新しいものを極力買わせないエコロジーが真のエコロジーでは? | 紺ガエルとの生活 ブログ版日々雑感 最後の空冷ポルシェとともに

新しいものを極力買わせないエコロジーが真のエコロジーでは?

マニフェストでは、必ずどの党も「環境問題」を取り上げるのだろうが。

その中には、屋根に太陽電池パネルをつける家庭に補助金出します、とか。
エコカー買ったら補助金出す、という措置を延長します、とか。

新しい「環境に優しい」ものを買わせるインセンティブを与える、という形の環境問題対策、とっても多くないですか?

民主党のマニフェストには、やはり
「太陽光パネル、環境対応車、省エネ家電などの購入を助成し、温暖化対策と新産業育成を進めます。」
って書かれてあったよ。

本当にそれがエコロジーか?
なんか、違う気が。

本当にエココンシャスなのであれば。
何百万円も使って、屋根に新品のソーラーパネルつけて電気代節約するよりも。
そのために政府がわざわざ補助金出したりするよりも。

もっとまともな方法があるような気が。

もっと言うと、新しい「環境に優しい」ものを補助金(つまりは私たちの税金だが)出してがんがん買わせる、ということ自体が。
「政府の無駄遣いをなくす」という、民主党マニフェストに明らかに矛盾しているように思われる。

だって、新しい製品を買わせるエコロジー、って、費用対効果の悪い環境問題対策で。
どちらかというと、特定の製品を作るメーカーへの利益誘導としか思えない。

そうじゃないでしょ、と言いたい。
たとえばこんな形の方が、よっぽど費用対効果の高い環境対策。

ホテルに泊まると。
カードキーをもらって、それでドアを開けるのだが。
部屋に入って、そのカードキーをどっかに差し込まないと、部屋の電気やエアコンが付かない、という仕組みになっていることが多い。

そして、そのおかげで。
外出する際には、必ず照明とエアコンが消えるようになっている。

なぜこうなっているかというと。
ホテルの宿泊客は、わざわざ出かける前に時間を使って部屋の電気とエアコンを消して回るモチベーションがないからだ。
光熱費が追加徴求されるわけではないので。

この仕組みと同じものが、家庭用で存在しないのはなぜだろう?

たとえば、家に鍵を掛けるときにあるボタンを押しながら鍵をひねると。
あらかじめ指定してある照明やテレビ、エアコンの類の電源が自動的にオフになって。
消し忘れを防ぐ、といった仕組み。

こんな仕組みを作るのに、何百万もかかるわけではなく。
せいぜい5千円ぐらいあれば、出来そうなもの。

これが多くの家庭に導入されれば。
うっかり照明つけたままで外出したりすることがほぼなくなり。
ものすごい量の電気の節約になるはず。

国が5千円のうち半分補助出します、ということにすれば。
ソーラーパネルやエコカーへの補助などとは比べものにならないぐらいとても費用対効果の高い、環境対策になりそう。

でも、残念ながらこの手の仕組みにお目にかかったことは、ホテル以外ではない。

何でか、というと。
ホテルの宿泊客に、スイッチを消して回るモチベーションがないのと同様。
マンションを建てる業者は、別にマンションの購入者の光熱費が少々高くなっても痛くもかゆくもないので。
わざわざそんな変ちくりんなものをつけようなどとは、夢にも思わないだろうから。
一戸建てを自分で建てる人ぐらいしか、そんなことを考える人はいないだろう。

でも、この仕組みが広く採用されるようなインセンティブ付けを行えば。
一部のソーラーパネルのメーカーや自動車会社に実質利益誘導を行っているのに等しい環境政策よりも。
多くの人たちが、より多くの便益を受けることが出来る。
それも、凄く低コストで。

よっぽど一部の業界に利益誘導するよりも、票になるような気がするが。

各党の皆さん、個人消費を膨らませ、特定業界へ利益誘導をはかる政策をエコロジーの名の下に遂行するという、国民を愚弄する子供だましはもういい加減やめにしませんか?