不当利得金返還請求事件 | セブン-イレブン経営被害者の会

不当利得金返還請求事件

  上記の事件名は覚えにくく言い難いので、簡単に、

“ロスチャージ事件”と呼ばれます。“ロスにチャージをかけている“という意味です。ロスは”損失“の意、チャージは”使用料・利用料“の意、合わせて、損失の利用料を払わされている・・・という、これもまた珍事件です。 


  売れ残りのお弁当や惣菜は廃棄処分します(実際は消費期限前の食品を廃棄処分します。) それら廃棄処分商品と、万引きなどによって店頭からなくなった商品の仕入代金は、小売業では必ず発生する“損失額”として、税務署は仕入原価に含めるのを認めています。 ところが、セブン-イレブン本部は、この“損失額”を仕入原価からわざわざ除外して粗利(=売上総利益)を計算します。  加盟店が本部に支払うロイヤルティ(=チャージ)は、損失で膨らんだ売上総利益に43%~74%を乗じた金額です。


 セブン-イレブン本部は加盟希望者に対して、売上総利益の計算について特殊な計算を用いていることを、契約前に説明をせず、書面でも渡さず、契約書の規定(41条)にも明確に記載していませんでした。 


  本部の社員が加盟店に強要する“品揃えの充実”、“顧客満足度を上げる為”、という言葉の裏には、大量の発注=大量の廃棄処分=本部が加盟店から得るチャージ増・利益増、があるわけです。このインチキなロスチャージ計算が使われる限り、加盟店の本部への不信は払拭できないでしょうし、新たに加盟しようという希望者が減る傾向に、歯止めはかけられないでしょう(加盟希望者に、契約前の時点で、ロスチャージ計算式が明確に提示されたとすればです)。

  他の大手コンビニチェーン本部も同様の計算を行っているため、長年、この裁判の行方は大きな注目を集めていました。2007年6月、最高裁はこの特殊な“売上総利益”の計算を認めたうえで、契約時点に合意があったかどうかを審理する必要があるとして東京高裁に差し戻しました。東京高裁は2007年12月末に、加盟店の請求を棄却しました。


  小売業の会計慣行から逸脱したコンビニ店の“売上総利益”は、今のところは合法ですが、たったひとつの事件、たった一人の加盟店経営者の主張した事件で、他の数万人の経営者も同じ結果が出るだろう、と考えるのは早計です。
 

  サラ金のグレーゾーン金利を実質的に無効であると最高裁が判断するに至るまで、全国で数百件の裁判が行われてきたように、多くの加盟店が全国各地で同種裁判を起こすことが必要です。1回・1件で全てが終るというものではなく、積み重ねて続いて行くものだと考え、解決へ向けて取り組むべき事件です。肝心なことは、どこに続いて行こうとしているのか、です。
  

  このロスチャージを取る目的で作られた計算式・売上総利益は、会計慣行という慣習法に準じておらず違法である、という司法判断に変わる日が、いつか来るものと、私たち原告団は考えています。