優勝35回を誇る大横綱の白鵬(30)=宮城野=ですら朝青龍は怖かった!? 白鵬は2日、福岡市西区の九州大学伊都キャンパスで「白鵬が語る“夢”」という題目で講演を行った。集まった1000人以上の学生を前にモンゴルの先輩でもある朝青龍におびえていたエピソードを披露。「朝青龍関っていう大変怖い先輩がいて、対戦する時は名前を聞くだけで寝られなかった」と明かした。

 学生から現在注目する力士を問われると「一番勢いがあるのは大関の照ノ富士。二番目は遠藤に頑張って欲しい」と大関・照ノ富士(23)=伊勢ケ浜=と西前頭4枚目・遠藤(25)=追手風=の2人を挙げた。特に遠藤には期待を寄せているようで「同じ(伊勢ケ浜)一門なのでいつも稽古をつけているけど、最近は私から逃げているみたいだね。強い人と稽古をしないとね」とチクリ。だが「まあ私も朝青龍関から逃げていましたけどね」と付け加えて笑いを誘っていた。

野球賭博の開帳図利(とり)と常習賭博の容疑で10月26日、人材派遣業を営むダルビッシュ翔容疑者(26)が大阪府警に逮捕された。同容疑者は、大リーグのテキサス・レンジャーズに所属するダルビッシュ有投手(29)の弟である。

 野球賭博という愚行は、現役の大リーガーである兄に影響を及ぼすことは避けられない。実は本誌記者は2012年夏、翔容疑者にロングインタビューを行なっていた。当時、この取材は誌面化しなかったが、翔容疑者は殊勝な態度で質問に答え、兄との「深い絆」を語っていた。少年時代の回想。

「俺ら兄弟はハーフということもあって、幼い頃からいじめられた。俺は腕力で相手を黙らせてきたけど、おとなしい性格の兄は違った。手足の長い兄は、その頃大流行していたテレビゲーム『ストリートファイターII』のキャラクターのダルシムに似ているといわれ、近づくと『ダルシム菌がつくぞ~』とからかわれた。

 鬼ごっこでは、いつも鬼。周りが途中で家に帰って放置された兄が、日が落ちるまで1人で鬼を続けとったこともあった。そんな兄をいじめるヤツらを俺がぶっ飛ばして、兄を助けたりもしたんや」

 だが、兄弟の立場は逆転する。野球の才能を見出された有は宮城の東北高校にスカウトされ、甲子園のスターとなった。

 一方、中学でサッカー部に入った翔容疑者は、有望選手と見られた時期もあったが、やがて挫折してしまう。高校進学を諦めて夜遊びを繰り返し、幾度も警察の厄介となる。インタビューで本誌記者が「兄との境遇の違いがそうさせたのか?」と訊くと、ムッとした表情でこう答えた。

「少年院や鑑別所でも同じこと言われたわ。『お前が不良になったのは偉大な兄貴と比べられて拗ねたからや』ってな。それは違う。俺は楽しいからそうしてるだけや。兄は関係ない」

 しかし「兄は自分のことを気に懸けていた」とも明かしていた。「19歳の時(2007年)に事件を起こして騒ぎになった頃のことや。プロとして大活躍していた兄と2人きりになった時、兄は『俺が野球やめたらいいんか?』と涙目で呟いたんや」

 兄が有名選手であるがゆえに、弟の行為が大きく取り沙汰されている──有はそう考えたのだろうか。それに対して翔容疑者は感情を露わにしたという。「俺は『そんなこと言わんといてくれよ!』と、初めて兄の前で泣いて詫びたんや」

 そう本誌取材に話していた翔容疑者の表情は真剣そのもので、その口調からは兄を誇りに思い、信頼する心情が痛いほど伝わってきた。

フィギュアスケートのグランプリシリーズ、スケート・カナダの男子フリーが現地時間31日、カナダのレフブリッジで行われ、SPで6位と出遅れた羽生結弦(20歳、ANA)がフリーで2位となる186.29点をマーク、計259.54点で、総合2位と挽回、表彰台に上がった。優勝は、ソチ五輪銀メダリストで地元カナダのパトリック・チャン(24歳)。SPで首位の村上大介(24歳、陽進堂)は3位だった。

 右手の二本の指を胸の前で立て、左手をさっと上げる。映画「陰陽師」で安倍晴明役を演じた野村萬斎が、手刀と呼ばれる二本指を立て剣印を結ぶポーズをリメイクしたもの。和笛のオリエンタルな音調に乗って羽生のフリー演技がスタートした。

 冒頭の4回転サルコー、4回転トゥループと、立て続けに4回転ジャンプの着氷を綺麗に決めると、トリプルフリップから、フライング足替えコンビネーションスピン、ステップシークエンスを経て、体力も気力も消耗する勝負の後半へとつなげた。

 プログラム3つ目の 4回転ジャンプとなる、4回転トゥループ+2回転トゥループのコンビネーションジャンプでは、4回転の着氷で少しバランスを崩し右手をついたが、すぐに持ち直して2回転トゥループにつなげた。だが、続くトリプルアクセル+トリプルトゥループのコンビネーションジャンプは、後半のジャンプをシングルにしかできなかった。
 
 元全日本4位で、フィギュアに関する著書もある現在インストラクターの今川知子さんは、「かなりの体力の消耗でトリプルアクセルの入りから少しよろける感じがあった。おそらく乳酸が筋肉に蓄積し足に力が入らなくなってきたのかもしれません」と言う。
 
 だが、直後のトリプルアクセル+シングルループ+トリプルサルコウは成功。トリプルループから続く、プラグラム最後のジャンプであるトリプルルッツでは、転倒したが、最後まで気力を振り絞って会場の拍手にあわせて力強いステップを刻んだ。演技が終わると膝で手を置きしばらく動けないほどだった。

 今川さんは、「最後のスピンの前のコレオシークエンスにハイドロブレーディングと言われるエッジを深く倒して、足を伸ばし、氷上を手で支えて滑る高等なテクニックを入れてきました。4回転を3つ。しかも、後半にコンビネーションで入れ、トリプルアクセルを2つも組み込むプログラムは、過去に例がないほど難しいものですが、さらに体力を消耗するハイドロブレーディングまでを最後の最後に入れてくるプログラムは、もう凄いとしか表現ができません。腰の位置も浮き、疲れは顕著なはずが、この日は、もう気持ちで持ち直していました」と、最後のジャンプを終えた後のコレオシークエンスに入れ込んだハイドロブレーディングに“史上最強のプログラム”に秘められた決意と凄みを感じるという。

 ちなみに、この左手を氷上に着けて上半身を氷上に平行にするほどに低い姿勢を取るハイドロブレーディングは、1990年代に、カナダのシェイリーン・ボーンとヴィクター・クラーツのペアが、アイスダンスで披露して有名にしたもので、そのシェイリーンが、羽生の現在のフリーの振付師。元祖から直伝された滑りというわけである。

「競技としてのフィギュアの進化をつきつめる、これまで見たことのない難しいプログラムへの挑戦がスタートしましたね。後半の4回転も手はつきましたが、評価すべき結果でした。サルコウ、トゥループ、ルッツと3種類のジャンプに得意、不得意がないオールマイティプレーヤーで、ジャンプもパワー系ではないので、体力を大きく消耗させず、これほどの難しいプログラムへの挑戦が可能なんだと思います。後半は、疲労が顕著でしたが、かなりのトレーニングを積んできたことは伺えました。技術、体力、そして気力。これらが揃わないとできないプログラムです。
 まだ、つなぎなどが荒く、ジャンプもふたつミスをしたわけで、未完成ですが、今後、滑り込んでいく中でアクシデントがなければ12月の全日本には、完成形に近いものを見せてくれるのではないでしょうか。ノーミスで滑れば、フリーの200点も不可能ではなく、誰も手の届かない場所にいくでしょう」とは、今川さんの見立て。次戦の出場予定は、11月27日に長野で始まるNHK杯。史上最強のプログラムをノーミスで滑りきる日が楽しみである。

ミラン本田圭佑、謎のゴリ押し交代に契約出場疑惑か? 3試合でプレー時間15分の晒し者に……



日本代表のエース本田圭佑に、契約出場疑惑が出ている。本田は10月4日のナポリ戦後に、監督やクラブへの前代未聞の大批判をマスコミにぶつけ、イタリアサッカー界に波紋を呼んでいた。一部の関係者からは「二度とイタリアでピッチに立つことはできない」とまでいわれていた本田だったが、現実はより厳しかったようだ。

「あの事件の後、本田は親善試合を除いた3試合すべてが、終了間際からの出場だったんです。もちろん終了間際の交代は、勝っている時に時間を無駄に使うためによく見られることですが、3試合連続は異常ですよね。おそらくミランがスポンサーとの契約で、本田の年間10~20試合の最低出場ノルマを与えられているのでしょう。これは、本田にとっては屈辱だと思いますよ。ファンからも『背番号10番のやる仕事じゃない』『3試合で15分って、さらし者じゃないか』『このまま本田さんが終わるわけない!』と、怒りの声が上がっています」(スポーツライター)

 事件の後に行われたインテルとの親善試合では出場を果たし、それなりのプレーを見せた本田。しかし、イタリア誌の採点では、軒並みチーム最低点を付けられていた。

「マスコミ批判もしてしまいましたから、そういうこともあるでしょうね。そもそも本田は、そういったマスコミの実情も批判しているんですよ。終了間際の交代もそうです。契約のために交代枠をひとつ減らすようなクラブのやり方が、勝利をストイックに求める本田は我慢できないはずです。昔から、イタリアサッカーが一番政治に毒されているとはいわれていますが、今のミランが、まさにそれですよ」(同ライター)

 現状、活躍できているとは言い難い本田だが、ヨーロッパでは一定の評価は崩れていない。高望みさえしなければ、それなりのクラブへ移籍は実現できるだろう。ファンとしては、この冬のマーケットでミランを離れてほしいと切に願う。

ニュージーランドの連覇で幕を閉じたラグビーW杯イングランド大会。日本代表が1次リーグで3勝し、列島を感動の渦に巻き込んだことは記憶に新しい。

 その中でも端正なルックスと、プレースキックを蹴る前の「お祈りポーズ」で時の人となったあの人。そう、五郎丸歩が10月28日、東京・ユナイテッドシネマ豊洲で行われた仏映画「トランスポーター イグニション」のヒット記念舞台あいさつにゲスト参加した。

 その現場に取材に出向いた記者。通常、映画の舞台挨拶は、登壇者を囲んで直接話を聞く「囲み取材」がない場合が多い。この日も司会者とのトークなどで終了予定と会場で聞かされていた。

 だが、記者は五郎丸にどうしても聞きたいことがあった。“直撃”するチャンスを虎視眈々とうかがっていた。

 最後のフォトセッション(写真撮影)も半ば。記者は客席2列目のプレス席から、そそくさと移動。五郎丸が降壇した後、向かうであろう会場の外へ通じるドア付近に潜伏した。

 そこに陣取るイベント関係者、6~7人の中に潜り込んだ記者。写真撮影終了、最後の挨拶を終えた五郎丸が、こちらに向かってきた!

 記者「五郎丸さん! 五郎丸さん!」

 降壇してドアまで約5メートル。そのわずかな時間の間にシャウト。すると、五郎丸がこちらに歩みよってきた。五郎丸歩だ。

 「囲み取材」がない場合、直撃取材は対象者、関係者の心証を悪くするため“ご法度”とされる。熱愛が報じられたホットな芸能人が、去り際に報道陣から「交際は順調ですか?」などと声をかけられることはあるが大概、芸能人はほほ笑んでその場を去る。

 芸能人とスポーツ選手の違いはあるとはいえ、五郎丸はこちらの呼びかけに真剣に、丁寧に対応し、記者の元に来てくれた。

 記者「●●ですか?」

 五郎丸は米マット界のレジェンドレスラー、ハルク・ホーガンのように、手を耳に当てて記者の話を聞こうとしている。五郎丸の分厚い胸板とは対照的に、ペラッペラの記者の胸板には「STAFF」ではなく、デカデカと「PRESS」のシールが貼ってあったのにもかかわらずだ。

 質問は聞こえていた。返答を待つのみ…。

 その間、わずか1秒。「すいません!」と関係者に横から両手で制された。五郎丸がスコットランド戦の前半終了間際、失点を防いだあのタックルをほうふつさせる“タックル”だった。無念、“トライ”を達成できなかった記者は「そこに、五郎丸がいるとは…」と、まさかのナイスディフェンスに脱帽するしかなかった。

 舞台挨拶中も司会者の質問に、的確かつ短い言葉でズバッと答える頭の回転の早さ。南アフリカ戦で決めたトライが国際統括団体、ワールドラグビーから年間最優秀トライ候補に選ばれたと振られても、「日本のトライと捉えています」と言い切る謙虚さ。

 さらに、その後の記者への“神対応”。やはり、五郎丸は多くの人を引きつける魅力がある。そう感じ、会場を後にした記者は豊洲から臨む東京湾に向かって、「もう少し、魅力的な人間になろう」と誓った。雲一つない青空が、とてもまぶしかった。