地域振興関係の本2題 | michyのブログ

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ダラダラした日常で興味を持ったことを、ぼちぼちと書きなぐります。

先日イオンモール武蔵村山のオリオン書房寄った際に
地域振興関係でまったく逆の新書が並べられていた。
「地域再生の罠」と「地方消滅の罠」。
こ、これは・・・おいらに対する挑戦か!(ンな訳無い)。
せっかくなので両方購入し、せっかくなので旅行中にあわせて読んだ。
いや、こういうテーマは家で読むよりも外で読んだほうが適した感じがしたので。

まず「地域再生の罠」。
筆者は、地域再生の”成功者”と言われていながら実のところおかしいと
思える都市を、実際に取材に行って分析している。(宇都宮、松江、岐阜など)
その上で、「間違いだらけの地方自治と土建工学が地方を衰退させる」と
指摘している。その上で地域再生の提言を述べてはいるが・・・
前半部分の実地取材含めた問題提起は非常に面白かった。
ただ、実地取材もあって取り上げた例は少ない。後半部分の提言以降は
ちょっと本人が嫌っているはずの頭でっかちになっている嫌いはあり
頷けない部分はあるが、全体的には面白かった。70点。
(筆者も衰退例としている岐阜については、なぜか2年連続で、しかも今回も
行っているので、機会があれば書きたい。個人的にも岐阜は間違っても住みたくない。
東海地方なら、大垣、豊橋、四日市の方が遥かにいい。)
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)/筑摩書房
¥864
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次に「地方消滅の罠」。
タイトルにあるとおり元岩手県知事の増田寛也が纏めた地方創生論議で
マスコミが(ほとんど間違った前提で)センセーショナルに扱った”消滅可能性自治体523”
に対する反論のスタンス。
(いや、個人的には増田レポートも「最悪の事態にならないための地域振興を考えよう」という
スタンスと思っているのだが。)
どういう地方再興論を述べているのかと期待して頁をめくったが・・・
読みにくい文体はまだ我慢する。が、あまりにも支離滅裂のうえ感情的。
沖縄県の出生率の高さをみて「経済性の高さと出世率は無関係」と論じたり
「私が知る限り学校の統廃合が経済的な理由と言うのは極わずか」と述べたり
「行政サービスがあって街ができるのでは無い」と論じながら
「少数でも人がいるならばインフラは維持すべきだ」など支離滅裂。
じゃあ、その行政サービスの原資はどうするんだろう?お金が沸いて出るのか?
(それとも毛沢東かポル・ポトのような原始共産主義を崇拝しているの?)
人口を地方に滞留させようという「人口ダム論」に対しては、その内容ではなく
言葉尻を捕らえて正反対の解釈をして反対。もう何というかね・・・
これで九大大学院中退の大学准教授か・・・
これでおまんま食えるなんていい立場だな。羨ましい。
途中で、ただ単に感情的に増田寛也と現政権(なんで?)を批判するために
あらゆる反証を述べているだけと気づいてからは、もう読む気をなくした。
10点。点数はテーマだけで30点、内容の酷さで-20点。
地方消滅の罠: 「増田レポート」と人口減少社会の正体 (ちくま新書)/筑摩書房
¥972
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