放射性物質 その25 危険な放射性物質 | 夢破窓在のブログ

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放射性物質 その25 危険な放射性物質

 

放射性物質を「恐ろしいもの」と煽る人々がいて、それを丸々信じる人がいます。

恐ろしい物だから、それを排除するのが、正義の志士の役割だと煽る人がいます。

それを信じて「トイレのないマンション」などと言って、自己満足する人がいます。

新興宗教、カルト宗教団体に似ています。

 

一番恐ろしい放射性物質は何ですか?

どうして他の放射性物質より恐ろしいのですか?

被害者は何処に、どれだけ存在するのですか?

 

問い詰めるとマトモな返事をしてくれません。

 

一番恐ろしい放射性物質は何なのでしょうか?

 

セシウム137ですか?

1gのセシウム137の崩壊量は3.31x10^11ベクレル。

1gの沃素131の崩壊量は4.597x10^15ベクレル。

1gで比較すると、セシウム137の崩壊量は沃素131の1万分の1以下です。

 

沃素131ですか?

1gの沃素131の崩壊量は4.597x10^15ベクレル。

1gの沃素132の崩壊量は6.273x10^17ベクレル。

沃素131の崩壊量は沃素132の100分の1以下です。

 

沃素132の半減期は1.4時間です。1日もすると13万分の1になってしまいます。

その一方で、沃素132はテルル132の娘です。テルル132の半減期は3.2日です。

1日たったくらいでは5分の1ほどしかなくならず、テルルが崩壊する都度、沃素132は生まれてきます。1ヶ月たったらどうでしょう。テルル132は664分の1になっています。

 

1gのプルトニウム239の崩壊量は2.296x10^9ベクレル。

Pu239が1ベクレルあたりで放出するガンマー線の線量は、

0.013x0.0003+0.034x0.0001x0.052x0.0003=2.29x10^-5MeV

1gのPu239が放つガンマー線のエネルギー量は、

 2.296x10^9x2.29x10^-5=5.258x10^4MeV   ・・・(1)

Cs137の1ベクレル当たりのガンマー線エネルギー量は、

 0.6617x0.85=0.562MeV

1gのCs137が放つガンマー線エネルギー量は、

 0.562x3.31x10^11=1.86x10^11MeV    ・・・(2)

(2)÷(1)

 1.86x10^11÷5.258x10^4=3.538x10^6

プルトニウム239が放つガンマー線のエネルギーはセシウム137の354万分の1。

 

プルトニウム239が放つアルファ線は紙1枚透過できません。人体の皮膚が万が一傷ついたとしても、傷ついた皮膚は3日もすれば垢となって入れ替わります。

1gのプルトニウム239があったとして、そこから出て来るアルファ粒子は、粒の表面で崩壊した物だけです。半減期、比放射能はCs137の804分の1です。

 

一番怖い放射性物質は何ですか?

 

自然界に存在する放射性物質はウラン、トリウム、いずれも大変長い半減期の物質です。大元の親が崩壊しなければ、子核種は登場しません。

炭素14、トリチウム、これらの物質の影響の下に我々は生活を育んできました。今更取上げて、トロイの木馬と叫んでも、どうなるものではありません。

核の大小のカケラは、大変分子量の大きな物質です。簡単に拡散したりするものではありません。多くが短い半減期で崩壊して、安定な物質になります。

 

敢えて、一番恐ろしい放射性物質を挙げれば、怖いのかどうかは別にして、答えの一つは、セシウム137です。

原発事故のようなものが発生して、圧力容器の中から外部に出てくる放射性物質。気にするべきはキセノン133とセシウム137ですが、キセノン133の半減期は5.2日です。

Xe133は1ヶ月もすれば、あらかた崩壊が終わります。拡散能力も、敷地内に澱むだけです。一方、セシウムは水と反応して水酸化セシウムとなります。

一部の水酸化セシウムは、水蒸気に親和してどこまでも付いて行きますから、思わぬ場所にまで拡散して行きます。

核爆発のケースでも、ヒロシマでは残留放射能による影響は出ていませんが、影響を及ぼすとしたら、半減期が長く、拡散力のあるセシウム137です。

ヒロシマでは、被曝直後に強い雨が降り、拡散どころか、溶けて流れて、海に消えました。

 

セシウム137の放射線で亡くなった例は、ブラジルのゴイアニアにありますが、人工的に作った塩化セシウムの取り扱いを間違えたからです。

人工的に作ったセシウムは、放射線量が多い為、拡散しないように、ガラスで固めて、配慮がなされていますが、扱いを間違えると被害が出ます。

ゴイアニアのケースでは80%近くが回収されたと聞いています。ザラメ状なので回収できたのです。塩化セシウムが微粉であったら、水に溶けて、こんなに回収できません。

原子力発電で作られたセシウム137の被害は聞いたことがありません。

事故を起こしたとしても、どんどん拡散して、薄まってしまうのです。

 

セシウムが放つガンマー線は電磁波です。火傷するような量を浴びない限り、どうということはありません。

セシウム137より強い放射線を放つ、ビスマス214のガンマー線を何十年も浴び続けて、何の影響も受けなかった一家が世田谷に住んでいたのを知っています。

 

微量の放射線を毒物かのように煽るのは、マヤカシです。

原子力発電の利用率が大きくなれば、それに比例して燃料の売り上げを失う国があります。

日本の電気代が安くなれば、それに応じて商品の国際競争力を失う国があります。

彼等は、日本の原子力発電の邪魔をしようと必死です。

 

恐ろしい放射性物質、答の一つはセシウム137だと申しました。

しかし、原発から流れ出るCs137で被害は出ていませんし、出そうもありません。

他にも答えがあるのか?

もっと、ずっと恐ろしいと思われる放射性物質があります。

窒素16です。

これは、人が中性子線を浴びた時に、体内で生まれる物質です。

体内に陽子線が走った後、平均7秒もすると、同じ場所がN16の放射線を浴びます。

陽子線の影響が大きければ、後追いのN16の放射線は、恐ろしいにしても、障害の原因とは言えません。しかし、この二つにペアで時間差攻撃を受ける事で、細胞分裂作業が滞り、エンコするものだとすれば、N16が最も恐ろしい放射性物質だと言えます。

 

N16に襲われる(=中性子線を浴びる)のは、

1) 原爆・水爆に被曝する。

2) 稼動中の原発の格納容器の中で、圧力容器に抱きつく。

3) 臨界前のプルトニウム239の塊(デーモンコア)を取り扱う。

4) 規則違反のステンレスのバケツで、高濃度のウラン燃料を取り扱う。

以上が考えられます。

 

原爆・水爆以外は我々の身にN16が降りかかる事はありません。

原爆と原子力発電では核分裂のメカニズムが異なります。

放射線の知識を何も学ばずに、原子力発電に反対する人の行動は、カルト宗教の信者と変わらない迷惑な存在です。