こんにちは。前回予告した通り、今回は「ガメラ2 レギオン襲来」のご紹介をしたいと思います。この作品が平成ガメラシリーズ中、一番バランスがよく作られている作品で、多分評価も三作品中一番高いのではないでしょうか。もうパニック映画としても文句のない出来で、当時映画館で観てめちゃくちゃ興奮した記憶があります(笑)“怪獣映画”でここまで興奮させられるとは、思ってもみませんでしたからね。


確かこの作品は日本映画で初めて、日本SF大賞を獲った作品ですよね。それも納得の内容で、前作同様かそれ以上に、“もし今の日本に怪獣が現れたら”というシチュエーションをできるだけリアルに再現していると思います。もうこの辺は、完全にSF映画といって間違いなく、「機動警察パトレイバー2」のノリですね。このあたりはさすが、脚本の伊藤和典の貢献が大きいでしょう。ちなみに押井守も演出で、一部参加する話もあったみたいですね。


前作のご紹介の時も言いましたが、ただ単にリアリティを追求しただけでなく、この作品は映画としての面白さも当然持ち合わせています。ガメラのスライディング火球三連発打ちや、ラストの元気玉(笑)など、やっぱりアツくなります。またガメラをクライマックスで、遂に援護することになる自衛隊など、人間側のドラマもベタですがいいです。「だってガメラはレギオンを許さないから」というセリフが印象的です。ちなみに「クローバー・フィールド」に地下鉄のレギオンの群れのシーンに怪獣の造型を含めて、そっくりなシーンがあるんですがあれはオマージュですよね?


やっぱり“怪獣”という大きな映画のウソをつくためには、その他のところで、できるだけリアリティを出す必要があると思うので、レギオンの草体など怪獣の生物としての描写も、ほんとにすばらしいですよね。ここまでの描写をしたのも、怪獣映画史上初めてなんじゃないでしょうか。先ほども言いましたが、平成ガメラシリーズのなかでも、一番バランスがよく出来ている作品だと思うので、この作品を最初に観てもいいんじゃないでしょうかね。というわけで、次回はいよいよ最終作「ガメラ3 邪神覚醒」のご紹介をしたいと思います。


ガメラ2 レギオン襲来 デジタル・リマスター版 [DVD]/角川書店

¥2,940
Amazon.co.jp