だから言ったじゃん
12日の朝刊に、
「保険金支払いに340億円 サブプラ影響 損保ジャパンが準備金」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080112-00000001-fsi-bus_all
との記事が載っていたが。
プレスリリース を見ると。
2350億円分スーパーシニア(+メザニンAAA?)に金融保証つけていて。
340億円の損失準備金は、1件のABSCDO、額面$300mmによる。
損失準備金を用意した原因は。
あるCDOの原資産の一部であるHEL ABSが格下げになって。
WARFテストをブリーチして、リクイデーションされたら全損する可能性がある、とのこと。
分かりやすく言うと。
CDOという箱の中に入っているABSの信用度が、一定水準以上悪化したので。
さらに悪化する前に損切って売却する、というルールだったのだが。
実際に売りに行ったら、元本が返ってくると思っていたのに返ってこないほど、安い値段でしか売れません、ということ。
報道資料いわく。
同様の清算条項のついたCDOを2件、$280mm相当持っているらしいが。
こちらはAAA格がついており、原資産の格下げも限定的なので損失発生の可能性が低い、とのこと。
行間を読むと。
損失準備金を用意したCDOは、おそらく当初AAA格だったものと思われる。
というのも、他のエクスポージャーも全てAAA格だから。
だが原資産の信用度合いの悪化で、おそらく格付け会社が格下げしたか、格付けを取り下げたものと思われ。
全損する、ということだから、メザニンAAAだな。
同様の清算条項がついたものも。
発表では、リスクが低いから損失積立金は不要、と書いてあるが。
原資産の格下げは、時間の問題なので。
おそらくかなりの確率で、損失が発生されると思われ。
それ以外にも8案件、1730億円相当のAAA格のエクスポージャーを持っているらしいが。
米国の投資銀行の、スーパーシニアのポジションに対する損失見積もりからすると。
損失準備金ゼロ、なんて大甘じゃない?
大半について、損失準備金を積むべきようにも思え。
そもそも時価評価の不必要な「金融保証」なんて形でリスクテイクしていること自体、不明瞭な会計処理なのに。
というのも、時価評価が必要なクレジットデリバティブとまったく同様のリスクプロファイルを持つ取引を行っているわけで。
狭義の株主資本、4700億しかないので。
ちゃんと時価評価してたら、目も当てられない。
今回の件はつまるところ。
これまでCDOのポジション時価評価してませんでした。
実際に清算したら価値ゼロの可能性が高いことが分かりました。
だから額面分全損扱いで、損失準備金積みます、と発表しているわけで。
なーんてぐだぐた書いてみましたが。
記憶力のよい読者は、覚えていらっしゃるかもしれませんが。
実は、去年の10月27日の段階で。
すでに、私は予想しておりました。
http://ameblo.jp/993c4s/entry-10052739985.html
コメントまでご覧ください。