痛いね~痛いね~ | しかたない、がんばろう!~急性リンパ性白血病をいきる~かんごしに生きる~

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2008年春、急性リンパ性白血病 (ALL) になった。
38才独身、看護師18年目…。
がん看護,緩和ケア病棟の経験もあった。
自分が患者になり、初めて分かったこと、実感したことがある。
日々のことと共に、又、今までを振り返りながら、記していきたい。

前にも書いた話…。

移植入院中、激しい胃痛,腹痛,腰痛があった。

麻薬系鎮痛剤を PCAポンプ という物で静注していた。
痛みが酷い時は、早送り という追加投与が上限無く使える。
自分で 早送り ボタンを押す事が出来る。
ただし15分に1回。
痛くてどうしようもなくても、次押せるまでロックがかかっており、ひたすら我慢である。

一晩中押していた時があった。
早送り の回数や投与量は、ポンプに表示され、看護師はチェックしている。

早送り が多ければ、投与量のベースアップが必要。

言わなくても看護師は考えていると思っていた。

そっと看護師に尋ねると、「早送りしていればいいじゃないですか。」と言われた。

痛い痛いと口に出してみることにした。

「痛いね~痛いね~。」とその看護師は言うだけだった。
赤ちゃん言葉に近かった。

「先生とお話したいです。」と言ったが、医師が来たのはそれから2時間後で、結局、1から説明をしなければならなかった。

あるがん患者さんの集まりで、この話を笑い話にして伝えた。

自分にとっては小さくない苦痛が、医療者には軽視されている事実は、殆どの方々が経験しているのを確信した。
皆さん、深く何度も頷いて苦笑していたから。

共感も寄り添う気持ちの言葉も大切で基本である。
でもそれは、可能な限りのソノモノの除去や軽減が大前提だと考える。

被災地での心のケアで、問題点の変化が生じているらしい。
TVで見た。

そっとしておいて欲しい
根掘り葉堀り聞かれたくない

何もかも無くして、現在の衣食住もまだまだ大変で、自分の努力だけではどうにもならない。

生存に直結した問題に、少しでも進歩が見えたり、ゴールや見通しがついたなら、心のケアももっと有用になるのではないか。

辛いね辛いね
悲しいね悲しいね

と、やるべき事もなされずに言われても、満たされない思いがあって当然ではないか。

でも、私も、果てしない思いにゴールが見える事を祈るしか出来ない…。