一子ちゃんが退院して12日目


昨日の様子が気になって、この日は朝一番で行こうと決めていたんだけれど


長女が一緒に行くって(ず~と自宅には帰らずに実家にいましたの)


言うので待っていたら、電話が鳴る


ドッキッ!見ると施設から


あ~とうとう・・・


施設「一子さんですが…先ほど息を引き取られました

    職員が看取らせていただきました

    すぐにでも来られますか?」


私「ありがとうございました

  すぐに行きます」


電話を切って長女を見ると、そうなん?って顔


施設に着いて、まず入口で看護師さんにバッタリ会う


看護師「ほんとうに良くされてきましたね

     毎日毎日来てくれてましたし


     一子さんお幸せですよ」


私「そうでしょうか?そうだったらよかったんですけれど」


一子ちゃんの元へ向かう


ベットに横たわる一子ちゃん


覚悟はしていたけれど、やはり目の前にすると心が折れる


一子ちゃん、激動の88年間の生涯を終えました

一子ちゃんの目に私は映っていましたか?


私は今でも、これからも、あの時のあなたの潤んだ瞳を忘れません



一子ちゃんが退院して11日目


この日はチアノーゼが進み、呼吸も浅く


呼び掛けにも反応しなくなっていた


施設の看護師さんに呼び止められて


もうその時が近づいて来ています大丈夫ですか?と聞かれる


大丈夫です、前回の時にも覚悟はしていましたし


この10日間で充分な時間がありましたし


そう答えると、それならよかったです。そう言ってくれた


この日、帰るときに、これでお別れだね。そう思った









一子ちゃんが退院して10日目


この日は次女を連れて一子ちゃんのもとへ


一子ちゃんはこの次女が大好きで


おそらく4人いる孫娘の中で一番だったと思う


次女がおばあちゃん!来たよ!


そう声をかけると、ぱっちりと目を開けてくれた


わかる?次女ちゃんやで!


だけど一子ちゃんは私をじっと見つめて


その眼を私から外すことなく見つめていた


ほら!ここに次女ちゃんもいるよ!


そう言っても私から目をそらさなかった


次女「おばあちゃん、お母さんしか見てないよ」


そして、この時を最後に一子ちゃんは目を開けることはなかった


翌日、手も足もチアノーゼで真っ青になってきていた


呼吸も浅く、この時に今夜かな明日の朝また会えるかな


そんな気がして…翌日は朝早くに来ようと思っていた