル監督

もぐらくんとズボン
トリックブラザーススタジオが創設されて3年後の
1948年、一人の青年監督がデビューしました。
ズデニェック・ミレルです。
トルンカが人形アニメに専念することになり、
手薄になったセル画のアニメは
若きミレルに託されます。
そしてミレルは応えました。
デビュー作の「おひさまを盗んだ億万長者」は、
ベネツィア国際映画祭で特別賞を受賞し、
当時の国家はミレルに大きな期待を寄せました。
でも、ミレルは、まったく満足していませんでした。
自らの進む道に迷っていたのです。
社会派のアニメを創ったり、人形アニメに挑戦したり、
試行錯誤を重ね、”地中に住む動物”に注目しました。
「地上の世界をしらないもぐらが人間の世界を
観たらどう思うだろうか?」
1957年「もぐらのクルテク」の第1作目の
「もぐらくんとズボン」は発表され瞬く間に
世界の注目を浴びました。
それからミレルはクルテクを描きました。
自然と友達を大切にし、いつも明るく、
好奇心いっぱいのクルテクは、
”こういうこどもたちになって欲しい”と
未来のこどもたちに願う
ミレルの大きなメッセージなのです。

 

 

4.ベツレヘムの星(1969年/11分)
ヘルミーナ・ティールロヴァー監督

ベツレヘムのほしブログ6
”アニメはこどもたちのもの”という思いで作られた
ティールロヴァーのアニメは、女の子なら誰もが一度は
憧れるものを素材としてアニメを創りました。
手芸用品や、ガラス玉、ハンカチなど、
小さなころ、ワクワクドキドキしたものを
使ってアニメを創りました。
チェコで初めて人形アニメを創ったのは
ティールロヴァーです。
もともと芸術畑出身でない彼女は、
それこそ全ての作業が
初めての経験で、なんの道しるべもない状態でした。
だからこそ彼女の作品は”独創性”の塊でした。
女の子が憧れる”夢のような世界”を
作り上げていきました。
「ベツレヘムのほし」は、
手芸で使われる素材だけで作られ、
その素材の温かさときらびやかさが伝わってきます。
この作品にはお姫様が登場します。
表情がありませんが、
悲しみや喜びが伝わってきます。
温かくキラキラした作風は、
ティールロヴァーの思いが全て詰まったような作品です。
”自らの独創性で一から築き上げていく”
このティールロヴァーの精神は、
その後のチェコアニメの作家の礎になりました。
イジ―・バルタは言います。
「”挑戦”でなければアニメを創る意味はない。」
 

 

5. 郵便屋さんの話(1964年/22分)
作カレル・チャペック 画ヨゼフ・チャペック


第1次世界大戦から第2次世界大戦という
激動の中で活動していたチャペック兄弟。
でも、彼らの作品の中には、時代背景を
モチーフに描いたものはなく、
のんびりした好人物ばかり登場するお話ばかりです。
不幸にも兄弟とも第2次世界大戦が終わる前に
亡くなってしまいましたが、
兄弟が残した作品は、
”こんな世の中で会って欲しいなあ”というメッセージが
込められているように思います。
「郵便屋さんの話」は、宛先が書かれていない手紙を
お人よしの郵便屋さんが、なんとか届けようと世界中
走り回って宛先を探すというユーモラスで
微笑ましいお話です。
争い事とは全く無縁なチャペックの世界。
”ノーベル文学賞最有力候補”だったカレル・チャペックと
その兄で牧歌的な挿絵を数々描いてきたヨゼフ・チャペックの
世界を是非味わってください。
 

 

6.手(1965年/18分)
イジ―・トルンカ監督


チェコアニメを築き上げ、発展させた最大の功労者
イジ―・トルンカの遺作となった作品です。
絵本作家でもあるトルンカの作品は、
どれも詩的でファンタジックな世界観があります。
でも、この作品だけは、そんな要素は一切ございません。
この作品は当時の共産主義政権を
大きく批判しています。
トルンカは大きな成功を収めた芸術家で
当時の政府も彼の活動にはかなり許容していました。
それでもトルンカは、”本当の自由”と思っていなかったようです。
力が尽きる前に残した最後のメッセージです。
トルンカの死後、この作品は、
1989年の共産政権崩壊まで20年間、
国内での上映を禁止されていました。
平和な道化師のもとに”手”が現れます。
”手”は道化師の日常に干渉します。
その行為は暴力的ではありません。
でも、”手”の存在からは
大きな圧迫感と恐怖が伝わります。
一度見たら目が離せません。
ファンタジーではありません。
でも多くの専門家は、この作品こそ
トルンカの代表作だと言います。
トルンカが人類に残した最後の”詩”なのかもしれません。

以上の6作品が「ポエム編」の作品です。
まだご覧になられたこともない方も
ご覧になられた方も是非、ご覧になってください。
見応えたっぷりの6作品です。

8月22日(土)から神戸アートビレッジセンターで公開です。

 

8月22日(土)~9月4日(金)まで
「Best of チェコアニメ映画祭!」!
http://kavccinema.jp/lineup/4983

 

≪上映スケジュール≫
8/22(土)~28(金)(火曜日は休館日です。)
14:50 ポエム編
16:35 ファンタジー編
18:30 ユーモア編

8/29(土)~9/4(金)(火曜日は休館日です。)
15:40 カラフル編
17:15 ルナシー
19:30 悦楽共犯者

≪初日の8月22日(土)14:00~ ≫
1Fのオープンスペースで
”Best of チェコアニメ映画祭+シュヴァンクマイエル作品上映秘話”
をお話します!これで200%映画祭を楽しんでいただけます!


≪最終日の9/4はシュヴァンクマイエルさんの誕生日≫
この日の上映にお越しの方には非売品「悦楽共犯者」ポストカードプレゼント!

≪4回券≫
3600円の4回券を発売いたします!
圧倒的にお得です!
ご購入の方には、クルテクのタオルをプレゼントいたします!

 

そして長らく廃盤になっていました
「悦楽共犯者」のDVDを期間中発売いたします!(税抜3800円)

さらにシュヴァンクマイエルのチェコ版の
長編の作品のポスターを入手できたので特別に販売いたします。
アリス(1988年)
ファウスト(1994年)
悦楽共犯者(1996年)
オテサーネク(2000年)
ルナシー(2005年)
サヴァイヴィングライフ2010年)
最新作のサヴァイヴィングライフ以外は、
全てシュヴァンクマイエルのエヴァさんのデザインのポスターです。
そして、アリスはチェコ版の他、英語版、ドイツ語版もございます

 

販売は
上記の8種類のポスターの8枚セット 税込18,000円
そして、ばら売りを1枚 税込3,000円

ばら売りは
「アリス(チェコ語版)」「オテサーネク」
「悦楽共犯者」「ルナシー」「ファウスト」のみにさせていたできます。
あまり数量がございませんので、
関西はここだけの販売ですので、
この機会に是非お求めください!

DVDもしくは、ポスターをお買い上げの方には、
先着50名様に「悦楽共犯者」の特製ステッカーをプレゼントいたします!