19世紀のウィーンを舞台に、自由奔放なオーストリア皇妃、エリザベートの愛を描くミュージカル「エリザベート」(小池修一郎演出)が8月から、東京・丸の内の帝国劇場で上演される。5月末には製作発表が行われたが、ダブルキャストで主役を演じる朝海ひかる(38)と瀬奈じゅん(36)らが、作品にかける意気込みを語った。エリザベートと、人の命を奪う死の帝王でありながら彼女を愛してしまうトートとの愛憎劇で、宝塚歌劇団が小池氏の演出で平成8年に日本初上演。東宝版は12年から796回、上演されている。20年に続いて主役を務める朝海は「上を目指して日々努力したい」。また昨年12月に宝塚を退団した瀬奈は「足を引っ張らずに誠実に務めたい」と語る。一方、ベテラン俳優の山口祐一郎、石丸幹二とともにトート役に抜擢(ばってき)された城田優(24)は「高校時代から宝塚版を3度ほど見ていて、まさか自分がトート役を演じる日が来るとは夢にも思っていなかった。初日までにこの不安を期待に変えたい」と意欲的。7年前、高校生だった城田は同作品のオーディションを受けて落選したが、女性スタッフの心に強く残っていたことを明かした演出の小池氏は「城田優という俳優が醸成されていく良い機会になる。期待しています」とエールを送った。8月9日から10月30日まで、東京・丸の内の帝国劇場。