人を雇って働かせる場合のルールについて
まず、
労働法とは
労働問題に関するたくさんの法律をまとめて労働法と言います。
その中には、労働基準法や労働組合法、最低賃金法、安全衛生法など様々な法律が含まれて
います。
正社員だけてなく、パートタイム労働者、アルバイトも労働法の適用を受けます。
第1章 採用する前に
1.労働契約を結ぶとき
労働条件をきちんと示すことが義務付けされています。
☆また、次の6項目は書面を交付しなければなりません。
①契約はいつまでか
②更新について
③どこでどんな仕事か
④仕事の時間や休み
⑤賃金の決め方、計算と支払い方法、締め切り日と支払日
⑥退職に関すること
☆労働契約の禁止事項
①労働者が契約に違反した場合の違約金の金額を、あらかじめ決めておくこと
②労働することを条件として労働者にお金を前貸しし、毎月の給料から一方的に天引き
したり、辞めるときに1度に全額を返済させること
③労働者に強制的に会社にお金を積み立てさせること
積立の理由は関係なく、社員旅行費などの労働者の福祉のためでも、強制的に積立
させることはできません。
☆採用内定
採用内定により労働契約が成立したと認められる場合は、内定取り消しは契約の
解雇となるとされています。
通常の解雇と同様、正当な事由がなければなりません。
2.就業規則の重要性
使用者が作成するもので、大勢の集まりである会社においてルールを定めること
により、皆が安心して働け、無用なトラブルを防止できます。
☆就業規則のきまり
①常時10人以上の労働者を使用している会社は必ず就業規則を作成し、労基署
に届けなくてはいけません。
②必ず記載しなければいけない事項
・始業および就業時間、休憩時間、休日、休暇、交替勤務制の場合の就業に
関する事項
・賃金に関する事項
・退職に関する事項
③作成、変更する場合は必ず労働者側の意見を聴かなければなりません。
④内容は、法令や労働協約に反してはいけません。
3.各種保険(各種保険完備とは)
会社が労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険に加入しており、その会社で働く従
業員にそれらの制度が適用されることです。
○労働保険は労災保険、雇用保険です。
・労災保険は、基本的には労働者を1人でも雇用する会社に適用
・雇用保険は、基本的には労働者1人でも雇用する会社で週労働時間が20時間以上が
適用です。(個人事業者で5人未満は任意です)
○社会保険は健康保険と厚生年金保険です。
・適用になる会社とは
会社(法人)株式会社、有限会社はもちろん財団法人や医療法人などであ
れば、社長1人でも加入しなければなりません。
個人事業は5人以上で加入、ただ、第1次産業、サービス、法務、宗教は何人いても入
らなくても任意になっています。
・どんな労働者がはいるか
30時間以上、労働日数が18日以上(パートでも一般の労働者の4分の3以上)であれ
ば、加入させる必要があります。
●また、来年の平成28年10月1日から 501人以上の会社の労働者は被保険者
は次の要件で加入になります。
・週30時間労働が→週20時間以上
・月額の賃金が8万8000円以上ある(年収で106万円以上)
・勤務期間が1年以上ある
・学生は適用除外
第2章 採用し働かせるときのルール
1.労働条件の不利益変更
「今、経営が苦しいので、労働契約で定めた給料を引き下げます」などと勝手に変更した場
合は、契約違反で許されません。
ただ、不利益条件に変更する場合は、諸事情に照らし合理性があり、かつ労働者に周知され
ていた場合には、就業規則の変更による労働条件の不利益が認められる場合があります。
合理性があるかは、変更の必要性、労働者が受ける不利益の度合い、変更後の就業規則の内
容の相当性、労働組合との交渉の状況などから判断されます。それらの基準を満たさない限
り変更することはできません。
2.賃金のきまり
給与(法律では「賃金」といいます)の額は最低賃金下回ってはいけません。
☆賃金の支払いのきまり
①通貨払い
②直接払い
③全額払い
④毎月1回以上定期払い
☆賃金についてのその他のきまり
・職場の規則違反をしたことを理由に制裁として、賃金の一部を減額することを減給とい
います。
減給のルールは、1回の減給の金額は1日分の半額を、月給なら10分の1をこえては
いけません。
・休業手当
使用者の責任で労働者を休業させた場合は、平均賃金の6割以上休業手当を支払わな
くてはいけませ。
・給与明細書
所得税法において、会社は従業員に給与明細書を交付する義務があり、給与を支払う
際には交付しなければいけません。
3.労働時間や休憩・休日などについての決まり
労働時間は1日8時間以内、1週間40時間と労基法で決められています。
また、使用者が法定時間を超えて労働者を働かせる場合は、あらかじめ労働者の代
表との間で「36協定」を締結し、労基署に届けなければいけません。
・割増賃金
①時間外労働は25%以上増
②休日労働は35%以上増
③22時から5時までの深夜労働は25%増
この割増賃金は、アルバイト他すべての労働者に適用されます。
休憩・休日のきまり
1日労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分
1日労働時間が8時間を超える場合は、少なくても60分
以上の休憩を勤務時間の途中で与えなけらばいけません。
法定休日は、毎週少なくても1回、あるいは4週間を通じて4回以上与えなければ
いけません。
○手待時間も労働時間
労働時間は、使用者の指揮監督下にある時間をいいます。
例、会議が始まるまでの待機時間
途切れた資材の到着を待って作業の手を止めている場合
昼の休憩時間中であっても電話当番などとして、かかってきた電話に対応
手待時間といい、労働時間ということになります。
○変形労働時間制
一定の要件の下、一定の期間を平均して1週間の労働時間が40時間を超えない範囲で、
特定の日の労働時間が8時間を超えたり、特定の週で40時間を超えたりして働かせるこ
とができる制度
年次有給休暇についてきまり
アルバイトやパートタイマー労働者でも、利用目的を問われることなく取得できる休
暇です。
○時間単位年休
労使協定を結ぶことにより、5日を限度として時間単位で取得できます。
また、労働者が希望し、使用者が同意した場合は、労使協定がなかっても、半日単位で取
得が可能です。
○健康診断
対象者
・常時使用する労働者
・パートやアルバイトも条件を満たせば対象となります。
パートタイム労働者は、1週間の所定労働時間が当該事業場の同種の業務に従事する通常
の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であれば、「常時使用する労働者」に該当
します。
※なお、常時50人以上の労働者を使用している事業者は、労働基準監督署に健康診断の結
果を報告する義務があります。
第3章 退職、解雇
1.解雇
解雇は、使用者がいつでも自由に行えるものではなく、客観的に合理的な理由を欠き、社
会通念上相当と認めらない場合は、解雇できません。
使用者は、就業規則に解雇できる場合を記載し、合理的な理由があっても、解雇を行う際
には、使用者は少なくても30日前に解雇の予告が必要です。予告を行わない場合は、3
0日以上の平均賃金の解雇予告手当を支払わなくてなりません。
○期間の定めがある場合
有期労働契約においては、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤
務している人は、契約を更新しない場合は、30日前に予告が必要です。
さらに、反復更新の実態から、実質的に期間の定めが無い契約と変わらないといえる
場合や、雇用の継続を期待することが合理的であると考えられる場合は、客観的・合
理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない場合は雇止めは認められま
せん。
○整理解雇
①人員削減の必要性
②解雇回避の努力
③人選の合理性
④解雇手続きの妥当性
上記事項に照らして有効か無効か厳しく判断されます。
○退職勧奨
退職勧奨に応じるか否かは労働者の事由です。退職勧奨に応じて退職した場合は、雇
用保険において、自己都合退職にはなりません。
第4章 多様な雇用形態
1.派遣労働者
労働者が人材派遣会社(派遣元)との間で雇用契約を結んだ上で、派遣元が労働者
派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に労働者を派遣し、労働者は派遣先の指揮命
令を受けて働くというもの
2.契約社員
正社員と違って、労働契約にあらかじめ契約期間が定められています。
3.パートタイム労働者
一般的には、パートタイム労働法で定義されている「短時間労働者」のこと、1週
間の所定労働時間が、通常の労働者と比して短い労働者のこと。
労働者を雇い入れる場合は、使用者は、労働条件を明示すること、特に重要な条件
については文書を交付することが義務付けられていますが、昇給・退職手当・賞与の有無
についても文書の交付による明示義務があります。
4.業務委託契約
業務委託や請負といった形態で働く場合は、基本的には労働者としての保護は受け
れません。
○労基法上の労働者
使用者の指揮命令下で働き、その報酬として賃金を受ける者をいい、職種は問いませ
ん。
・会社の指揮命令下の下で働いているか否か
・受け取る報酬が指揮監督下で働いたことに対する報酬か否かです。
まず、
労働法とは
労働問題に関するたくさんの法律をまとめて労働法と言います。
その中には、労働基準法や労働組合法、最低賃金法、安全衛生法など様々な法律が含まれて
います。
正社員だけてなく、パートタイム労働者、アルバイトも労働法の適用を受けます。
第1章 採用する前に
1.労働契約を結ぶとき
労働条件をきちんと示すことが義務付けされています。
☆また、次の6項目は書面を交付しなければなりません。
①契約はいつまでか
②更新について
③どこでどんな仕事か
④仕事の時間や休み
⑤賃金の決め方、計算と支払い方法、締め切り日と支払日
⑥退職に関すること
☆労働契約の禁止事項
①労働者が契約に違反した場合の違約金の金額を、あらかじめ決めておくこと
②労働することを条件として労働者にお金を前貸しし、毎月の給料から一方的に天引き
したり、辞めるときに1度に全額を返済させること
③労働者に強制的に会社にお金を積み立てさせること
積立の理由は関係なく、社員旅行費などの労働者の福祉のためでも、強制的に積立
させることはできません。
☆採用内定
採用内定により労働契約が成立したと認められる場合は、内定取り消しは契約の
解雇となるとされています。
通常の解雇と同様、正当な事由がなければなりません。
2.就業規則の重要性
使用者が作成するもので、大勢の集まりである会社においてルールを定めること
により、皆が安心して働け、無用なトラブルを防止できます。
☆就業規則のきまり
①常時10人以上の労働者を使用している会社は必ず就業規則を作成し、労基署
に届けなくてはいけません。
②必ず記載しなければいけない事項
・始業および就業時間、休憩時間、休日、休暇、交替勤務制の場合の就業に
関する事項
・賃金に関する事項
・退職に関する事項
③作成、変更する場合は必ず労働者側の意見を聴かなければなりません。
④内容は、法令や労働協約に反してはいけません。
3.各種保険(各種保険完備とは)
会社が労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険に加入しており、その会社で働く従
業員にそれらの制度が適用されることです。
○労働保険は労災保険、雇用保険です。
・労災保険は、基本的には労働者を1人でも雇用する会社に適用
・雇用保険は、基本的には労働者1人でも雇用する会社で週労働時間が20時間以上が
適用です。(個人事業者で5人未満は任意です)
○社会保険は健康保険と厚生年金保険です。
・適用になる会社とは
会社(法人)株式会社、有限会社はもちろん財団法人や医療法人などであ
れば、社長1人でも加入しなければなりません。
個人事業は5人以上で加入、ただ、第1次産業、サービス、法務、宗教は何人いても入
らなくても任意になっています。
・どんな労働者がはいるか
30時間以上、労働日数が18日以上(パートでも一般の労働者の4分の3以上)であれ
ば、加入させる必要があります。
●また、来年の平成28年10月1日から 501人以上の会社の労働者は被保険者
は次の要件で加入になります。
・週30時間労働が→週20時間以上
・月額の賃金が8万8000円以上ある(年収で106万円以上)
・勤務期間が1年以上ある
・学生は適用除外
第2章 採用し働かせるときのルール
1.労働条件の不利益変更
「今、経営が苦しいので、労働契約で定めた給料を引き下げます」などと勝手に変更した場
合は、契約違反で許されません。
ただ、不利益条件に変更する場合は、諸事情に照らし合理性があり、かつ労働者に周知され
ていた場合には、就業規則の変更による労働条件の不利益が認められる場合があります。
合理性があるかは、変更の必要性、労働者が受ける不利益の度合い、変更後の就業規則の内
容の相当性、労働組合との交渉の状況などから判断されます。それらの基準を満たさない限
り変更することはできません。
2.賃金のきまり
給与(法律では「賃金」といいます)の額は最低賃金下回ってはいけません。
☆賃金の支払いのきまり
①通貨払い
②直接払い
③全額払い
④毎月1回以上定期払い
☆賃金についてのその他のきまり
・職場の規則違反をしたことを理由に制裁として、賃金の一部を減額することを減給とい
います。
減給のルールは、1回の減給の金額は1日分の半額を、月給なら10分の1をこえては
いけません。
・休業手当
使用者の責任で労働者を休業させた場合は、平均賃金の6割以上休業手当を支払わな
くてはいけませ。
・給与明細書
所得税法において、会社は従業員に給与明細書を交付する義務があり、給与を支払う
際には交付しなければいけません。
3.労働時間や休憩・休日などについての決まり
労働時間は1日8時間以内、1週間40時間と労基法で決められています。
また、使用者が法定時間を超えて労働者を働かせる場合は、あらかじめ労働者の代
表との間で「36協定」を締結し、労基署に届けなければいけません。
・割増賃金
①時間外労働は25%以上増
②休日労働は35%以上増
③22時から5時までの深夜労働は25%増
この割増賃金は、アルバイト他すべての労働者に適用されます。
休憩・休日のきまり
1日労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分
1日労働時間が8時間を超える場合は、少なくても60分
以上の休憩を勤務時間の途中で与えなけらばいけません。
法定休日は、毎週少なくても1回、あるいは4週間を通じて4回以上与えなければ
いけません。
○手待時間も労働時間
労働時間は、使用者の指揮監督下にある時間をいいます。
例、会議が始まるまでの待機時間
途切れた資材の到着を待って作業の手を止めている場合
昼の休憩時間中であっても電話当番などとして、かかってきた電話に対応
手待時間といい、労働時間ということになります。
○変形労働時間制
一定の要件の下、一定の期間を平均して1週間の労働時間が40時間を超えない範囲で、
特定の日の労働時間が8時間を超えたり、特定の週で40時間を超えたりして働かせるこ
とができる制度
年次有給休暇についてきまり
アルバイトやパートタイマー労働者でも、利用目的を問われることなく取得できる休
暇です。
○時間単位年休
労使協定を結ぶことにより、5日を限度として時間単位で取得できます。
また、労働者が希望し、使用者が同意した場合は、労使協定がなかっても、半日単位で取
得が可能です。
○健康診断
対象者
・常時使用する労働者
・パートやアルバイトも条件を満たせば対象となります。
パートタイム労働者は、1週間の所定労働時間が当該事業場の同種の業務に従事する通常
の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であれば、「常時使用する労働者」に該当
します。
※なお、常時50人以上の労働者を使用している事業者は、労働基準監督署に健康診断の結
果を報告する義務があります。
第3章 退職、解雇
1.解雇
解雇は、使用者がいつでも自由に行えるものではなく、客観的に合理的な理由を欠き、社
会通念上相当と認めらない場合は、解雇できません。
使用者は、就業規則に解雇できる場合を記載し、合理的な理由があっても、解雇を行う際
には、使用者は少なくても30日前に解雇の予告が必要です。予告を行わない場合は、3
0日以上の平均賃金の解雇予告手当を支払わなくてなりません。
○期間の定めがある場合
有期労働契約においては、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤
務している人は、契約を更新しない場合は、30日前に予告が必要です。
さらに、反復更新の実態から、実質的に期間の定めが無い契約と変わらないといえる
場合や、雇用の継続を期待することが合理的であると考えられる場合は、客観的・合
理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない場合は雇止めは認められま
せん。
○整理解雇
①人員削減の必要性
②解雇回避の努力
③人選の合理性
④解雇手続きの妥当性
上記事項に照らして有効か無効か厳しく判断されます。
○退職勧奨
退職勧奨に応じるか否かは労働者の事由です。退職勧奨に応じて退職した場合は、雇
用保険において、自己都合退職にはなりません。
第4章 多様な雇用形態
1.派遣労働者
労働者が人材派遣会社(派遣元)との間で雇用契約を結んだ上で、派遣元が労働者
派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に労働者を派遣し、労働者は派遣先の指揮命
令を受けて働くというもの
2.契約社員
正社員と違って、労働契約にあらかじめ契約期間が定められています。
3.パートタイム労働者
一般的には、パートタイム労働法で定義されている「短時間労働者」のこと、1週
間の所定労働時間が、通常の労働者と比して短い労働者のこと。
労働者を雇い入れる場合は、使用者は、労働条件を明示すること、特に重要な条件
については文書を交付することが義務付けられていますが、昇給・退職手当・賞与の有無
についても文書の交付による明示義務があります。
4.業務委託契約
業務委託や請負といった形態で働く場合は、基本的には労働者としての保護は受け
れません。
○労基法上の労働者
使用者の指揮命令下で働き、その報酬として賃金を受ける者をいい、職種は問いませ
ん。
・会社の指揮命令下の下で働いているか否か
・受け取る報酬が指揮監督下で働いたことに対する報酬か否かです。