アメリカの Chi Institute （チー・インスティテュート）での研修を終え、帰国しました。
今回は実技試験と200問の筆記試験に合格し、アメリカで公式に認定されている獣医鍼灸師の資格を取得してきました。
・・・と書くと、「なんだ、今までは資格もないのに鍼灸治療をしていたのか！」と思う方もいるでしょうが、
この資格は、
（１） すでに獣医師免許を持っていて臨床経験がある者が
（２） アメリカ本校およびオンラインでの合計130時間の研修を受け、
（３） 規定時間以上の鍼灸治療を行い、
（４） 英語で書いた症例報告書が規定レベル以上であると受理され、
（５） 3回の中間試験、および最終の実技試験と英語の筆記試験（200問）に合格する。
という条件をすべて満たさなければ得られない資格です。
つまり、『すでに動物に対する鍼灸治療を実践して十分な知識と技術を持っているので専門医として認めますよ』という資格になります
しちふくの場合、Chi Instituteのコースを受講する前にChiの認定講師である坂内祐美子先生主催の「獣医師のための鍼灸ボディワーク講座」で120時間勉強していますので、受講時間だけで計250時間になります。
またChi Institute の教科書を日本語に翻訳する作業にも主体的に携わったので（★
）教科書を読んだ時間はカウントできないくらい長いです。
今回しちふくはフロリダのChi Institute というところで獣医鍼灸師の資格を得ました。
このChi Institute は公的な認定を受けていて、Chi Instituteの認定はアメリカで公式な認定資格として認められます。
といっても、Chiの認定資格は日本では公的に認められていません。
それどころか、日本には公的に認められた獣医鍼灸師の資格はありません
先に知っていただきたいことは、動物に鍼を刺すという医療行為は、日本では獣医師にしか認められていないのです。
獣医師が日本国内で鍼灸を学ぶ場合、人間の鍼灸学校に入って勉強するか、
または獣医師向けの鍼灸専門学校、学会主催の講習会、個人レベルの講習会などで学ぶことになります。
人間の鍼灸学校に行けば人間の鍼灸師の資格は得られます。
獣医師向けの講習会などで学ぶと、それぞれの組織の修了証はもらえますが、公的な獣医鍼灸師という資格は得られません。
逆に、獣医師免許さえ持っていれば、本などで独学しただけでも動物に鍼灸治療を施すことが可能なのが今の日本の現状です。
このため、動物に鍼灸治療を行っている獣医師の知識や技能には相当なばらつきがあります。
中国やアメリカに行くとそれぞれの国で認定された資格が取れる可能性があります。
これらは中国やアメリカでは有効ですが、残念ながら日本では公認された資格ではありません。
でも、それぞれの国で公認されているということは、それなりのレベルを満たしていると公的に認められているということなので、どうせ動物鍼灸の勉強をするなら認定資格を取ろうと思い、これまで頑張ってきました。
Chi Insitute では、東洋医学の基礎理論、動物の診断法や治療法、動物のツボの位置、動物漢方医学、食事療法など非常に細かく丁寧に学ぶことができました。
人間と動物ではツボの位置や効能が違う場合がありますから、人間の鍼灸学校で勉強した場合は動物のツボやその使い方を勉強しなおさなければならないと思います。
Chi Insituteの動物鍼灸理論は古代中国で2000年以上前から行われてきた動物鍼灸が基になっています。
痛いところに鍼を刺すという単純なことではなく、心身のバランスを整える奥深い理論があります。
資格を取ったことに満足することなく、これからも精進して動物たちを癒していきたいと思っています
本日12月21日はしちふくの誕生日です
誕生日に良い報告ができてとてもうれしいです
