『お前が泣けばいいんだよ
火傷には水だろ』
火傷と爪痕 (ディアプラス・コミックス)/新書館
¥648
Amazon.co.jp
なっち的満足度:★★★★★(最高!!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
良かった。めちゃくちゃ良かったです。
刺さる言葉がいっぱいあったし、全編ダークでネガティブで厄介で、すごくギドさんらしい作品だな~と思った。
「青年発火点」のスピンオフ。
学の叔父で編集者の古賀と、古賀の担当小説家である名島のお話。
名島のこじらせたメンドクサイ大人具合がものすごくツボでした。
「悪人」シリーズの鷹尾を彷彿とさせたな~。(←大好き)
「青年発火点」も若者らしいピュアなお話でキュンキュンして良かったのですが、個人的にはこちらの作品の方が大人っぽくて、読み応えがあって好みでしたね。
ただ、女子の存在感がかなりあるので、お嫌いな方は注意した方がいいと思います(^_^;)
(※感想にネタバレを含みます。ご注意下さい※)
**************************
古賀(表紙手前、受け)の担当小説家である名島(表紙奥、攻め)は、昔「落葉」という小説で賞をとってデビューして以来、一度も小説を書き上げていない。
名島の原稿をなんとか取ろうとする古賀だけど、女たらしでちゃらんぽらんな名島に私生活でも翻弄され気味。
そんなある日、古賀は「落葉」は名島の実の父である小説家の盗作なんじゃないかと疑惑を持ち、調べるうちに名島の初恋に辿り着いて…とゆうお話。
ギドさんの作品は、1ページ目でがっと気持ちを持ってかれることが多いのですが、今回もそうでした。
「女の恋はぱっくりいってもじきに綺麗にふさがる切り傷、男の恋はいつまでも遺る火傷」
この比喩、すごくいい。小説みたいな表現ですね。
いや、これ言ったの小説家なんだけど。
古賀は真面目で曲がったことが大嫌いなタイプ。
学生時代、その性格ゆえ周りと上手くいかなくてひきこもりになった時に、名島の小説「落葉」に出会い(←学が持って来たw)救われる。
実は名島のファンなんだけど、それを言えずにうるさく叱りながら名島の原稿を待ってます。
「落葉」盗作疑惑から名島が初恋をひきずってることを知り、決着をつけさせるのですが、
「お前のクソみたいな初恋終わらせてやる!」が良かったですね(´∀`)
この本では唯一(?w)痛快な一コマでした。
対する名島。女たらしで誰彼構わず口説くような男で、古賀とは正反対。
でも心には初恋をずっと引きずっていて、そのせいかたまにとんでもない闇を感じさせるような表情をする。
外見はちゃらんぽらんに見せかけて、実は純情を隠し持ってる、こうゆう厄介な男大好きですw
父親の愛人である佐和子のことを本気で好きになってしまって書き上げた小説「落葉」は、きっと佐和子へのラブレターみたいなもんだったんだろうね。
でも父親の「落葉」にも名島の「落葉」にも、どちらにも自分はいないと佐和子に言われて…、ここかなり切なかったなぁ(´_`。)
なにが切ないって、へらへら笑う名島がすごく切なかった(´_`。)
でもね、だから泣かない名島の代わりに、古賀が涙を流すんですよ!
「火傷には水だろ」って。
自分の為じゃなく人の為に流す涙って、本当に綺麗で、ぐっとくるものがありました。
初恋こじらせて、きっと誰と寝ても心までは満たされなくて、孤独だった名島。
ほんとは自分だけ見て叱ってくれて、自分だけを愛してくれる人が欲しかったんだろうね。
名島が一旦は抑え込んだ古賀への気持ちを抑えきれなくなって、もう一度小説を書き始めるんだけど。
そんな名島を見た古賀のモノローグ
「燃えあがりながら崩れるみたいな」
が、めちゃくちゃ良かった!!(´д`lll)
なんてこと言うんだ、と思った。すごく刺さった。
これが表面上はへらへらしてる名島の本質なんだろうなぁ。
一言でダイレクトに伝わってくる表現でした。
何度も言うけど、秀逸なモノローグ。
こうゆうのがポンとくるから、ギドさんはやめられないですね~(´∀`)
あとね、名島の「身体洗ってて思ったよ。喰えるって。確かめながらキレイにした」も、別の意味でなんちゅうこと言うんじゃ(/ω\)でしたw
どえろくてビックリしたよw
一番優しくしたい、大切にしたい、って言いながら古賀に触れる名島の、その心はきっと余裕なんかこれっぽっちもなくて、怖くて震えてるんだろうな~と思った。
「俺ほんとどうしようもなくてごめんね~」って、冗談めかして言いながら土下座する姿も、ちょっと鼻の奥がつーんとしました(>_<)
不器用で繊細で、臆病な大人。愛おしかったです。
しかし指一本で、あんなに背中に爪痕をつけてしまうのか、古賀よ…。(さすが処女)
最後の「俺は男もはじめてだ!!」も可愛かったですね(´∀`)
***********
あとがきで「めっちゃ難産だった」とありましたが、そうだろうな~と思ったw
2人共受けっぽいし(ってか名島は絶対受け体質でしょ!)、2人共うじっとした動かないキャラなので、お話が進みずらかったろうな~ってw
なにせページの前半分は、攻めは女の子のこと好きだったしねw
BL以外の要素もすごく重かったな~と思いました。
でも描き上げてくれて、本当にありがたいです(^-^)良い作品でした。
次は、学と山隈の大人編「青い鳥より」ですね♪コミックス発売を楽しみに待ってます!!
読んでくれてありがとう(^-^)/
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学の叔父で編集者の古賀と、古賀の担当小説家である名島のお話。
名島のこじらせたメンドクサイ大人具合がものすごくツボでした。
「悪人」シリーズの鷹尾を彷彿とさせたな~。(←大好き)
「青年発火点」も若者らしいピュアなお話でキュンキュンして良かったのですが、個人的にはこちらの作品の方が大人っぽくて、読み応えがあって好みでしたね。
ただ、女子の存在感がかなりあるので、お嫌いな方は注意した方がいいと思います(^_^;)
(※感想にネタバレを含みます。ご注意下さい※)
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古賀(表紙手前、受け)の担当小説家である名島(表紙奥、攻め)は、昔「落葉」という小説で賞をとってデビューして以来、一度も小説を書き上げていない。
名島の原稿をなんとか取ろうとする古賀だけど、女たらしでちゃらんぽらんな名島に私生活でも翻弄され気味。
そんなある日、古賀は「落葉」は名島の実の父である小説家の盗作なんじゃないかと疑惑を持ち、調べるうちに名島の初恋に辿り着いて…とゆうお話。
ギドさんの作品は、1ページ目でがっと気持ちを持ってかれることが多いのですが、今回もそうでした。
「女の恋はぱっくりいってもじきに綺麗にふさがる切り傷、男の恋はいつまでも遺る火傷」
この比喩、すごくいい。小説みたいな表現ですね。
いや、これ言ったの小説家なんだけど。
古賀は真面目で曲がったことが大嫌いなタイプ。
学生時代、その性格ゆえ周りと上手くいかなくてひきこもりになった時に、名島の小説「落葉」に出会い(←学が持って来たw)救われる。
実は名島のファンなんだけど、それを言えずにうるさく叱りながら名島の原稿を待ってます。
「落葉」盗作疑惑から名島が初恋をひきずってることを知り、決着をつけさせるのですが、
「お前のクソみたいな初恋終わらせてやる!」が良かったですね(´∀`)
この本では唯一(?w)痛快な一コマでした。
対する名島。女たらしで誰彼構わず口説くような男で、古賀とは正反対。
でも心には初恋をずっと引きずっていて、そのせいかたまにとんでもない闇を感じさせるような表情をする。
外見はちゃらんぽらんに見せかけて、実は純情を隠し持ってる、こうゆう厄介な男大好きですw
父親の愛人である佐和子のことを本気で好きになってしまって書き上げた小説「落葉」は、きっと佐和子へのラブレターみたいなもんだったんだろうね。
でも父親の「落葉」にも名島の「落葉」にも、どちらにも自分はいないと佐和子に言われて…、ここかなり切なかったなぁ(´_`。)
なにが切ないって、へらへら笑う名島がすごく切なかった(´_`。)
でもね、だから泣かない名島の代わりに、古賀が涙を流すんですよ!
「火傷には水だろ」って。
自分の為じゃなく人の為に流す涙って、本当に綺麗で、ぐっとくるものがありました。
初恋こじらせて、きっと誰と寝ても心までは満たされなくて、孤独だった名島。
ほんとは自分だけ見て叱ってくれて、自分だけを愛してくれる人が欲しかったんだろうね。
名島が一旦は抑え込んだ古賀への気持ちを抑えきれなくなって、もう一度小説を書き始めるんだけど。
そんな名島を見た古賀のモノローグ
「燃えあがりながら崩れるみたいな」
が、めちゃくちゃ良かった!!(´д`lll)
なんてこと言うんだ、と思った。すごく刺さった。
これが表面上はへらへらしてる名島の本質なんだろうなぁ。
一言でダイレクトに伝わってくる表現でした。
何度も言うけど、秀逸なモノローグ。
こうゆうのがポンとくるから、ギドさんはやめられないですね~(´∀`)
あとね、名島の「身体洗ってて思ったよ。喰えるって。確かめながらキレイにした」も、別の意味でなんちゅうこと言うんじゃ(/ω\)でしたw
どえろくてビックリしたよw
一番優しくしたい、大切にしたい、って言いながら古賀に触れる名島の、その心はきっと余裕なんかこれっぽっちもなくて、怖くて震えてるんだろうな~と思った。
「俺ほんとどうしようもなくてごめんね~」って、冗談めかして言いながら土下座する姿も、ちょっと鼻の奥がつーんとしました(>_<)
不器用で繊細で、臆病な大人。愛おしかったです。
しかし指一本で、あんなに背中に爪痕をつけてしまうのか、古賀よ…。
最後の「俺は男もはじめてだ!!」も可愛かったですね(´∀`)
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あとがきで「めっちゃ難産だった」とありましたが、そうだろうな~と思ったw
2人共受けっぽいし(ってか名島は絶対受け体質でしょ!)、2人共うじっとした動かないキャラなので、お話が進みずらかったろうな~ってw
なにせページの前半分は、攻めは女の子のこと好きだったしねw
BL以外の要素もすごく重かったな~と思いました。
でも描き上げてくれて、本当にありがたいです(^-^)良い作品でした。
次は、学と山隈の大人編「青い鳥より」ですね♪コミックス発売を楽しみに待ってます!!
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