海外からコンテンツ配信、消費税ゼロ。楽天など検討 | 株えもんのブログ

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 楽天(4755)などネット関連の大手企業が、海外拠点から日本に電子書籍や広告を配信する検討に入った。


 電子書籍市場が立ち上がるなか、消費税がかからずに国内向け配信ができる海外ネット大手と競争条件をそろえるためだ。


 国境を越えたネット取引への課税は世界的な課題となっており、国内でも議論が高まりそう。



 日本では、国内での取引と輸入した物品に消費税がかかる。音楽やパソコンの応用ソフトなどのデータもネット配信の拠点が国内にあれば国内取引として課税される。


 一方、海外に本社を置く企業が現地の拠点から配信すれば、国外での取引とみなされて現状では消費税がかからないため、内外格差が生じている。



 今年、日本は電子書籍元年といわれ、多くの国内外企業が参入を表明している。このうち米アマゾン・ドット・コムは、電子書籍端末「キンドル」に海外サーバーから配信すれば、消費税がかからない。


 国会で消費税率を10%に引き上げる議論が始まるなか、日本企業は危機感を強めていた。



 楽天は買収したカナダの電子出版会社のコボ(トロント)を使って、日本語に対応した端末などの国内販売、配信事業に乗り出す。配信は「コボが担当し、サーバーはカナダなど国外に置く」(三木谷浩史社長)。


 国内拠点から電子書籍を配信している紀伊国屋書店は「アマゾンの配信などが非課税なら勝負にならなくなる。制度の見直しを政府に強く求める」(高井昌史社長)方針。現状のままなら海外からの配信を検討する。



 ネット広告では、海外拠点を持つ米グーグル、フェイスブックなどが日本向けに配信しており、日本企業が両社と取引する場合、広告配信料に消費税はかからないとみられる。


 一方、ヤフー(4689)では、企業が広告枠を購入すると消費税がかかるため「制度改正されないなら、海外配信を検討せざるを得ない」(同社幹部)。



 国境を越えたネット取引への課税は欧州連合(EU)加盟国が実施しているほか、経済協力開発機構(OECD)で議論されている。日本でも企業が同一条件で競争できる税制の見直しが求められそうだ。


課税の空洞化 進む恐れ 海外から配信消費税、実態に合わず



 ネット関連大手が海外から日本への配信サービスの検討を始めたのは、消費税の仕組みがネット取引の実態に合っていないためだ。


 海外からの配信に消費税がかからない仕組みのまま、仮に税率だけが大幅に上がると、国内企業が競争で一段と不利になる。海外からの配信に切り替える企業が増えれば、課税の空洞化がさらに進む可能性がある。



 米国では間接税として州ごとに小売売上税がある。カリフォルニア州では有形資産が対象で、配信サービスには売上税がかからない。


 国際的な電子商取引への課税では、経済協力開発機構(OECD)が1998年にサービスを受ける国で課税する「消費地課税」を提案。欧州連合(EU)は域外からの配信サービスにも付加価値税を課している。


 一般消費者向け配信では、域外企業が加盟国のいずれかの国に登録し、その国に一括納税する。登録国は実際に配信した加盟国ごとに税金を分配する。



 日本政府も消費地課税を打ち出し、早急に具体的な徴税手法を検討すべき段階に来ています